ドル/円、142円台へ軟化…日銀が臨時の国債買い入れオペを発動し一時的に円安加速するも急落
東京市場のドル/円は7月7日以来の高値を更新。序盤は143円台前半でもみ合いましたが、日本長期金利が0.65%台へ上昇すると13時頃に日銀が臨時の国債買い入れオペを通告。金利上昇を抑え込む姿勢を示したことから円売りが強まり143.89円前後まで上伸しました。
しかし、欧州市場に入ると再び日本長期金利が上昇する中で欧州株安を受けたリスク回避の円買いに傾き一時142.80円前後まで軟化しました。
急反落したことから足元のドル/円は、円高バイアスが強まっていますが、大きな値動きを見ると円安基調は続いています。そうした中、NY市場で発表される米新規失業保険申請件数や7月ISM非製造業景況指数が好結果になるようだと、明日の米7月雇用統計に対する期待が高まりドル買いが強まる可能性もあります。ドル/円が144円台に乗せるきっかけとなるか注目しましょう。
ドル円 15分足チャート
この後の経済イベント
8/3(木)
20:00☆BOE政策金利
20:00☆BOE議事録
20:00☆BOE金融政策報告
20:30☆ベイリーBOE総裁講演
20:30 米7月チャレンジャー人員削減数
21:30 米4-6月期非農業部門労働生産性・速報値
21:30 米4-6月期単位労働コスト・速報値
21:30☆米新規失業保険申請件数
21:30 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
22:45 米7月サービス業PMI・改定値
23:00☆米7月ISM非製造業景況指数
23:00 米6月製造業新規受注
----- アップル4-6月期決算
----- アマゾン4-6月期決算
8/4(金)
10:30☆RBA金融政策報告
※☆は特に注目の材料
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今日の注目トピック
本日、日銀が今週二度目となる臨時の国債買い入れオペを発動しました。先週金曜日に日銀金融政策決定会合にてイールドカーブ・コントロール(YCC)の柔軟化を決定し、±0.5%程度を目途としつつ利回りが1.0%を越えて金利が上昇しないように連続指値オペを実施、+0.5%を超える水準で投機的な動きで上昇したと判断した場合は対応することとしました。本日、国債買い入れオペを通告後は長期金利が低下しましたが、すぐに値を戻しています。そうしたことから今後も長期金利は上昇する可能性があるとともに日銀が国債買い入れオペを行うことが想定されますので、日々、長期金利の動向にも注目する必要がありそうです。

宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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