執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・株価下げ止まりでリスク選好
・ドル全面高で豪ドル軟化
・アジア株安
足元の豪ドル/円は7年9カ月ぶり高値から反落
世界的に株価が下げ止まり、持ち直しの動きが見られた9日には一時97.90円台へと上昇。
12日には、リスク選好の豪ドル買いが続き98.30円台へと上伸しました。
続く13日は米8月消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことでドル/円が144円台に急騰すると、豪ドル/円も98.79円前後までつれ高して2014年12月以来の高値を付けました。
しかし、ドルが利上げ期待で全面的に上昇して豪ドル/米ドルが下落したことや、NYダウ平均が1300ドル近く下落するなど株価が急落したことから97円台前半へと反落。
14日の東京市場でもアジア株安を受けて96円台半ばまで弱含む場面がありました。
注目ポイントは8月雇用統計
15日に発表される豪8月雇用統計の結果は、豪中銀(RBA)の10月の利上げを巡る市場の思惑に大きく影響しそうです。
RBAが9月会合の声明で利上げペースの鈍化に言及したことから、市場では利上げ幅が50bp(0.50%ポイント)から25bpに減速するのではとの観測が明滅しています。
8月雇用統計が弱ければ25bp利上げの見方が優勢となりそうですが、雇用統計の市場予想は、新規雇用者数3.50万人増、失業率3.4%など、どちらかといえば強めの内容です。
強めの予想を上回れば、50bp利上げの期待が強まることも考えられます。
RBAは利上げの規模とペースは入ってくるデータ次第だとしているため、市場の利上げを巡る観測もデータ次第でどちらにも振れやすい状況と言えそうです。
来週までの豪ドル/円の見通し
予想レンジ
93.750~98.750円
基調
波乱含み
来週までの注目ポイント
☆9/15 豪8月雇用統計
・主要国株価、国際商品価格
「為替チャート|豪ドル/円(AUDJPY)|60分足」はこちら
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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