総括
FX「好材料多く対ドルでは強いが、介入が入った円には弱い11月」南アランド見通し
「通貨5位、株価6位」
「予想レンジ 南アランド7.8-8.3」
(ポイント)
*対円では弱いが、対ドルで強く、11月は円についで2位の強さ
*エスコム社の格付見通し引き上げ
*アフリカの金融市場指数は南アが1位
*米中首脳会談に注目
*中国のゼロコロナ政策緩和は南アに好影響
*財政良好
*経済指標改善、貿易収支や製造業PMI
*中銀総裁はタカ派である
*南アの格付見通し引き上げ(ムーディーズ)
*女性候補も、12月のANC党首選
*南アへの直接投資と証券投資が減少
*2Q経常収支は8期ぶりの赤字
*石炭が見直され輸出商品へ
*ロシア産原油の輸入を計画している
(好材料多く対ドルで強いが、対円で弱い)
年初来では12通貨で5位、11月は円に次いで2位。決して弱くはないが、11月に限って言えば円が強い。対ドルではランドは強いのは、好材料が出ているからだ。中国市場の持ち直し、財政改善、貿易黒字拡大、製造業PMI改善などだ。
(問題の電力大手エスコム社の格付見通し引き上げ)
ムーディーズは、ゴドンワナ財務相が政府が電力大手エスコム債務の大部分を引き継ぐ可能性があると述べた後、2007年以来初めてエスコムの債務格付けの見通しをポジティブに引き上げた。次の格付けアクションは、格上げになる可能性があることを示した。
(財政改善)
2022/2023年度(2022年4月~2023年3月)の歳入は、1兆6,800億ランドに上方修正し、想定より835億ランド増収する見通しだ。これは、好調だった金融業や製造業からの法人税徴収額が増加したことが大きな要因とされ、増えた歳入は財政赤字の軽減や、インフラや公共サービスへの投資、国有企業の財務リスク解消に充てる予定だ。なお、2022/2023年度の公的債務(グロス)のGDP比は71.4%で安定すると予測した。
(アフリカの金融市場指数は南アが1位)
アフリカの金融市場指数(Africa Financial Markets Index)の2022年のランキングが発表された。指数は、市場の深さや外国為替へのアクセスなど6つの項目について、アフリカの26カ国の金融市場の成熟度や開放性のレベルを評価したもの。2022年は前年に引き続き、総合順位で1位が南ア、2位がモーリシャス、3位がナイジェリアとなった。
項目は以下の通り
・市場の深さ ・外国為替へのアクセス・市場の透明性と市場規制・現地投資家の能力
・潜在的なマクロ機会・国際金融協定の法的強制力
(米中首脳会談)
中国外務省は、習近平国家主席が今週、インドネシアで開かれるG20サミットと、タイでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)サミットに出席すると発表した。バイデン米大統領やマクロン仏大統領と面会することも明らかにした。
バイデン氏が大統領に就任して以来、米中首脳が対面で会うのは初めて。ホワイトハウスは14日に会談予定としている。
米中関係はそれ以来、悪化の一途をたどり、ペロシ米下院議長の訪台などを受けてここ数十年で最悪とされる状態に陥っている。
テクニカル分析(ランド/円)
再びボリバン2σ下限まで下落
日足、再びボリバン2σ下限まで下落。11月10日-11日の下降ラインが上値抵抗。11月3日-11日の上昇ラインがサポート。11月10日-11日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、雲の中へ下落。10月31日週-11月7日週の上昇ラインがサポート。9月12週-11月7日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、8円前半での揉み合い続く。ただ上ヒゲの長い月足が続く。8月-10月の上昇ラインがサポート。6月-9月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、21年はかろうじて陽線。22年もここまで陽線。18年-21年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
喜望峰
中国がコロナ規制緩和、中国貿易依存度の高い南アには好材料
中国は新型コロナウイルス対策として入国者と濃厚接触者に義務付けている隔離期間を短縮する。徹底的にコロナ感染を封じ込めるとする「ゼロコロナ」政策の大きな修正となる。国家衛生健康委員会によれば、中国に入る渡航者は隔離期間が10日間から8日間に短縮される。今後はホテルもしくは公的施設での5日間の隔離を経て、その後は自宅で3日間隔離となる。現行ルールは、ホテル7日間、自宅が3日間。
同じような隔離期間短縮が濃厚接触者にも適用され、今後は濃厚接触者の濃厚接触者は特定されないという。
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