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【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、BOC声明に注目

◆ポンド、市場と当局との認識の狭間で右往左往
◆加ドル、週初までは雇用統計を受けた値動き
◆加ドル、政策金利決定後のBOC声明に注目

予想レンジ
ポンド円 184.50-190.50円
加ドル円 107.00-111.00円

12月4日週の展望
 ポンドは、英金利先安観を維持する短期金融市場と低下期待へのけん制を強める英金融当局との狭間で右往左往させられる展開となりそうだ。市場は、来夏の英中銀金融政策委員会(MPC)による利下げを完全に織り込み済み。インフレ率が想定以上に鈍化したことを受け、来春から緩和開始との見方が広まったユーロ圏ほどではないが、市場ではいずれ英金利は下げざるを得ないという思惑に傾いている。

 一方で、先週末から今週にかけても英MPCメンバーから利下げを否定する発言が相次いだ。一時は緩和観測を受け入れたかに見えた英中銀チーフエコノミストでもあるピル委員は「緩和する余地はない」と発言。ハスケル委員も「多数が予想するよりも長期に、金利は高く維持される必要がある」とタカ派色を濃くした。そして、自身を現実主義者と述べたベイリー中銀総裁もまた、「利下げを議論する段階ではない」という従来の考えを繰り返した。来週は相場を動意付けるような英経済指標も予定されておらず、今年最後の英MPCを翌週に控えて思惑が交錯する週となりそうだ。

 加ドルは、1日に発表される11月雇用統計の結果を受けた動きが来週の週初まで持ち越されることになりそうだ。今週発表された7-9月期国内総生産(GDP)が前期比年率で-1.1%と小幅プラスの市場予想から下振れており、雇用統計も弱い結果に対してより敏感に反応しそうだ。

 加ドルの来週のメインイベントは、カナダ中銀(BOC)が6日に開く金融政策決定会合。政策金利については5.00%で据え置きが大方の見通しとなっている。予想通りであれば3会合連続の据え置きとなる。市場の関心は、足もとでインフレ鈍化が確認された後の声明内容だろう。前回会合で示された「物価安定に向けた進展が遅れており、インフレリスクの高まりへの懸念」や、今後の政策金利について「必要に応じてさらに引き上げる用意がある」との意向に変化があるか注目したい。
 
 なお、マックレムBOC総裁は先週の講演で、「インフレはまだ高過ぎる」としながらも「金利はピークに達した可能性がある」との見解を表明。また、「今後数四半期の経済は弱い」との見通しも示しており、BOCがハト派寄りに傾く可能性には注意しておきたい。

11月27日週の回顧
 ポンドは対円では弱含み、188円半ばから186円前半まで下落した。売り先行のドル円に追随し、弱いユーロ圏インフレ指標を受けて下値を広げたユーロ円につれた面もあった。ポンドドルはドル安の流れに沿って買いが先行。英当局者のタカ派発言も支えに1.27ドル前半まで上げ幅を拡大した。ただ、週後半にはユーロドルに引きずられて1.26ドル付近まで上値を切り下げた。
 
 加ドルも対円では売りが先行し、109円後半から108円手前まで下落。しかし週後半に109円半ばまで切り返す展開。カナダGDPは低調だったが、すでに売られ過ぎていたため買い戻し優勢となった。対ドルでは1.35加ドル半ばまで加ドル高が進行した。(了)

(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ