NYタイムは、まず米雇用・景況指標を受けた米金利動向にドル相場が左右されることになりそう。その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容を受けた米金利の上下や、それに振らされる米株をにらんだリスクセンチメントの状況を見定めることになる。
円相場は日銀が金融政策の大きな修正へそれほど前のめりではないことや、財務省がこの円安局面で介入を行っていないと明らかになったことによる円売り地合いと、神田財務官が「(為替介入)スタンバイです」と述べたことからの警戒感がせめぎ合う状態。「ファンダメンタルズからかい離した」とされるような円安になった場合の効果的な対処を事前に想定しにくく不透明感が強い。
一方で米経済指標の強弱などファンダメンタルズを反映した米金利上昇や低下によるドル相場の上下にはついていかざるをえない。今夜の10月ADP全米雇用報告や9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数など雇用指標や、同じく注目指標の10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数への反応を注視したい。
特に底堅い雇用指標は、米消費者物価指数(CPI)や個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)などインフレ指標の上昇が落ち着き始めてきたなかでも、根強い賃金インフレを意識させる注目材料。米金利・ドル相場の荒っぽい動きにつながることが考えられる。
ただ、10月ADP全米雇用報告の内容は週末3日発表の米雇用統計の前哨戦のような経済指標と位置付けられるものの、単月での両者の強弱の方向性は逆になることも多くまちまち。深追いしすぎて結果的に高値を掴んでしまったり、安値を売り込んでしまったりするリスクには注意が必要となる。
FOMCは金利据え置き予想でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見内容のタカ派・ハト派具合を吟味することになる。基本的には「データ次第」といったところに終始しやすいだろうが、指標結果との絡みや、パウエル議長の言葉の端々を捉えたニュースヘッドラインのタカ派・ハト派な内容に振らされることになりそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、昨年2022年10月21日につけた1990年7月以来の高値151.95円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、150.40円前後で推移する5日移動平均線付近。
(関口)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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