エントリータイミングをワンテンポ遅らせ、ナンピン気味に連打するスキャルピングで利益を増やすコツを覚えたMさんは、毎年着実に収益を伸ばし、始めてから5年後の2018年、27歳のときに年収1,650万円を達成します。その後4年の時を経て、”億り人”になります。さらに経験を積み、保証金を増やしてきたMさんの取引手法に、どんな変化があったのでしょうか?取引環境からチャートの見方、損切りや利確の仕方、今後の目標までお話を伺いました。
ハンドルネーム:Mさん
職業 :専業トレーダー
FX取引歴 :約9年
投資商品 :FXのみ(過去に株式投資の経験あり)
収支 :約2年半で2,700万円超(2020年3月~2022年10月取材申込時点:外為どっとコム口座のみでの収支)
趣味 :息抜きにパチンコ(ときどき)、奥様と一緒に美味しいものを食べる
▼目次
1.成功しても消えない不安
2.テクニカル分析は使わない
3.誰もが見られるツイッターと専門サイトの経済指標で十分
4.5分ローソク足で短期売買する技術
5.同時発注の逆指値は6pips幅
6.一日の終わりにトレードはしない
7.FX取引のことは考えず、妻と二人で過ごす週末
8.生涯収益5億円が目標
1.成功しても消えない不安
編集部:- 「投資一本でいこう」と決め、22歳で専業トレーダーになったとき不安もあったものと思いますが、わずか2年で年収300万円になり、その翌年には600万円超と年収を2倍にされたとのこと、25歳で年収600万円というのは、同年代の平均収入をはるかに超えているものと思います。利益が増えるに連れて、生活に対する不安は払拭されましたか?
Mさん:- いや〜、結構長い間ずっと不安でした。コロナになる前って、相場が全然動かなかったですよね。10pipsとか20pipsとかしか動かない時期は辛かったです。ボラティリティが少ないと、やっぱり収入も減ってしまうので、もちろん利益は出ていましたが、「このままで大丈夫なのかな」と思いましたね。本当に最近になってからなんです。「少し余裕ができたかな」って思えるようになったのは。
2.テクニカル分析は使わない
編集部:- この2年は相場がかなり動いていますからね。通貨ペアは米ドル/円ですか?
Mさん:- ずっと米ドル/円でしたが、たまにみんながツイッターで騒ぎ出したら、その通貨を見て「やれそうだったらやる」みたいな感じです。
編集部:- どんな通貨を取引されましたか?
Mさん:- そうですね。少し前に、ユーロ/ドルのパリティが話題になっていましたよね。ちょっとだけユーロを触ってみました。ただ、ほとんどメインは米ドル/円です。
編集部:- スキャルピングですと、たまに通貨ペアを換えても問題なく取引できますか?
Mさん:- そうですね。ただ、似たような感じでも、やはり米ドル/円とは多少動きのクセが違うので、米ドル/円以外の通貨ペアでやるときは、「抜け」を狙うことが多いですね。まあ、通貨ペアを換えても、そんなに違和感なく取引できていると思います。
編集部:- 売買する時の判断でテクニカル分析などは使いますか?
Mさん:- FX取引を始めた頃は移動平均線や一目均衡表を表示させていたと思うんですが、実際はそんなに気にしていませんでした。いつ頃かは忘れてしまいましたが「テクニカル分析って意味がないんじゃないか!?」と思って、チャートから外してしまったんです。
編集部:- えっ(驚)、今は、テクニカル分析はまったく使っていないのですか?
Mさん:- ええ、「きれいさっぱり」です(笑)
3.誰もが見られるツイッターと専門サイトの経済指標で十分
編集部:- いや~、Mさんの投資スタイルは本当に興味深いですね。話は大きく変わりますが、いつもどんな取引環境で取引されているのかを教えてください。
Mさん:- デスクトップパソコンが1台ですが、モニターは42インチの4Kが1枚、32インチが2枚の合計3枚を使っています。42インチにはチャートと発注パネルですね。米ドル/円チャートがメインになるようにしています。32インチにはツイッターを「常時表示」にしておいて、あとは投資専門サイトの経済指標を表示させています。こんな感じの環境で取引しています。
編集部:- 情報ベンダーと契約して投資関連の有料情報などは利用されていないのでしょうか?
Mさん:- はい、誰でも入手できて、誰でもみられる情報だけですね。
編集部:- ツイッターでは、どんな情報を収集されているのでしょうか?
Mさん:- 主に海外情報ですね。ツイッターは情報が速いので。それと他のトレーダーさんたちのつぶやきですね。専用アプリがインストールしてあって、誰かがツイートすると、勝手に表示してくれるように設定してあるんです。それと、外為どっとコムさんが取引画面内に提供してくれているロイター情報『赤文字ニュース』も指標結果等の更新スピードが高速なので、取引の際、活用してますね。
※ロイター『赤文字ニュース』の詳細は以下バナーからご覧ください。
編集部:- ご自身もツイートしたり、リツイートしたりしますか?
Mさん:- いや~もうみるだけですね(笑)。特に他のトレーダーの方々と交流もしていませんし。ボク元々あんまり人と交流するの得意じゃないんです・・・ホントに。
編集部:- そうなのですね。
Mさん:- そうですね(笑)。ニュースをツイートする人より、その場で起きたことについて、すぐにツイートする人がいいですね。相場が大きく動いたときの理由などを知る上で、役に立つことが本当に多いですよ。
4.5分ローソク足で短期売買する技術
編集部:- Mさんがモニターに表示させているチャートについて、もう少し詳しく教えてくださ
Mさん:- メインで見ているのは、米ドル/円は5分のローソク足です。1分足も表示させていますが、ほとんど見ていません。取引をエントリーするときは全て5分足で判断しています。
編集部:- 5分足を使うことにメリットがあるのですか?
Mさん:- 最初は1分足を見ながらやっていたんです。でも、なんだかワチャワチャと動くんで、使うのを止めました。スキャルピングで取引する人は、たいてい1分足だと思うんですが、ボクは5分足に落ち着きました。1分足は動きが激しいので、ダマされやすい気がするんですね。
編集部:- 5分足を使っているのは、ガマンしてからエントリーするやり方も関係しているのでしょうか?
Mさん:- そうですね。それも関係しています。
編集部:- 5分足のローソクだと、少しゆっくりとしたスキャルピングになるのでしょうか?
Mさん:- いや、5分足をみていますが、取引は短期売買です。
編集部:- レートパネルの数字の動きを見て売買を判断しているのですか?
Mさん:- いや、レートパネルじゃなくて、チャートのローソク足の動きで売買を判断しています。
編集部:- それで短期売買ができるんですね?
Mさん:- ボクはそうですね。
編集部:- エントリーと利確の判断方法は?
Mさん:- これはもう感覚的なんで「どうなったらエントリー」「どうなったら利確」という説明がうまくできないかな。チャートの勢いを見たり、直近の高値と安値を見たりしながら判断しています。あとは、東京、ロンドン、ニューヨークのような各市場が始まるタイミングに取引するようにしていますね。相場を毎日見ていると、「ここで買ってくるぞ」「ここで売り込まれるぞ」みたいなパターンが、かなり分かるようになります。
5.同時発注の逆指値は6pips幅
編集部:- ただ、必ず予測通りにいくわけでもないですよね?予想に反して逆行した場合の損切りタイミングはどう判断していますか?
Mさん:- 相場が逆行したときは、即切りするようにしています。ただ、それでも耐えちゃうときもあるんです。本当は決済したかったんですが、枚数をたくさん入れちゃったから、切るに切れなくなることがあります。切った後に相場が戻ることもありますが、それを追いかけすぎると、”取り返しがつかなくなる”場合があるんで、やっぱり投資は冷静にやらなきゃダメですよね。
編集部:- 損切りラインは決めてないのですか?
Mさん:- 同時発注で逆指値を入れています。値幅は6pipsです。逆行しちゃうと、自分で切れない金額になっちゃうので。含み損が何十万円にもなったら、もうお祈りするしかなくなるので(笑)。だから予め損切ラインを注文発注しておいて、システムで自動リセットされたほうがいいんです。気持ちもリセットできますから。
編集部:- 逆指値注文を入れるようになったのは、初心者のころからですか?何かきっかけがあったのでしょうか?
Mさん:- 逆指値は初心者のときから入れるようにしていましたね。ホントにビビリなので(笑)。
編集部:- 利食いの判断はどうされていますか?
Mさん:- 利益がのったらすぐ利益確定したいです。1pipsでもいいくらいです(笑)。底を打ったとか、天井に付いたとか、そういうときは「長めに持ってみようかな」と思うんですが、やっぱり利確しちゃいますね(笑)。そこから(利益を)伸ばせる人がいますが、その人は自分よりもうまいと思います。私にはなかなかできないです。
編集部:- 取引手法に正解はないと思うので、どちらが「上手」とは、一概に言えないと思います。
Mさん:- いやいや、スキャルピングなのに利を伸ばす人がいるんですよ。これは本当に凄いことだと思います。その一方でボクは「短期売買手法」しか考えてこなかった。「だから利益が伸ばせるようにならなかったのかな」と思うんですよ。
6.一日の終わりにトレードはしない
編集部:- なかなか奥の深い分析ですね。ところで毎日どのように過ごされているのでしょうか?Mさんの1日の時間の使い方を教えてください。
Mさん:- 朝はだいたい8時30分に起きて、相場を見始めます。夜はロンドンフィックスまでなんで深夜1時くらいに取引終了します。ただ、最近は相場を見ていないのに、夜が寝られないんです。朝の3時、4時くらいまで起きていることが結構あります。
編集部:- 結構遅いですね?
Mさん:- だから昼寝しています。東京株式市場の前場が終わったくらいから、欧州市場が始まる前くらいまでですね(笑)。
編集部:- 結構、ガッツリ寝られてますね(笑)。
Mさん:- はい。そして、ニューヨークの時間帯は少しやる程度ですね。午前2時以降は取引はしないで、見ていることが多いです。
編集部:- それは健康を考えられてのことですか?
Mさん:- いや、一日の最後に損を出したら嫌だなと思うからです。なんだかその日は利益が出ていないような気持ちになってしまうので。
編集部:- 確かにそうですね。「取り返そう」となりますし、利益が出ていたら「もっと稼ぎたい」ってなりますものね。
Mさん:- ボクもお金のない時代は「稼がなきゃ」と思って、時間のある限り、ずっと取引やっていました。資金に余裕ができてから、ようやく休めるようになったんです。
編集部:- そういう考えになったのはいつ頃からですか?
Mさん:- 本当にここ1年ですね。去年、FX取引でかなり利益が出せましたが、今年になってさらに大きく稼げたことが大きいですね。
7.FX取引のことは考えず、妻と二人で過ごす週末
編集部:- 週末の過ごし方は?次週の準備や相場の研究をされているのでしょうか?
Mさん:- 何もしてないです。取引しているときも、実はあんまり考えていないんです。短期売買手法ってそういうもんじゃないですか。自分の得意な動きが出るまで待って、淡々とトレードしているだけ、そんな感じです。 週末は奥さんと二人で出かけて「今日、何食べる?」みたいな感じです。土日はだいたい外食ですね。あとは、車で行けるくらいの距離で旅行することくらいかな。長い移動があまり好きじゃないので。
編集部:- 奥さまには、FX取引のことを話されているのでしょうか?
Mさん:- そうですね。隣で私がFX取引をしているところをじっと見ていますからね(笑)。(平日の)日中でも一緒にいることが多いんです。
編集部:- いや〜それは相当に仲良しですね!
Mさん:- ありがとうございます。結構~楽しい毎日ですよ!
8.生涯収益5億円が目標
編集部:- 最後にMさんの今後の目標を教えてください。
Mさん:- 「生涯収支で5億円を稼ぎたい」という気持ちがあります。年間では1億円を目標にしています。
編集部:- それはすごいですね。
Mさん:- 去年、生涯収支が1億円を超えました。できることなら、生涯収支を5億円まで伸ばしたいと思っています!
編集部:- Mさんなら、実現の可能性は十分にあると思います。ところで、将来的にトレードスタイルを変えるつもり等はありますか?短期売買手法は体力的に厳しいという声をよく聞きます。
Mさん:- トレードスタイルを変えるってことは、また一からやり直さないといけないので、「その勉強代がいくらかかるのか!?」ってことだと思うんです。この先、FX市場がどのように変化するのか分からない部分も多いので、正直いうと「『超短期取引』よりも『分単位』の売買スタイルにしないとダメかな」と思うときがあります。ただ、通用するぎりぎりまでは、「短期売買手法」でやろうと思っています。
編集部:- 最後にMさんにとってのFX取引の魅力を教えてください。
Mさん:- そうですね。ボクにとってFX取引の魅力は、学歴や職歴に関係なく成功できることですね。ボクは人と接するのが苦手なんですが、他人とやりとりをしなくても、FX取引では十分なお金が稼げるところに魅力を感じています。
編集部:- 「FX取引は学歴も職歴も関係がない」というお言葉、すごくいいですね!今日はどうもありがとうございました。
マネ育PickUp編集部より
5分のローソク足で短期売買をされているトレーダーはMさんが初めてでした。ちょっと珍しい独特のスタイルだと思いましたが、毎年収益を伸ばしてきたMさんの9年間の運用成績が、その正しさを証明しています。実際にチャートを同じ設定にして、バーチャルトレードで試してみたのですが、あまりにもうまくいかないので、「もしかすると『MさんはFXの天才肌』なのか!」と思いました。「FXは学歴も職歴も関係がない」というMさんの言葉がとても印象に残りました。
【前編】
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】
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