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FX「正統派政策でもリラ浮上せず。国民はインフレ防衛で外貨選好」トルコリラ見通し

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総括

FX「正統派政策でもリラ浮上せず。国民はインフレ防衛で外貨選好」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)
予想レンジ トルコリラ/円5.0-6.0

(ポイント)
*先週の5%利上げはリラ相場に影響なし。対ドルではやや下落
*中銀=インフレ見通しが改善するまで段階的な引き締めは強化
*中銀=国内に資金を呼び込む決意
*大統領自ら積極経済外交を続ける
*預金の半分は外貨という異常さ
*EUとの関係悪化か
*スウェーデンのNATO加盟も難航
*貿易経常収支の赤字がリラ安を生む
*2Q・GDPはまずまずだが、3Qは苦しい
*為替保護リラ預金制度を解除へ(外貨預金残高はハイレベル)
*エネルギー問題で海外と交渉(中国とロシアなど)

(正統派政策、利上げ、海外投資家誘致もリラ浮上せず)
 6月の新経済チーム発足後、エルドアン大統領の支持もあり、正統派経済政策、インフレ抑制のための金融引き締め、海外投資家誘致など、前向きな政策が打ち出され、一部は実行されている。それでもリラは浮上せず、対ドルでは下落している。ただ対円では円も弱いので小康状態。
 リラ安を阻むものは貿易赤字(日本同様、エネルギー価格高騰に悩む)と国民の外貨選好だ。預金の約半分(現金や金を含めるとさらに比率上昇)が外貨という異常事態。異常事態はインフレを防衛する国民の正常な行動かもしれない。

(大幅利上げでも、リラは上昇せず)
 いくら金利を上げてもリラが強くならないパターンとなってきた。20世紀でいえば英ポンド、アルゼンチンやジンバブエでも見られる。貿易・経常赤字に加え、国民が自国通貨よりドルやユーロを好んでインフレを自己防衛している。

(インフレ見通しが改善するまで、段階的な引き締めは強化される)
 中銀は政策金利を5%引き上げ、30%とした。利上げは6月以降、4会合連続となる。「インフレ見通しが大幅に改善するまで、適時かつ段階的な引き締めは必要に応じてさらに強化される」と述べた。
6月にエルカン総裁が就任して以降の利上げ幅は計21.5%に上る。8月の消費者物価58.9%上昇している。政府は9月、2023年末時点では65%になるとの見通しを示した。
 前回、市場予想を大きく上回る7.5%の利上げを行った時は、リラは一時球急上昇したが、今回は同じく弱い対円では動意なく。対ドルで売られ1ドル27リラという最安値水準となっている。

(利上げで市場の動きは)
10年国債利回りは利上げに素直に反応し、8月末の19%台から26%台へ上昇している。株価指数(イスタンブール100)は利上げで一時的に下げたが、今週は8000台(8304.83)を回復、年初来50.75%高で世界の株価指数の中で断トツの首位を維持している。リラ相場だけが安値圏で推移し貿易赤字のリラを弱くしている。

(経済外交は積極的)
 前回も触れたが 政府は積極的にトルコへの投資を求めて外交を続ける(日本や南アと同じ)だが、効果が出るとしても、数年後の話で金額もリラ相場を動かすものではない。

(今週の指標)
 9月企業信頼感指数は104.4で8月の105から悪化も、予想の104を上回った。今週は9月経済信頼感指数の発表がある。予想は96.1、8月は94.1。また先週の理事会のサマリーや8月貿易収支が発表される。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

狭いボリバンで小動き。円と並走

 日足、8月24日の大陽線で一気にボリバン3σ上限を突破、5.77をつける。ただ、行き過ぎで反落。一時ボリバン下限割り込む。ボリバンの幅は狭い。5日線、20日線下向く。
8月24日-9月25日の上昇ラインがサポート。8月24日-25日の下降ラインが上値抵抗。雲中。
 週足、横ばい。7月24日週-9月18日週の上昇ラインがサポート。8月21日週-9月18日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向き、20週線下向き。
月足、8月最強もまだ2σ下限近辺で推移。23年6月-7月の下降ラインを上抜く。7月-8月の上昇ラインがサポート。5月-6月の下降ラインが上値抵抗。
年足、8年連続陰線。その間52円から5円台へ沈む。今年は僅かに陽転していたが3月から陰転。

メルハバ

2024~2026年の経済中期計画

 トルコ政府は、2024~2026年の経済についての「中期計画」を発表した。エルドアン大統領は「金融引き締めを支援することで、インフレを再び1桁に低下させ、経常収支を改善する」とし、低金利政策によって投資、生産、雇用、輸出を優先して、経済成長を促進させるという従来の方針を転換し、シムシェキ財務相の経済政策を支持することを明らかにした。一方で、「経済成長は決して妥協しない」と述べ、「投資、生産、雇用、輸出に基づく成長政策を通じた物価安定に重点を置き、実体部門を支援する融資の機会を提供する」とし、「インフレ問題をわが国の課題から取り除く」と強調した。

 2023年末のGDP成長率を4.4%と予測、また、1人当たり所得は2026年に1万4,855ドルを目標とした。インフレ率に関しては、2023年末時点の見込みを前年比65.0%とし、2026年に1桁台に抑えることを目標とした。失業率も2025年には1桁台に改善することを目標としている。

経常収支の赤字は、2023年の425億ドル(GDP比マイナス4.0%)の見込みから2026年には300億ドル(同マイナス2.3%)まで減少させることを目標としている。一方、財政赤字については、2023年末予測の1兆6,330億リラから、2024年には2兆6,519億リラに膨れ上がる見込みだ。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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