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投資詐欺シリーズ 「お笑い芸人がFX投資詐欺で騙された」-あなたは大丈夫?!意外と身近な投資詐欺(第1回)

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(画像=PIXTA)

以下の取材記事は金融ライターK氏が執筆したものです。その内容について当社が 保証するものではありません。また、今後の状況によっては事実関係が変わる場合もございますので、予めご了承願います。

最近、投資詐欺に関するニュースが大きな話題となりました。有名お笑い芸人Aさん(仮称)が、約7億円の投資トラブルに見舞われたというのです。その全貌は、まだ明らかにされていませんが、芸能界の友人、知人にも出資を呼びかけていたことから、大きな事件に発展しています。

「芸人Aさんは有名人だから狙われた。一般人の自分が投資詐欺などにあうはずがない」とあなたは思っているかもしれません。しかし、思いのほか身近なところで、投資詐欺は起きているのです。

「デモトレ」の優れた特徴を悪用

芸人Aさんが騙された投資詐欺はFXでした。週刊誌の取材に応じた芸人Aさんの話によれば、”FXのプロトレーダー”と紹介された20代の Bさんが、絶妙なタイミングで売買する様子を実際に見て、「才能のあるトレーダーだと信じ込んでしまった」と語っています。そして、「FXを行うために必要だ」と言われた設備投資資金1,000万円をBさんの会社の株を担保に貸し付け、「自分のお金も運用して欲しい」と100万円を渡したそうです。

このとき芸人Aさんを騙すのに使われたのが、多くのFX会社が用意している「デモトレ」でした。「デモトレ」用アプリの多くは、実際のアプリとほぼ同様の機能を備えています。それはFXがハイリスク・ハイリターンな金融商品であり、スキャルピングのような短期売買が可能で、一瞬で大きな損失を被ったり、アプリの操作ミスで大金を失ったりする可能性があるため、投資家保護という観点から、できるだけリアルなシミュレーショントレードでFXの練習が行えるようになっています。

お笑い芸人がFX詐欺で騙された2
(筆者が現時点での情報を元に作成)

芸人Aさんを騙したBさんは、こうしたデモトレの優れた特徴を逆手に取り、悪用したのです。FXトレードの経験がある人なら、見分けがついたのではないでしょうか。しかし、FX未経験者でデモトレすら知らないような人だったら、デモトレのトレードが「バーチャル」と見破るのは難しかったと思います。

有名人は詐欺の片棒を担がされやすい

その後、”FXのプロトレーダー”と呼ばれるBさんから、「もっといろんな人たちの資金をFXで運用したい」と持ちかけられた芸人Aさんは、知人や芸人仲間から保証金を集めています。芸人Aさんはインタビューの中で、「投資に興味を持つ仲間に声をかけてお金を集めた」とした上で、「その際に仲介手数料などは一切もらっていない」と説明しています。

芸人Aさん自身は騙すつもりがなく、善意から知り合いに声を掛けたのかもしれません。Bさんのことを「自分の子どものように思っていた」ということも語っています。「Bさんの役に立ちたい」「知り合いが少しでも金銭的に儲かればいい」。詳細はまだ明らかになっていませんが、両者に対して良かれと思って取った行動が、さらに被害を広げてしまった可能性もあります。

芸人Aさんのような有名人が、こうした投資詐欺の出資金集めと言う「広告塔」の役割を担うケースは少なくありません。不特定多数の人々から関心を集め、商品やサービスに社会的な信用を与える効果があるからです。芸人Aさんがどのように出資を募ったのか、まだ正確にはわかりませんが、「この人に誘われたから」「有名な人の話だったから」と言った理由で、知人や芸人仲間が出資を決めていてもおかしくありません。「芸人Aさんに声を掛けさせれば、たくさんお金が集まるかもしれない」Bさんの頭の中にそういう考えがあったのかもしれません。

大切なことは、有名人が宣伝・勧誘している投資話だからといって、信頼できるものとは限らないということです。私はむしろ、有名タレントなどが登場する投資話が持ちかけられたら、中身をしっかりと精査することをお勧めします。投資詐欺の目的は運用することではなく、人を騙してたくさんのお金を集めることが目的で、タレントの高額な出演料は、運用益から捻出されているのではなく、あなたの大切な出資金で賄われているかもしれないからです。果たしてそれで本当に投資効率の高い運用は可能なのでしょうか。

資格がないと他人のお金は運用できない

その後、Bさんは、芸人Aさんから運用成績の報告を求められると、運用益の出ているデモトレ画面を見せていたようです。芸人Aさんは次第にBさんの”仕事ぶり”に不安を抱くようになり、資金の一部の返金を求めたところ、Bさんは資金の一部を現金で返金したものの、急に連絡が取れなくなり、今回の投資詐欺が発覚します。

芸人Aさんの一番の失敗は、Bさんが他人の資産を預かって運用する資格があるかどうか、最初にきちんと確認しなかったことでしょう。日本国内で金融商品を売買したり、広告を出したり、勧誘したりする行為は、金融商品取引業者として金融庁に登録する必要があるのです。当然、取引を行う際には契約書を取り交わすことになります。これまで伝えられている情報から推察するに、芸人AさんはBさんの資格について確認せず、契約書も交わしていないと思われます。

結局、芸人Aさんは所属事務所を退社し、呼びかけに応じて出資してくれた人たちに個人的に弁済することになってしまいました。芸人AさんとBさんは双方ともに代理人を立てて、話し合いをしているようです。また、芸人AさんはFX以外に不動産でも同様のトラブルを抱えており、今回の投資トラブルは総額で7億円だそうです。投資で利益を得るどころか、収入も社会的信用も失いそうな状況に追い込まれています。

世の中に「うまい」儲け話はない

投資とは「知り合いにちょっとお金を預けて、簡単に増やしてもらえるような甘いもの」ではありません。投資詐欺は「楽をして儲けたい」と言う人間の心の隙につけ込む犯罪行為です。「絶対に儲かる」「元本を保証する」「あなただけに教える」といった、「うまい」儲け話を持ちかけられたら、まず疑うようにしましょう。

投資に関するさまざまな詐欺のケースは、関連省庁や業界団体のサイトで詳しく紹介されています。

金融庁       https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/attention.html
国民生活センター  https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/toushi.html
金融先物取引業協会 https://www.ffaj.or.jp/investors/fx/
全国銀行協会    https://www.zenginkyo.or.jp/hanzai/7331/
日本証券業協会   https://www.jsda.or.jp/anshin/inv_alerts/index.html

自分が投資詐欺にあっていないかと心配になった人は、上述したサイトの事例と自分に持ちかけられた話を比較してみてください。世の中はそうそう甘くありません。「うまい」儲け話が、勝手に向こうから転がり込んでくることなどないのです。

PickUp編集部: ライターK 大学卒業後、テレビ制作会社に勤務、NHKや民放局の報道番組でディレクターを務める。その後、出版業界に転じて金融・経済誌の編集者や記者として、政治・経済・金融などの記事制作に携わってきた。現在はフリーで活動中。FX歴は10年以上。実際にポジションを持って、FXトレーダーたちのトレード手法を確認する日々を送っている。

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