“今年最後のイベントを終えて。”

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先週は今年最後の大きなイベントと目された11月の米国消費者物価指数(CPI.)の発表とFOMC.を終え、前者は前月の+7.7%から市場予想の+7.3%を下回る+7.1%へと大きく改善し、また後者は市場予想通りの0.50%の利上げを決定した。

ドル・円相場はCPI.発表直後は137円台から134円台へと急落したが、週末に掛けては徐々に値を戻して一時138.17の高値を付けるなど方向感の無い動きを見せた。

市場の多くの参加者がクリスマスと年末・年始を控えて大きな取引を控えている感が有るが、ドル・円に関してはシカゴ・IMM.と我が国個人投資家の持ち高を見ると依然としてドル・ロング・ポジションを保持しており、逆に一部のヘッジ・ファンドなどの短期プレーヤーはドル・ショートに転じており、ドルが上がれば前者の損切りを伴ったドル売りが頭を抑え、ドルが下がれば後者の利食いのドル買いが底を固くしている感じがする。

この傾向は年末・年始に向かっても続く可能性は大で、135円~140円のレンジを中々抜けきれない動きを見せる可能性が大と思われるが、市場の流動性の低い点には留意しておく事が肝心であろうか。

週末土曜日に一部通信社が“岸田政権、2%物価目標の柔軟化検討。”と報じてこれを受けて週明けの東京市場ではドル・円相場が金曜日の終値136.72から窓を開けて135.86で始まったが、これはあくまでも現在の黒田体制が終わる来年4月以降の話であり、今日と明日の予定で開催される日銀政策決定会合では大きな政策変更は無いであろうとの憶測が広まると値を戻して本日午後は136円台で割合静かに取引されている。

只、この物価目標とイールド・カーブ・コントロール政策の柔軟化に関しての議論は水面下ではずっと行われてきたことであり、時間の問題でこれが為されることは明白である。

政権発足以来の低支持率に喘ぐ岸田内閣が何故この時期にこの水面下の議論を表に持ち出したかは不明であるが、アベノミクスからの決別を意識したものであればこちらも将来的な円高と株安の動きを想定せざるを得ない。

但しこれは上述した様にあくまでも黒田現総裁退任後の新たな総裁の下での政策変更であり、早とちりは厳禁。

先週のレポートで、
“個人的にはFOMC.でのあと数回の利上げが終わるまではドル・ベアになり切る自信は無くて再び140円越えを期待しており、来年春以降にFOMC.での利上げが終了してからドル・ベアに転向しようと考えている。”と述べたが、これに
“来年春以降に日銀が金融政策変更の兆候を示したら円・ブルに転向しようと考えている。”
も加えるとしよう。

これらを鑑みて2023年のドル・円相場のイメージとしては、2022年のドル高&円安を演じた日米金利差拡大と我が国のファンダメンタルズ悪化の両者が落ち着く(前者はFRB.による利上げ打ち止めと日銀による緩和政策からの脱却で、後者はエネルギーと原料価格の下落による貿易収支赤字の縮小)と確信しており、年初から春に掛けてはドルの堅調な地合いは続くが夏から秋に掛けては徐々にドル安&円高が進むのではないかとのイメージを抱いている。

テール・リスク(稀にしか起こらない筈の想定外の動きによる思わぬ暴騰や暴落が起きるリスク)としては、中国と北朝鮮の地政学的リスク(まさかの中国の政変と北朝鮮の更なる暴走。)、ウクライナ情勢の緊迫化(ロシアによる戦術核の使用。)或いは終戦、などを想定しておく必要があろうか?


今年のドル・円相場は115.01で始まり、1月に113.47の安値を付けた後10月に151.94を付け、その後介入で暴落した後一旦戻し、その後一時133円台を付けるなどの大荒れの展開となったが、来年もそうすんなりと想定内の動きを見せるとは考えられない。

思わぬ動きに対処出来る様に普段からアンテナを張り巡らせておく必要性は変わらない。

(年初からのドル・円相場・日足・ローソク足チャート)


テクニカル分析の見立ては135.50~138.50のレンジを想定。
先週同様に上値を切ったら更なる上昇、逆に下値を切ったら更なる下落に気を付けたい。



来週はBoxing Day.で欧米市場が休場の為休みを頂き、このレポートが今年最後となり、来年は1月10日より新年のレポートをお送りします。

この1年間ご愛読を頂き、有り難う御座いました。

良いお年をお迎え下さい。

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