執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
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豪ドル/円チャート(日足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
「足元の豪ドル/円は年初来高値を目前に伸び悩む展開」
米感謝祭を挟んで薄商いが続く中、持ち高調子と見られる動きでドルが全般的に軟化したことから豪ドル/米ドルが上昇。豪ドル/円も24日には98.54円前後まで上昇して15日に付けた年初来高値(98.58円前後)に迫りました。ただ、28日には米国の利下げ観測が強まりドル安が加速すると、ドル/円が急落したため豪ドル/円は一時98円台を割り込んで反落。ブロック豪中銀(RBA)総裁が豪州経済の需要が予想より強くインフレを高止まりさせているとの見解を示したこともあって豪ドル/米ドルは上げ幅を拡大しましたが、ドル/円の下落幅がより大きかったことから豪ドル/円は失速しました。29日も、ドル/円の下落が続いたほか、豪10月消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことも重しとなり97.60円台へと続落しています(29日16時時点)。
「目先の豪ドル/円の注目ポイントはRBA」
RBAは12月5日に政策金利を発表します。前回11月理事会では5会合ぶりに利上げを決めましたが、声明文の内容がややハト派的だったこともあって今回は政策金利を4.35%に据え置くと見られています。ただ、21日に発表された議事録では、2025年末にかけて目標の3%へ鈍化するとしたインフレ見通しがあと1~2回の利上げを前提としたものであることが判明。これに28日のブロック総裁の発言も相まって、市場は来年3月もしくは5月の追加利上げを織り込む動きとなりました。しかし、29日に発表された豪10月CPIが前年比+4.9%に鈍化(9月+5.6%)したことで利上げ期待はやや後退しています。5日のRBA理事会では、次回以降の追加利上げにどのような見解を示すかが焦点となるでしょう。
当面の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
96.000円~99.000円
基調
方向感模索
当面の注目ポイント
・12/5☆RBA政策金利
・主要国株価、国際商品価格
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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