総括
FX「さあ建国100周年の大統領選挙が始まった。強権VS市場主義」トルコリラ見通し
(通貨6位、株価20位)
予想レンジ トルコリラ/円6.7-7.7
(ポイント)
*今年は建国100周年
*野党連合は3月6日に大統領選挙の統一候補を擁立
*株価は野党候補を好感し上昇、リラは動かず(規制か)
*リラは、外貨送金の制限、海外からの援助金・保険金流入で支えもある
*2022年のGDPは5.6%増
*2月の消費者物価は前年同月比55.18%
*1月は最大の貿易赤字
*政策金利を0.5%引き下げ
*北欧2国とNATO加盟巡り、3月9日協議再開
*1月経常収支、14か月連続の赤字
*12月小売売上高は、前年比で21.8%増
*1月自動車生産は前年比23.6%増
*2022年の輸出は前年比12.9%増、輸入は34.0%増
*大統領は利下げ示唆
*国内預金が外貨預金を上回る=リラ化政策で
*外交では問題が多い
*対円では8年連続陰線、今年は僅かに陽転
(3位から6位に後退)
先週は3位から6位に後退した。地震災害の援助金や保険金の流入、リラ化政策が支え、去年まで続いてたリラ最弱の状況は避けられているが、持続性はない。
(6野党の統一候補が決定、トルコの大統領選挙)
トルコ6野党連合は、大統領選統一候補にCHPのクルチダルオール氏を擁立した。
さらに国民に人気のある、イマモール・イスタンブール市長とヤヴァシュ・アンカラ市長が副大統領候補になった。前日、大統領候補の希望が受け入れられずに退席したIYI(善)アクシュナー党首も自身が希望していた大統領候補が副大統領候補となったことで一転合意した。
これで与野党の候補が決定し、選挙戦へ向かう。世論調査では、与野党の支持率はいずれも3割強で拮抗している。
「強権政治」VS「市場主義」の争いとなるが、既に政権はイマモール・イスタンブール市長を最高選挙委員会を中傷したとの理由で禁固刑に処してる(未確定、控訴考慮中)ように、今後もあの手この手で選挙を妨害してくるだろう。また、もし与党が敗れても引き下がらず混乱が続くことも想定したい。昨日の株価は、野党の統一候補擁立を好感し上昇。
(2022年は5.6%成長)
2022年のGDPは5.6%増となった。ウクライナ戦争で主要輸出相手国の経済が低迷するなど、国内外の需要減少で下半期に景気が減速した。22年4QのGDPは3.5%増。22年のGDP伸び率に対する寄与度は消費が11.5%。純輸出がマイナス3%、在庫がマイナス5.5%ポイント。23年のGDPは大地震の影響で2.8%増に鈍化する見通し。
(2月消費者物価は)
2月の消費者物価は前年同月比55.18%上昇。伸び率は前月から小幅縮小したが、予想をやや上回った。2月の生産者物価は、前年比では76.61%の上昇となった。震災復興で物価上昇があると予想されている。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
ボリバン2σ上限から反落
日足、ボリバン2σ上限から反落。雲中へ下落。2月21日-3月6日の上昇ラインがサポート。3月3日-6日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ下限から反発。中位で止まる。2月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。10月31日週-2月20日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向く、20週線下向き。
月足、11月-12月の下降ラインを上抜く。1月-2月の上昇ラインがサポート。22年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、8年連続陰線。その間52円から6円台へ沈む。今年は僅かに陽転。
メルハバ
トルコ株価指数は上昇
トルコ・イスタンブール100株価指数は、昨年は驚異の200%近い上昇を見せたが、今年は地震後急落し20%超下落。ただ野党連合の大統領候補決定で、昨日3月6日の株価は3.45%上昇。年初来ではまだ2.12%安。
トルコ10年国債は昨日は利回りは11.95%へ上昇。リラは大きく変わらず(規制か)
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