総括
FX「対ドルで4年半ぶりの高値、対円では6年ぶりの高値圏」人民元見通し
(通貨3位(3位)、株価10位(14位))
予想レンジ 人民元/円 18.0-18.5
(ポイント)
*対ドルで4年半ぶりの高値、対円では6年ぶりの高値圏
*月足18か月で陰線は2回だけ、対円
*ウクライナ問題では対話重視を主張、制裁には反対、NATO拡大にも反対
*今年はより大幅な減税・手数料引き下げ実施へ
*高齢者問題に注力
*最優遇貸出金利を予想通り据え置き
*膨大な貿易黒字、それなりの成長率、インフレ抑制で人民元は底堅い
*1月の消費者物価は前年比0.9%上昇と世界水準では低い
*2021年の対米黒字が1兆ドル超え
*米国は中国の半導体企業に制裁を加えたため半導体が不足している
*米国は金融引き締め、中国は金融緩和だが、為替は米ドルの構成比の大きい
バスケット制を採用しているので米ドルに連動する形で動く
*海外投資家による中国国債保有高が最高
*21年のGDPは前年比8.1%増で、予想の8.0%増を上回った。
(人民元は対ドルで4年半ぶりの高値、対円では6年ぶりの高値圏)
人民元は対ドルで4年半ぶりの高値の6.3150近辺、対円では6年ぶりの高値圏の18.20近辺で推移している。
人民元は過去18か月で月足陰線は2回しかない強さだ。膨大な貿易黒字、世界第2位のGDP、外貨準備3兆ドルなどを考えれば当然だ。むしろ上げ幅が小さいかもしれない。
先週は人民元が上昇、また上海総合指数は世界の株価指数でウクライナ危機に拘わらず上昇した。独自の道を歩み、ウクライナ危機についても多くを語らない。王毅外相は「ウクライナを大国の対立の最前線にしてはならない」と述べ、関係国に対し対話による解決を呼びかけた。また、NATOについて「冷戦時代の産物だ」と指摘したうえで、「NATOの拡大は、ヨーロッパの平和と安定を維持し、長期的な安定を実現させることにつながるだろうか」と述べ、ロシア側の安全保障上の懸念が尊重されるべきだという考えも示した。
(経済も順調)
経済は順調だろう。減速という声もあるが、中国より高い成長を示す先進国はない。貿易黒字は膨大、消費市場や国債市場へ海外から資金が流入している。確かに人民元は上昇しているが小幅で管理されている。日本のプラザ合意以降の経済失速を見ての為替管理とも思われるが、世界からクレームもつかないのが中国の強さかもしれない。物価も安定、1月の消費者物価は前年比0.9%上昇と伸びが鈍化した。
(今年はより大幅な減税・手数料引き下げ実施へ)
劉昆財政相は、政府が今年、より大幅な減税や手数料引き下げを実施すると表明した。財政・金融政策間の協調を強める考えも示した。さらに、今年は中央政府から地方政府への移転支出を増やすと述べた。
(最優遇貸出金利を予想通り据え置き)
人民銀行は2月21日、銀行の貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を予想通り据え置いた。1年物LPRは3.70%に、5年物LPRは4.6%に、それぞれ据え置かれた。新規および既存融資の大半は1年物LPRに基づいており、5年物LPRは住宅ローンの金利設定に影響する。
テクニカル分析(人民元/円)
底堅い、月足18か月で陰線は2回だけ
日足、ボリバン2σ上限へ戻る。底堅い。2月2日-22日の上昇ラインがサポート。2月15日-23日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。雲の上。
週足、ボリバン2σ上限に貼りつく。下げてもボリバン中位を割らない。1月24日週-31日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限は18.253あたり。
月足、ボリバン2σ上限に沿って上昇。12月-1月の上昇ラインがサポート。雲の上。
2020年8月より月足の陰線は2回だけ(18か月で、寄り引き同時が1回)。
年足、21年は大陽線。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜いて22年スタート、ここまで陽線。
チーファンラマ
高齢者事業促進へ
国務院による「第14次五カ年国家高齢者事業発展・養老サービスシステム計画」の全文が、中国政府網に掲載された。
計画は初めて「シルバー経済の発展に力を入れる」とした。高齢者用品産業の発展と強化、高齢者用品の研究開発と製造の強化、高齢者の衣食住及び移動などの需要を満たす高齢者生活用品の幅広い開発を明確にした。同時に京津冀、長江デルタ、粤港澳大湾区、成渝などの地域で、10カ所前後の高水準のシルバー経済産業団地を計画・展開する。
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