総括
FX「底堅い、6月貿易黒字は膨大。今週は2Q・GDPに注目」人民元見通し
(通貨4位(4位)、株価5位(5位))
予想レンジ 人民元/円 20.2-20.7
(ポイント)
*焦点は7月15日の2Q・GDP
*6月は1000億ドルに近い膨大な貿易黒字
*年初来高値にまた近づく
*ロシア産原油を大量購入
*消費者物価は2%台で落ち着く
*米中首脳会談開催観測あり
*中国の格付け「A+/A-1」で据え置き
*21年は経常黒字41兆円、貿易黒字80兆円でも人民元は安定の国
*ゼロコロナ政策が解除され経済は回復方向へ
*金融政策は穏健
*世界はQUADやIPEFで中国を切り離す
*米銀が2022年の成長見通しを下方修正 中国は5.5%目標堅持
(投資対象としていいいが、怖いのは社会主義的強権策が出る時)
減速しても世界の他の先進国と比べれば高い成長率、膨大な貿易黒字、落ち着いた物価、安定した為替、これからからは長期投資を試みても良いと思われる。私も2000年あたりから、中国株、香港株、人民元、香港ドル投資を行っている。ただ不安材料は確率は低いだろうが、ロシアのウクライナ侵攻のような自体が台湾で起きることだ。
(今週は重要週 GDPに注目)
ゼロコロナ政策のロックダウンで人民元は下落していたが、ゼロコロナ政策解除で徐々に持ち直し年初来高値の20.492を伺う展開だ。今週は2Q・GDPを始め、6月の貿易収支 小売売上 鉱工業生産も発表される重要週だ。2Q・GDP予想はまだロックダウンの影響もあり、前期比2.1%減、前年比1.7%増の予想で弱いが、他の指標や、各種PMIは改善傾向にある。まだゼロコロナ政策解除でも感染者が出てロックダウンとなることもあるが全体的には前に進んでいるだろう。
(膨大な6月貿易黒字)
6月の貿易収支では輸出は前年比17.9%増加と、前月(16.9%増)を上回り5カ月ぶりの大幅な伸びとなった。輸入は1.0%増で前月(4.1%増)から減少した。
貿易黒字は979.4億ドル。この数字は日本の貿易黒字が大きかった時とほぼ同じで、中国はそれを1か月で達成する膨大な黒字を有している。かつての貿易黒字大国の日本は赤字国に転落してしまった。
(中国が漁夫の利?)
中国の6月の対ロシア輸出は4カ月連続で減少した。ロシアからの輸入は高い伸びを維持した。
対ロ輸出は前年同月比17%減。輸入は56%増。5月も80%増加していた。
上期のロシアからの輸入は48%増加した。
ロシアは欧州への輸出が難しくなり、中国に石油、ガス、石炭、農産品などを安価で輸出している。
(6月消費者物価、欧米ほど高くない)
6月消費者物価は前年同月比2.5%上昇した。燃料や食品が値上がりしたほか、新型コロナウイルス対応の行動規制が緩和され、需要が回復したサービス価格も全体の物価を押し上げた。
(好材料あり、さらに米中首脳会談)
今後は米国からの関税の減免計画があり、ロシアからは価格の低い原油を輸入していることなどの好材料も景気回復を支援するだろう。外交でも扉を開き米国との対話も続いている。数週間以内に米中首脳会談が行われる報道もある。
テクニカル分析(人民元/円)
底堅くボリバン上位で推移
日足、底堅くボリバン上位で推移。7月12日-13日の上昇ラインがサポート。7月11日-13の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線上向き。
週足、4週連続陽線の後は20円前半で揉みあう。6月20日週、27日週は若干上ヒゲが長かったがそこを上抜く。6月27日週-7月4日週の上昇ラインがサポート。
月足、4月上ヒゲで5月下落、5月下ヒゲで6月大陽線。7月は陽線スタート。5月-6月の上昇ラインがサポート。雲の上。2σ上限。
年足、21年は大陽線。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜いて22年スタート、ここまで陽線。
チーファンラマ
李克強首相、油断せず
李克強首相は中国経済が回復しているものの基盤は堅固ではなく、一段の取り組みが必要との認識を示した。パンデミック対策として実施された大規模なロックダウンによる供給面の制約からの緩やかな回復が今年2Qに始まっている。李首相は中国が今後も改革を進め、事業環境を改善し、国際情勢の変化にかかわらず経済を世界に開放し続けると表明した。
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