
執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコリラ/円チャート(日足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
「足元のトルコリラ/円は大幅利上げで急伸も伸び悩む展開」
トルコ中銀が予想を上回る大幅な利上げを決めた24日、リラ/円は一時2カ月ぶり高値の5.770円前後まで急伸しました。中銀は政策金利を一気に750bp(7.50%ポイント)引き上げて25.00%とし、さらに「インフレを鎮静化させるため、適時かつ緩やかに必要なだけ引き締めを行う」とあらためて表明。さらなる利上げに前向きな姿勢を強調したことも相まってリラを買う動きが強まりました。ただ、狼狽的なリラ買いが一巡すると28日には5.3円台へと上げ幅を縮小。高金利を忌み嫌うエルドアン・トルコ大統領から大幅利上げに関する苦言はいまのところ聞こえてきませんが、市場は警戒を緩めていない模様で、リラの上値を買う動きは限られたようです。その後も29日に円安の流れに乗って5.6円台へ上昇したかと思えば、翌30日のオープン直後には5.3円台へ下落するなど、取引に厚みがない中で一進一退の動きとなっています。
「目先のトルコリラ/円の注目ポイントはトルコCPI」
4日にトルコ8月消費者物価指数(CPI)が発表されます。7月の前年比+47.83%から伸びが加速するかが焦点ですが、より注目すべきはリラ相場の反応でしょう。仮にCPIが高い伸びとなれば追加利上げへの期待が高まると見られますが、追加利上げ期待がリラ相場の押し上げに繋がるかは微妙と言わざるを得ません。もし、中銀が8月と同程度の追加利上げを決めても政策金利は30%台前半で、インフレ率を政策金利が下回る「実質マイナス金利」の状態は解消されません。また、追加利上げ観測でトルコの長期金利が上昇すればエルドアン大統領が苦言を呈する可能性が意識されやすいこともリラの上値を抑えることになりそうです。なお、トルコ中銀の次回会合は9月21日です。市場は、この会合でトルコ中銀の利上げに対する本気度をあらためて問うことになるでしょう。
当面のトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
5.350円~5.650円
基調
上値重い
来週までの注目ポイント
来週までの注目ポイント
☆9/4 トルコ8月CPI
・主要国株価、国際商品価格
トルコリラ/円(TRY/JPY)為替チャート・FXチャートはこちら
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。
