総括
FX「今週は消費者物価発表、利上げ減速に繋がるか」南アランド見通し
「通貨8位、株価3位」
「予想レンジ 南アランド7.3-7.8」
(ポイント)
*今週の焦点は12月消費者物価
*インフレ低下観測でランド安株高が続く
*中銀マンデートの変更計画あり
*11月貿易収支は黒字を回復
*1月の政策金利は利上げ幅を0.5%に縮小か
*電力不足が弱点
*大統領は弾劾裁判を回避、ANC党首選でも勝利
*11月消費者物価は7.4%の低下(前月は7.6%)
*12月アブサ製造業PMIは上昇、S&P民間PMIは低下
*イエレン財務長官が今月17日から南ア訪問
*経済成長率の予想が22年2.1%、23年が1.2%に減速
*CPI予想は今年が平均で6.9%、来年が5.6%
*CPI目標は3-6%
(ランド安株高)
通貨が安く、インフレ低下もあり金利も先行き低下するとの観測から株価は強い。南ア全株指数は年初来8.6%高と強い。
(貿易収支は黒字回復、他の指標はマチマチ)
11月貿易収支は79.8億ランドの黒字となり、10月の53.1億ランドの赤字から回復した。中国のゼロコロナ政策の解除で貿易取引が増えれば再び黒字基調が続いてランドを支える。12月S&PグローバルPMIは50.2(前回50.6)とやや悪化するも、製造業PMIは53.1(前回52.6)と改善した。
(今週の焦点は12月消費者物価、利上げ減速に繋がるか)
今週の焦点は12月消費者物価で11月の7.4%から7.5%へ上昇の予想。コアは11月の5%から4.8%に低下する予想だ。1月政策金利は前回の0.75%利上げから0.5%利上げと上げ幅が縮小する予想。他に12月企業信頼感指数や11月小売売上、建設許可などの発表もある。
(中銀の権限拡大は)
これまでも述べてきた通り、与党ANCは中銀が経済を支える上でより大きな役割を果たせるように、中央銀行の権限を拡大したいと考えている。これには、憲法改正が必要になる可能性があり、時間がかかりそうだ。こういう話が出てくるのは、やはり景気が悪化していることを示している。
(電力不足が弱点)
低成長を招いている要因の1つに、深刻化する電力不足が挙げられる。電力公社エスコムは発電所の修繕や盗電などに対する摘発を進めているが、抜本的な解決には至っていない。同社が12月23日に発表した年次決算によると、営業利益やキャッシュフローなどは改善しているものの、債務返済費用を賄うまでになっておらず、総債務は3,968億ランド。また、南ア財務省は、2022年上半期に税収が当初より増えたことから、それを同社の赤字補填に充てている。
テクニカル分析(ランド/円)
再びボリバン下限へ下落
日足、ボリバン3σ下限から反発も中位からは反落し再び2σ下限へ。1月12日-13日の下降ラインが上値抵抗。12月20日-1月13日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線下向き。
週足、雲の下、3σ下限にも一時達す。12月19日週-1月9日週の上昇ラインがサポート。11月28日週-1月9日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、21年12月-22年11月の上昇ラインを下抜ける。上ヒゲの長い月足が続き下落。21年12月-22年12月の上昇ラインがサポート。22年11月-12月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、21年、22年は短い陽線。22年は上ヒゲ長く23年は陰線スタート。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
南ア、コロナ規制強化せず 中国感染増やオミクロン派生拡大でも
南アのファーラ保健相は、中国で新型コロナウイルス感染が拡大する一方でオミクロン株派生型「XBB.1.5」の感染が国内で見つかっているが、国内でも渡航者にも新たな規制を発動する必要はないとの見解を示した。
「中国でも世界でも主な懸念は引き続きオミクロン株で、ワクチン接種や自然獲得免疫による南ア市民の免疫力は依然極めて高い」と指摘。国内で感染や入院、死亡率は大きく増加していないと述べた。その上で、WHOの助言を受けたとし、中国や米国などでの感染増加を踏まえ、検査拡充とワクチン接種推進の再強化を進めていくと説明した。
保健当局は1月末に向けて全成人を対象にワクチン追加接種を提供する方針という。
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