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FX「円急騰でペソ円失速。年間最強通貨は維持。ニアショアリング期待」メキシコペソ見通し

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総括

FX「円急騰でペソ円失速。年間最強通貨は維持。ニアショアリング期待」メキシコペソ見通し
                                           
予想レンジ 6.5-7.0
 
 (ポイント)
*円急騰でペソ円下落
*ファンダメンタルズは強い。ペソ円下落は円の要因
*ニアショアリングで22年1-9月の対内直接投資は前年比29.5%増加
*政策金利は0.5%の利上げに留まり、利上げ減速を実践
*12月前半消費者物価が低下
*2月は0.25%利上げとさらに利上げ幅縮小か
*バイデン米大統領が1月メキシコ訪問
*22年の成長率予想は3%、23年は1%台か
*10月小売売上は改善
*10月鉱工業生産は堅調
*11月の自動車生産増加
*今年は唯一ドルより強いのがペソ
*バークレーズがペソ堅調見通し、ムーディーズは弱気
*ムーディーズは格下げ、S&Pは見通し引き上げ

(円急騰でペソ円下落、年間最強通貨は維持)
 日銀の政策見直しで12月20日は、円が全通貨に対しそれぞれ約4%急騰し、高金利通貨が下落した。日銀介入、商品価格の下落、世界的な利上げ減速での円高に追い打ちをかけた。一方、高金利通貨の対ドル相場は殆ど動かず、良きも悪しきもファンダメンタルズは変わっていない。日本の事情、円の問題によるものだ。
今年は年初の5円半ばより10月の7円57銭をつけ37%上昇したが、11月以降は、7円を割り込んだ。現在は年初来では20.68%高で最強通貨は維持している。2位のドルは年初来15.0%高。

(メキシコ12月前半消費者物価が低下)
 総合 7.77% 前回 8.14% 予想7.8%
 コア 8.35% 前回8.66% 予想8.34%
中銀は「引き締めサイクル」がまもなく終了することが明確に示してる。来年2月に利上げ幅をさらに縮小し0.25%の利上げが実施されると予想されている。

(10月小売売上)
 10月小売売上は前年比3.8%増で9月の3.3%増を上回った。

(ニアショアリングが前進)
 さてこのところ話題になっているニアショアリングであるが、テスラがメキシコ北東部で、EV工場を建設する計画が最終段階に入っている。米企業だけではなく中国を含めたアジア企業の進出も増加しそうだ。2022年1-9月の対内直接投資は、321.5億ドルで、2021年の248.3億ドルと比べ29.5%増加した。1-9月としては1999年以来の最高額だ。
 対内直接投資を勢いづける要因として、パンデミックによって発生したサプライチェーンの分断によるニアショアリングの流れが、直近10年間で最大のメキシコへの対内直接投資を誘致する歴史的な流れとなるだろう。

(バイデン米大統領が1月メキシコ訪問)
 バイデン米大統領は来年1月9-10日にメキシコを訪問し、ロペスオブラドール大統領およびカナダのトルドー首相と会談する。ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が明らかにした。

テクニカル分析

ボリバン3σ下限まで急落し小反発

日足、12月20日、ボリバン3σ下限まで急落、約4%のペソ安円高。その後小戻し、ボリバン2σ内へ。12月5日から6.9近辺で安定していたが一気に下げた。12月20日-21日の上昇ラインがサポート。12月16日-20日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン2σ上限から下限まで下落。5週線が20週線を下抜く。5週線下向き、20週線上向き。8月1日週-12月19日週の上昇ラインがサポート。11月7日週-28日週の下降ラインが上値抵抗。
 月足、11月に続き12月も陰線か。9月-10月の上昇ラインを下抜く。4月-8月の上昇ラインがサポート。ボリバン上位。
 年足、2021年は陽転。20年-21年の下降ラインが上値抵抗だが上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。



VAMOS MEXICO

2023年成長率見通し

フィッチと国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)はメキシコの2023年の経済成長予測を更新した。フィッチは来年の成長率を 1.4% と予測し、ECLAC は成長率を 1.1% と予測。
 フィッチは、「高インフレは、現在の水準が続くと堅実な消費パフォーマンスを狂わせ、投資の低迷によってすでに弱まっている状況に影響を与える可能性がある」と警告した。
 また、米国と中国の間の緊張が高まり、緊張したサプライチェーンをより回復力のあるものにする必要があることを考えると、 ニアショアリングは経済成長の機会を提供する可能性があると強調した。
 ECLACはメキシコの成長は米国の経済プロセスに大きく関係しており、2023 年には米国とともにメキシコの成長も減速すると予想

情報提供元:FX湘南投資グループ
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。