総括
FX「年間経常黒字41兆円、貿易黒字80兆円でも人民元は安定の国、短期は熱波と洪水注意」人民元見通し
(通貨6位(6位)、株価5位(13位))
予想レンジ 人民元/円 20.0-20.5
(ポイント)
*21年は経常黒字41兆円、貿易黒字80兆円でも人民元は安定の国
*ゼロコロナ政策が解除され経済は回復方向へ
*ただ熱波や、洪水で経済活動が麻痺している地域もある
*6月23日からBRICS首脳会議
*経済指標は改善している
*ロシア産原油を大量購入
*米国が対中輸入関税の減免を検討中もウルグアイ自治区からの輸入は禁止
*金融政策は穏健
*物価は日本同様落ち着いている
*上海再開、ロックダウン解除
*自動車販売回復
*世界はQUADやIPEFで中国を切り離す
*米銀が2022年の成長見通しを下方修正 中国は5.5%目標堅持
(いい方向へ向かっているが、洪水、熱波が心配)
ゼロコロナ政策解除(一部で感染者が出ているが)でいい方向へ向かっている。上海総合指数は3週連続上昇、人民元は対円で3週連続上昇、対ドルでは先週上昇となった。
ただ自然災害が影を落としている。中国山東省と河南省の電力消費量は今週、主に長江以北地域が熱波に見舞われエアコン使用が増加した影響で、記録的な水準となった。また、中国南部の広東省や湖南省などが洪水警報のレベルを上げたと報じた。数週間続いた豪雨で河川が氾濫し、水位が記録的な水準に達しているという。
(経済指標改善)
一時、悪化していた経済指標も改善してきた。政府の経済対策も効果を出してきた。インフレは日本同様2%台で落ち着いているが、10年国債利回りは2.8%と安定投資対象となっている。輸出入金額の増額に続き、5月鉱工業生産は前年比0.7%増加し、4月の2.9%減からプラスに転じた。予想外のプラスを回復した。5月小売売上高は前年比6.7%減少。上海などの都市で住民が自宅待機を迫られた。ただ予想の7.1%減ほどは落ち込まず、4月の11.1%減からマイナス幅は縮小した。
(6月の中国最優遇貸出金利(LPR)変わらず)
・1年物 3.7% (前回3.7%)
・5年物 4.45% (前回4.45%)
(ロシア産原油輸入)
中国が5月に輸入したロシア産原油は、前年比55%増と、ロシアが中国の原油輸入元としてサウジアラビアを抜いて首位になったことが明らかになった。ウクライナ侵攻をめぐり西側諸国がロシアに制裁を科す中、ロシアが割安な原油を中国に輸出したことが背景にある。5月のロシア産石油の輸入量は合計842万トン近くに上った。
これまで中国からサウジアラビアから最も多く原油を輸入していたが、5月のサウジアラビアからの輸入高は782万トンで、2位になった。
(米国が対中関税撤廃検討)
バイデン米大統領はインフレ抑制のためにさまざまな中国製品に対する関税撤回を検討しているが、来週のG7首脳会議前に決定することはない見通し。
ホワイトハウス高官は、トランプ前大統領が中国に課した懲罰的関税の一部について、大幅に縮小する選択肢も含めバイデン大統領と協議した。最終的な措置の規模はまだ決定していないという。バイデン大統領のアドバイザーはトランプ政権が導入した関税を精査しているが、多くは戦略的価値がないとみている。
ホワイトハウスのある報道官は、関税を米経済と戦略の優先順位に合わせ、労働者と重要産業の利益を守りつつ「不必要に米国人のコストを上げない 」ことが目標と述べた。
側近らはこの問題を数週間にわたって議論している。大統領も迅速な行動を支持するようになっており、関係者2人によると、11月8日の中間選挙の前に急激なインフレを抑制するため、あらゆる手段を講じようと考えているという。
(国際会議)
6月23日にはBRICS首脳会議がある。また米中首脳会談も近々開催されるようだ。
テクニカル分析(人民元/円)
連続陽線が10日で途切れるも底堅く推移
日足、6月10日で連続陽線が10日で途切れるも底堅く推移。6月21日はボリバン2σ上限に近づき反落。6月21日-22日の上昇ラインがサポート。6月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日、20日線上向き。
週足、3週連続陽線。今週もここまで陽線。ボリバン中位から反発。ボリバン2σ上限に一時達す。5月30日週-6月13日週の上昇ラインがサポート。
月足、4月上ヒゲで5月下落、5月下ヒゲで6月は上昇している。3月-5月の上昇ラインがサポート。雲の上。
年足、21年は大陽線。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜いて22年スタート、ここまで陽線。
チーファンラマ
米ウイグル強制労働防止法に基づく輸入禁止措置
米国では、中国の新疆ウイグル自治区が関与する製品の輸入を原則禁止する法律「ウイグル強制労働防止法」に基づく輸入禁止措置が、6月21日から有効となる。
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