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【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-年末で取引閑散、方向感出にくい

◆年末で流動性低下に注意、手がかり難で方向感出にくい
◆ポンド、来年の利下げ思惑の高まりで上値重い
◆加ドル、動意に欠ける動きが続きそう

予想レンジ
ポンド円 178.00-185.00円
加ドル円 105.00-109.00円

12月25日週の展望
 今週、主要国の中銀のなかでも日銀が今年最後の会合を行い、来週は相場全体に手がかりが乏しい。日銀は緩和策の継続を決定したものの、マイナス金利解除をめぐってはなお不透明感が強い。また、市場は米連邦準備制度(FRB)だけではなく、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(BOE)、カナダ中銀(BOC)など、他の主要中銀も来年早い段階で利下げに踏み切ると見込んでおり、相場に方向感が出にくい。ただ、クリスマス・年末休暇入りで流動性が低下し閑散取引となるなか、突発的な動きには注意が必要だ。

 BOEは12月会合で「インフレ退治はまだ道半ば」と、来年の利下げに言及したFRBと対照的なシグナルを発信した。今週もブロードベントBOE副総裁は「政策転換には賃金上昇率減速の確信が必要だ」と強調した。また、ブリーデンBOE副総裁も就任後初めての講演で、「賃金の伸びは依然として高すぎる」とし、「景気抑制的な金融政策を当面維持する必要がある」との考えを示すなど、市場で高まっている利下げ観測を改めてけん制している。

 ただ、11月消費者物価指数(CPI)が予想以上に伸びが鈍化したことを受けて、市場では来年の利下げを織り込む動きが一段と強まっている。11月CPIは前年比3.9%と市場予想を大幅に下回り、2021年9月以来の低水準となった。ハント英財務相は、「インフレ率は半分以下に低下しており、経済からインフレ圧力が取り除かれつつある」と述べた。市場では来年3月までの利下げ確率が5割まで上昇。来年少なくとも5回の利下げを実施すると見込んでいる。中銀と市場の利下げ見通しにズレが生じていることが、今後のポンドの動きに影響を与えそうだ。

 加ドルの動意は限られそうだ。今週の原油相場は買い戻しが優勢となるも、中国の景気懸念や米原油生産量の増加が上値を圧迫。積極的な買いは見込めず、加ドルの支えにはなりにくい。また、11月CPIは予想を上回る結果になったものの、来年早い段階でBOCが利下げに踏み切るとの市場の思惑は根強い。11月CPIは前年比3.1%と鈍化予想に反して前月から横ばいとなった。市場では、依然としてBOCが来年の4月にも利下げを開始すると見込んでいる。マックレムBOC総裁は、「インフレ率が従来予想より早い来年末までに2%の目標に近づく」との見方を示し、「来年のある時点で、金利が低下し始める可能性がある」と述べたが、具体的な時期を示すことは控えた。

12月18日週の回顧
 ポンド円は、日銀の緩和策継続の決定を受けて円売りが先行。一時184円前半まで上昇したが、予想比下振れの英CPIやドル円の失速も重しに179円後半まで押し戻された。ポンドドルも上値が重くなるも、全般ドルの重い動きが継続し1.26ドル前半で下げ渋った。

 加ドルは予想比上振れの11月CPIが支えに底堅い。ドル/加ドルは小動きながら1.33加ドル割れまで加ドル高となったが、加ドル円はドル円につれた動きとなり、108円前半から106円半ばに失速した。(了)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ