“ベア・マーケット。”

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ニューヨーク株式市場3指数の下げが激しい。

ダウとS&P.が史上最高値を更新した年初からの終値を比較すると、

株式市場では高値から20%以上下落するとベア・マーケット(弱気相場)に入ったと言われるらしいが、ナスダックは既にベア・マーケットに突入しており、S&P.は時間の問題で、そしてダウも遅かれ早かれ同じくナスダックに追随しそうである。

その主要因は勿論FRB.による金融緩和から引き締めへの政策転換であるが、最近は先週のレポートでも述べた様に米国企業の業績悪化も挙げられる。

何故今日米国株価の動きを取り上げたかと言うと、3月まで続いたリスク・オフ時のドル買いと円買いの綱引きによる115円を挟んでのレンジ取引が終わり、“ゲーム・チェンジ”が起きて円が買われず逆に売られる展開となってドル・円相場が131.25の高値を付けたが、どうやら再び“ゲーム・チェンジ”が起きそうな気配がする。

そしてその引き金となったのがニューヨーク株式市場3指数の下げである。

株価が下がるとリスク・オフとなり投資家(或いは投機家も?)は既存の債権を売って、新規の投資を控える。

当然連日高値を更新していたニューヨーク株式市場3指数は下げに転じ、同じくリスク資産である仮想通貨も売られる。

株式売却で得た資金は最も安全な資産である米国債券に向かい、債券価格が上がり金利は下がる。

株安=債券高(金利安)となってリスク・オフなのに今まで買われていたドルは売られる。

米国金利動向に最も敏感なドル・円も売られて先週は一時安値127.03まで売り込まれた。

先週の米国10年債利回りとドル・円相場の相関を見ると、週末ポジション縮小の為のドル買いが入った金曜日を除いて見事に金利が下がればドル安、逆に金利が上がればドル高と言う動きとなっている。
週明けの東京市場では週末買われたドル・円が再び売られて一時127.16まで下げている。


ニューヨーク株式市場で更に株価が下がり、リスク・オフが進めばドル・円相場の更なる下への調整も考えられる。

週足で9週連続で陽線(終値が始値を上回る。)を示したドル・円相場は今度は綺麗に3週連続で陰線(終値が始値を下回る。)を示している。

これを見ると中途半端な所でのドル買いには躊躇せざるを得ない。

シカゴ・IMM.と我が国個人投資家のポジションも依然として円のショート(ドルのロング)であり、ポジション調整の動きが出れば更なるドル・円の下落も考えられる。

週明けの東京株式市場では一時300円高まで買われた日経平均が午後2時半現在で凡そ150円高で取引されている。
NY.ダウ先物も凡そ200ポイント高で取引されており、週明けのニューヨーク株式市場でも先週の下げの調整があろうが、これは極めて短期的な物であろう。

FRB.の利上げは未だ始まったばかりであるし、FRB.によるバランス・シート縮小(QT.)が6月から始まる。
個人的には利上げよりも市場から流動性を引き上げるQT.の方が株式市場に与えるインパクトはずっと大きいと思っている。

更なるニューヨーク株式市場の下げが続き、S&P.とダウもナスダックに続いてベア・マーケット入りする可能性は大ではなかろうか?

今週も先週と同じく、中期的なドル高&円安のシナリオは変えずに、短期的なドル安&円高の動きに上手く対処したい。

今週のテクニカル分析の見立ては126.50~128.50のレンジを予測。
127円を下切ったら126.50をストップに買いを打診。Buy on dips.(下がったら買う。)
128.50を上切ったら同じく126.50をストップに買いを打診。Buy on rallies.(上がったら追っ掛けて買う。但し中期的にドルが上がると言う自信が有る時だけ。)

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