総括
FX「今年も為替二刀流で最強。追加利上げ観測あり」メキシコペソ見通し
予想レンジ 6.1-6.6
(ポイント）
＊年間でも、5月月間でも最強通貨を維持している
＊ただ昨日、米利上げ9月で一服説もでてきたので注意したい
＊メキシコの金利は米国に連動しているからだ
＊6.5円が上値抵抗となっている
＊1Q・GDPは前期比で1.0％増
＊4月貿易収支は3か月ぶりの赤字
＊追加利上げ観測あり
＊大統領の支持率は高い
＊輸入関税を廃止して物価高抑制を狙う
＊フィッチは「BBB-」「見通し安定的」の格付けを維持
＊郷里送金は23か月連続増加
＊3月鉱工業生産は前年比で2.6％増
＊半導体不足は一時に比べると改善しているが本格的な回復には至っていない
＊日産が7億ドル投資
＊電力国有化法案は否決
＊リチウム国有化法案は可決
＊IMFはメキシコの2022年の成長見通しを下方修正
（最強通貨メキシコペソ、スワップもついて二刀流、年率20％超えるか）
5月好調の円よりも強いメキシコペソだ。5月17日に年初来最高値の6.507円を付けた。年初来では14.44％高、これにスワップ金利（年率）が約6％つき、合計で20％超えの利益（レバ1倍）となる。ここまでは昨年を上回るペースの利益だ（昨年は為替差益が7.88％、スワップが約6.5％で合計14.38％）。ただ年初来で日足が6.50以上で終わることはまだない。6.50は一つの上値抵抗だ。
（1Q・GDP、前期比1.0％増にやや上振れ）
1Q・GDPは前期比で1.0％増と、速報値の0.9％増をやや上回った。前年比は1.6％から1.8％に引き上げられた。
農業や漁業など１次産業は2.0％のマイナス成長だったが、製造業などの2次産業が1.2％増、サービスなどの3次産業が1.3％増とそれぞれ堅調だった。
（追加利上げ観測あり）
5月12日に政策金利を7.0％に引き上げた後も、ロドリゲス中銀総裁が、追加利上げ観測を自ら打ち出している。5月前半の消費者物価も7.58％と目標の3％を大きく上回る水準にあり、中銀は金利を6月23日の会合で7.5％に引き上げ、金利水準は年末までに8.5％に達すると予想されている。
5月前半は野菜や果物など食料品の価格が高騰した。中銀は利上げを続けているが、インフレ率は高止まりしている。5月前半は食料品と飲み物、たばこの価格が前年の同じ時期と比べて11.23％上昇した。野菜と果物の価格も12.76％上がった。農産物やエネルギー価格を除くコアインフレ率は前年の同じ時期と比べて7.24％上昇した。アボカドやトマトなどの価格が上昇している。
（4月貿易収支、1Q経常収支、3月経済活動指数、3月小売売上）
4月は18.84億ドルの貿易赤字となった。3か月ぶりの赤字。輸出が前年同月比16％増、輸入は25.7％増。原油の輸出は81.3％増。
また1Q経常収支は65.23億ドルの赤字となった。
3月経済指数は前月比0.4％増、3月小売売上は前月比0.4％増であった。
（観光収入）
トルーコ観光大臣は、年末までに観光業がほぼ100％回復すると予想している。
メキシコは2019年より500万人少ない4000万人の海外からの訪問者を受け入れると見ている。メキシコ人労働者の8.6％が観光産業で雇用されている。
（来週の指標）
来週は4月失業率、5月製造業PMI、5月消費者信頼感指数の発表がある。
テクニカル分析
伸び悩むも首位堅持
日足、年初来高値を更新し6.507をつけた。ただ6.5以上では終値とならず跳ね返される。
5月24日-25日の上昇ラインがサポート。5月18日-26日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。ボリバン中位。
週足、10週ぶりに週足が陰線となるも今年の高値圏で推移している。4月25日週-5月9日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン3σ上限に達した。ただ4月も5月も6.5で反落した。雲の上に出る。21年11月-22年3月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は陽転。20年-21年の下降ラインが上値抵抗だが上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
VAMOS MEXICO
ロペスオブラドール大統領の支持率は底堅い
Buendía ＆Márquezが実施した世論調査では、現在3年半在職しているロペスオブラドール大統領の支持率は63％となった。国民は高インフレについては不満を持っているが、政府の社会的プログラムを含む貧困と闘うための大統領の仕事を評価した。
またマヤトレイン、フェリペアンヘレス国際空港、ドスボカス製油所などの大規模なインフラプロジェクト、経済、汚職との闘いへの取り組みを評価した者はごくわずかだった。
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。
