総括
FX「年初来高値圏で推移。米中首脳会談開催なるか」人民元見通し
(通貨7位、株価16位)
予想レンジ 人民元/円20.2-20.7
(ポイント)
*人民元円は今年の高値圏で推移
*人民元円の年初来高値は20.497
*景気回復傾向、今週は消費者物価と貿易収支
*9月貿易統計、輸出の減少幅さらに縮小か
*米中首脳会談なるか
*イエレン財務長官は人民銀行総裁と会談予定
*ドルに寄り添って動くのでドル円と似通うチャートとなる
*金融緩和は続くだろう。ただ元は管理相場で安定
*株は弱い
*米が中国へ経済制裁。ウイグル族の強制労働で
*多くの国は中国の14億人の消費とは離れにくい
*対米貿易で首位陥落
(人民元円は今年の高値圏で推移)
人民元円は景気減速や米中貿易摩擦とは関係なく、10月2日には年初来高値を更新した(20.493)。米ドルを主としたバスケット制採用で通貨は円と異なり強い含みで安定している。
(景気回復傾向)
中国市場は国慶節の休暇を終え今週から再開した。国慶節前から発表された中国の経済指標は、8月の鉱工業生産や小売売上高、9月製造業PMIなど回復気味だ。今週は9月消費者物価・生産者物価や貿易収支で確認する。また8月の中国の工業利益は1年ぶりに増加し、多数の支援策の中で経済が引き続き回復軌道に乗っていることを示した。年間収益が少なくとも2000万元(270万ドル)以上の工業企業の総利益は、7月に6.7%減少した後、8月には前年同月比17.2%増加した。
(9月貿易統計、輸出の減少幅さらに縮小か)
ロイター調査によると、9月の貿易統計は輸出の減少幅が2カ月連続で縮小すると見込まれている。最近の中国の経済指標には景気の安定化の兆しをうかがわせるものが増えている。 予想中央値は、輸出が前年同月比7.6%減少。8月は8.8%減。
輸入は6.0%減と、内需の改善を反映し8月の7.3%減より小幅なマイナスになると見込まれている。 貿易収支は700億ドルの黒字で、8月の683.6億ドルから黒字幅が拡大したとみられている。
(米中首脳会談なるか)
ホワイトハウスは、バイデン大統領と習近平中国国家主席が来月にサンフランシスコで対面会談する方向で計画策定を開始したと、ワシントン・ポストが、複数の政府高官の話として伝えた。
サンフランシスコでは11月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催され、習氏も出席する可能性がある。一方、習氏は9月にインドのニューデリーで開かれたG20首脳会議は欠席している。
米国の対中経済制裁が続く中、今週は米上院民主党トップのシューマー院内総務を含む議員団が中国を訪問する予定で、習近平国家主席との会談を望んでいることが分かった。中国、日本、韓国の3カ国訪問を計画しているようだ。
テクニカル分析(人民元/円)
年初来高値近辺で推移
日足、年初来高値(20.497)更新後にボリバン2σ上限から下位に下落(日銀介入騒動で)。直ぐにボリバン2σ上位へ戻している。10月10日-11日の上昇ラインがサポート。10月9日-11日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上位。9月11日週-10月2日週の上昇ラインがサポート。22年10月17週-10月2日週の下降ラインが上値抵抗。先週は下ヒゲが長い。
月足、今年はここまで右肩上りといってもいい動き。10月はボリバン2σ上限から反落でスタートもまた戻してきている。8月-9月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年9月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
米財務長官、中国人民銀行総裁と会談へ
イエレン財務長官は、中国人民銀行の潘功勝総裁と今週会談し、債務問題などについて協議する方針を示した。
イエレン氏は新興国の債務問題を巡る中国との協議について「進展は遅く、改善の必要があることは明らかだが、有意義な進展も見られる」とし「さらなる進展を期待している」と述べた。
金利の上昇を受けて、一部の新興国や低所得国は多額の債務返済に苦慮。負担軽減に向けた交渉では中国がキープレーヤーとなっている。
イエレン氏は「気候変動に関する共通のアジェンダにおいては、中国人民銀行と非常に建設的に協力している」とし、債務問題についても協力を深化させることは可能性であり、楽観視しているなどと語った。
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