総括
FX「人民元は3位で安定。米中関係改善の兆し。中露関係は」人民元見通し
(通貨3位、株価15位)
予想レンジ 人民元/円19.3-19.8
(ポイント)
*人民元は底堅い。12通貨中3位
*王毅氏とプーチン大統領が会談
*気球問題で揺れた米中関係にも改善の兆し
*1月の対中国FDI、前年比14.5%増
*政策金利、2月据え置き
*主要経済指標発表は3月に
*対豪関係は改善
*対米、対独の2022年の貿易額は過去最高
*IMFが23年成長見通し上方修正
*政府版PMIは大幅改善
*習主席が中国式現代化論を総括した
*マッカ―シー下院議長は台湾訪問か
*ラガルドECB総裁は中国の景気回復でのインフレを懸念
*対露貿易は拡大
(気球問題)
気球問題があってからは株価は弱いが、人民元は3位を維持している。米中関係は、まだ改善には時間がかかりそうだが、改善の兆しはある。バイデン米大統領は先週、「新たな冷戦を望んでいない」とし、中国の習近平国家主席と協議したいと述べた。いつ協議するかについては明言しなかった。同時に「撃墜したことについて謝罪はしない」と述べた。
(王毅氏とプーチン大統領が会談)
中国外交担当トップの王毅氏とプーチン大統領が会談した。プーチン大統領は中ロ関係が「新境地」に達したと指摘し、習近平国家主席の訪ロに期待を示した。また二国間貿易が予想以上に好調で、2022年の1850億ドルから、近く年間2000億ドルに達する可能性があると伝えた。
一方、王氏は、中ロ関係は、いかなる第三者に対抗するものでなく、同時に「第三者からの圧力に屈しない」と述べた。
(1月の対中国FDI、前年比14.5%増)
1月の海外から中国への直接投資(FDI)は前年同月比14.5%増の1276.9億元。
ドル建てでは10%増の190.2億ドルだった。
(政策金利、2月据え置き)
人民銀行は2月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)を1年物3.65%、5年超4.3%で、いずれも据え置いた。新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策後の経済情勢を丹念に分析していく方針だ。据え置きは6カ月連続。22年8月に期間1年は0.05%、期間5年超は0.15%下げた。「ゼロコロナ」政策の終了で、中国の国内需要は持ち直しつつある。1月下旬の春節では国内旅行者数がコロナ前の19年の9割まで戻った。
また地方の経済や財政が依存する不動産市場は調整局面が長引いている。人民銀行は当面「ゼロコロナ」政策後の景気動向の分析に注力するとともに、銀行に融資拡大を促し経済成長を下支えする考えだ。
(物価は落ち着いている、エネルギーはロシアから低価格で輸入)
さて1月の消費者物は前年同月比2.1%上昇と、予想と一致。昨年12月(1.8%上昇)からは伸びが拡大した。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは1%上昇へと加速、昨年6月以来の高い伸びとなったが世界的にみれば極めて低水準だ。生産者物価は前年同月比0.8%低下。予想は0.5%低下、12月は0.7%低下だった。全般的に安定したインフレで、物価は十分抑制されている。今後も金融政策による支援が残り、景気回復を後押しすると見られている。ゼロコロナ政策緩和で景気回復が期待され、エネルギーはロシアから低価格で輸入し、安定度は高い。
(主要経済指標発表は3月)
経済指標は貿易収支、鉱工業生産、小売売上は1-2月分を3月にまとめて発表する。来週は2月の製造業PMIが焦点だ。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン2σ上限から反落
日足、ボリバン2σ上限まで上伸から反落、雲の上。2月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。2月3日-10日の上昇ラインがサポート。5日線横ばい。20日線上向き。
週足、雲中での推移続く。2月6日週-13日週の上昇ラインがサポート。10月17日週-2月13日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、1月は陽線。2月もここまで陽線。11月-12月の下降ラインを上抜く。10月-11月の下降ラインも上抜くか。21年9月-23年1月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
豪中関係改善
*豪州産石炭買い付け拡大。中国の電力会社や貿易会社は、2年に及んだ豪産石炭の輸入規制が先月の一部解除に続き一段と緩和される兆しが見えたことから、2月に買い付けを拡大した。
*豪州産綿花の買い入れ加速。 中国の綿花買付業者が、非公式の輸入禁止令解除を見込んで豪州産品の買い入れを加速している。昨年11月の首脳会談を経て中豪関係改善が進む中、一層の貿易正常化期待が高まっている。かつて豪州産綿花の最大輸出市場だった中国は、対豪関係悪化に伴い2020年終盤に9億豪ドル規模の貿易を停止していた。
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