ドル・円相場が140円台の大台を上切って高値140.79迄上昇した。
筆者は個人的に市場が余りにもFRB.による利上げ期待に前のめりになっているので、例えば金曜日発表になった8月の米国雇用統計の数字が市場の期待値よりも悪ければ結構ドル・円相場も下サイドへの調整が有るかと思い、“140円台は意外に近くて遠いのではないのかなあ?”と思っていたが、なんのその、すんなりと24年ぶりとなる戻し高値を更新した。
24年前と言えば筆者も未だバリバリの現役で、Mr.Yen.こと榊原元財務官のお手伝いで一生懸命ドル売り&円買い介入をやっていたことを思い出す。
結局あの時の介入は効かず、高値147円台までドルは上昇した後、2ヶ月後には20円以上も暴落した。
せっせと自国通貨である円を売ってドルを買うドル買い介入(無制限に出来る。)と違って、円安を阻止する為のドル売り介入は外貨準備であるドルを売って(ドルを売れば売るほど外貨準備が減少する。)円を買う訳で大変難しいオペレーションだった事を思い出した。
勿論筆者は介入のお手伝いをしていただけで、介入をするかしないか、するとした幾ら介入するかは時の財務官であった榊原さんがお決めになったことであるが。
8月の米国雇用統計の結果は失業率が前月の3.5%から3.7%へと悪化し、非農業部門雇用者数も前月の+52万6千人から+31万5千人へと増加数が減り、印象としては“多少雇用環境は悪化したのか?”と言う感じであったが、ドル・円相場は発表直後に140.46から139.93迄急落し、一瞬“思った通り!”と思ったが、その後あれよあれよと言う間にドルは買われて発表から15分の内に149.79迄上昇し、その後は再びずるずると値を下げて再び140円を切った後、140.23で週を終えた。