ドル/円、148円台が再び視野に…春闘は昨年を上回ることほぼ確実
東京市場のドル/円は、上値の重い展開。日銀が注目する春闘の集中回答に対する警戒感から円買いが先行すると一時147.23円前後まで弱含みました。その後は日経平均株価が下げ幅を縮小したことで147.60円台へ持ち直すも伸び悩んでいます。
16時前後の参院予算委で岸田首相や植田日銀総裁の発言などを受けて円売りが強まると欧州市場では147.90円台まで上昇しました。
<岸田首相>
・デフレ脱却には至っていない
・マイナス金利解除のタイミング含め具体的な金融政策の手法は日銀に委ねられている
<植田日銀総裁>
・春闘動向は大きなポイント
・企業から賃上げ回答今後表明されていく、その他のデータや様々なヒアリング情報を総合的に点検した上で適切に判断していきたい
<経団連会長>
・春闘集中回答日で、「連合の1次集計、昨年3月を上回ることほぼ確実」
市場の関心は来週の日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)に向かっています。また、本日のNY市場では注目イベントが予定されていないこともありドル/円は147円台を中心に方向感の乏しい展開となりそうです。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、80日線や38.2%押し水準が下値支持となり底堅い展開となっています。そうした中で148円台へ切り返す場面もありましたが、同水準が上値抵抗となり伸び悩みました。直近は146.40円-148.10円程度のレンジ推移となっておりどちらかをブレイクするようだと方向感を伴った値動きが出てくる可能性があるでしょう。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
3/13(水)
19:00 ユーロ圏1月鉱工業生産
20:45 チポローネECB専務理事講演
23:30 EIA週間原油在庫統計
26:00 米30年債入札(220億ドル)
※☆は特に注目の材料
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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