「FXの勉強は諦めた」「指値注文・ストップ注文の仕方が今でもよくわからない」と話す会社員のSTさんは、FXをやめようと思った1カ月後に得た350万円超の利益を獲得したことで、FXを続けることを決意します。STさんは一体どんなやり方でFXトレードをしているのでしょうか。さらに具体的な方法や利益の使い道などについて伺いました。
年齢性別 :20代男性
職業 :会社員
FX取引歴 :約10カ月
収支 :約10カ月で350万円超(2021年1月~2021年11月取材時点)
トレードスタイル:スキャルピング、デイトレード
投資商品 :FXのみ
趣味 :筋トレ、テレビ
▼目次
1.日足ではなく5分足か30分足
2.テクニカルは使わない、細かい分析もしない
3.自分のルールを守らないと大損する
4.含み利益で損切りラインを設定
5.2,000ロットで短期売買
6.動きそうな時間帯に成行注文
7.他の投資家の動向に乗っかることが大切
8.取引は平日の仕事終わりに
9.FXの利益は保険適用外の治療費に
10.可能な限り簡単な取引手法で利益追求
11.間違って入ったポジションが切れない
12.FX取引はシンプル。難しい勉強も本当は必要ないのでは!?
日足ではなく5分足か30分足
編集部:- ところでチャートは何分足を見て活用しているんですか?
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STさん: - 基本的に5分から30分ですね。相場の流れしか見ないんで、何分から何分の間に大きな動きがあったとか、あとは、指標などを見ながら、どの時間帯が動きやすのかとかを主に確認しています。
編集部:- その前に日足で大きな流れは見ますよね?
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STさん: - 実は、日足はまったく見ていません。
編集部:- えっ!?ということは、もう5分足から30分足のチャートだけを見て取引の判断をしているんですか?
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STさん: - 一日を通して、相場は似たような時間帯に、似たような動きをすると思いますから。だから短時間のチャートで相場の動きが見られれば十分なのかなと、感じています。
編集部:- エントリーのタイミングはどのように判断されていますか?
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STさん: - 「今日は動きそうだな」とか「動かなそうだなあ」とか、そういう感覚を大切にしながらエントリーは判断しています。相場は下がった勢いで反転し、一気に上がるっていうこともよくあります。
心の中では「たくさんの利幅を取りたい」と思いつつ、「ちょっとだけ取れればいいや」ってスタンスで臨んでいます。
テクニカルは使わない、細かい分析もしない
編集部:- STさんは、テクニカル分析は使っていますか?
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STさん: - よくわからないんで、私はテクニカルを使っていません。細かい分析をしなくても「相場のながれを予測できれば、FX取引は誰でもできるのかな」と思っていますから。
編集部:- STさんが成功されているのは、ご自身で理論を編み出し、それを実践されているからなのではじゃないでしょうか?
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STさん: - いやいや、“ドーン”と損失をだしてしまうときもありますから・・・。
自分のルールを守らないと大損する
編集部:- それは、どれくらいですか?
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STさん: - 例えば11月上旬の相場では、予測が完全に裏目に出て、一日で70万円の損を出してしまいました。自分が決めた時間帯以外に欲を出してエントリーしてしまったんですね。そういう時は、だいたい損失をだしてしまう結果になりますね。
編集部:- 自分のルールを逸脱しちゃうと失敗してしまうと?
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STさん: - はい。つい空いている時間があると触っちゃうんですよね~これがいけないんです(笑)。
編集部:- みんな逆だと思いますよ(笑)。自由な時間があるとじっくり分析できるので、むしろ「時間がほしい」と思う投資家の方が多いと思うのですが。
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STさん: - 自分の場合は、暇があると欲が出て、ついついFX取引をやってしまい、マイナスのポジションを作っちゃうんですよね。忙しい合間にやったほうが、私の場合はトレードがうまくいく傾向が強いです。
含み利益で損切りラインを設定
編集部:- 損切りラインとか利益確定ラインとか、あらかじめ決めていらっしゃいますか?
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STさん: - いや、決めていません。
編集部:- では、損切りや利益確定はどのようにするんですか?
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STさん: - 利確はですね、例えば今、20万円の含み益が出ている状態だったら、12万円くらいところにストップを置くようにしています。含み益がどんどん増えたら、そのストップラインを少しずつ上げていくという手法で取引しています。
編集部:- 相場が逆に動いても確実に利益は残すというようなやり方をしているということですね?
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STさん: - 損切りは、それよりも手前にラインを設定するイメージですね。ただ、たくさん利益が出ているときほど幅を持たせています。
編集部:- それはどれくらいの幅なんでしょうか?
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STさん: - 「1日の利益はこれくらいあればいい」という計算で、私はやっています。それが10万円だとすると、1週間で5営業日ですから、50万円のプラスなっていればいいということになります。もし1週間(5営業日)で200万円以上の利益が出ていたら、「100万円程度の損は出てもいいかな」と考えます。
そもそも私は大きめのロットでやっているので、ちょっと相場が動いただけでも、結構な利益や損失が出るような取引手法なんですよ。
2,000ロットで短期売買
編集部:- なるほど、ちなみに取引ロットはどれくらいですか?
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STさん: - 2,000ロットですね。200万通貨だから、0.1円の値幅で20万円の利益になります。0.1上がって0.2下がるなんて、相場ではしょっちゅうですから、含み益が多ければ、様子を見ますし、月初でそんな感じになったら、早い段階で損切りします。
勿論その後にドーンと相場が戻して、「あのポジションはもったいなかった」ということもありますが、まあ、これは仕方がないです。
編集部:- そこは割り切って、頭をクリアにして次に臨むということですね。それにしても2,000ロットってかなり大きい取引量ですが、最初からですか?
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STさん: - そうですね、結構なんでも大きくしちゃうところがあります(笑)。
編集部:- ロットが大きいと、ハイリスク・ハイリターンになりますが、それがご自身に合っているということでしょうか?
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STさん: - そうですね。加えて、売買を短いスパンでしか考えていないので、僕の中ではもう、0.05円動いただけでいいんですよ。その動きで、それなりの利益を取ろうかなって思うと、やっぱり2,000ロットくらいの取引になります。
動きそうな時間帯に成行注文
編集部:- 相場の傾向や、動意付くタイミングがわかっていないまま、むやみやたらに取引するのは、怖いと感じていらっしゃるということですよね?
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STさん: - 相場は常に上げ下げしますよね。「その日が始まってから終わるまでに0.2円の動きでしか利益が得られなかったとしても、その動きでたくさん取引するようにする」という考え方です。
短期売買で考えているので、相場はそんな見方でいいんじゃないかなと、私自身は考えて実践しています。
編集部:- 動きそうな時間帯にスマホでアプリを立ち上げて、チャートを見ながら、成り行きの売買を連続で繰り返しているということですか?
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STさん: - そうですね。トレードのイメージとしては、そうなります。
他の投資家の動向に乗っかることが大切
編集部:- 外為注文情報(外為どっとコムが提供している情報)はどのように活用していますか?
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STさん: - 動きそうな時間帯に、例えば、豪ドル/円で1豪ドル=84.00円だったときに、注文情報を見て「多分、相場は下がらないだろう」「みんなはここで買いを入れる」「この後、上がってくるだろう」というようなものが注文情報を見ていると見えてくると思うんです。注文の多そうなところに一緒にエントリーしていく感じですかね。
編集部:- なるほど、他の投資家の動向に乗っかっていくんですね?そのときに裏切られるようなことはありませんか?
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STさん: - 今までの経験では大きく裏切られることはないですね。ただひとつのチャートをずっと見ながら、「下がるだろう」「上がるだろう」というタイミングを見計らっていますから、逆の注文がたくさん入っていると、少し心配になる時はあります。
編集部:- その辺はコントロールが十分にできているということなんでしょうか?
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STさん: - 忙しいときはできていますね(笑)。ただ、暇だと、つい余計な取引を実施してしまって、大けがする時があるので・・・今後は気をつけます。
取引は平日の仕事終わりに
編集部:- 普段、FXトレードをされる時間帯は?
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STさん: - 基本的には仕事が終わってからです。出勤が朝7時ぐらいで、17時に終わり、家に帰ってからが、自分の場合は本番の取引開始という感じですね。
編集部:- 仕事中には相場が気になりませんか?
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STさん: - 豪ドル/円は午前中に動きやすいので、仕事中でも外回りのときはチャートを見ることがあります。現場に出ているときは、トレードしませんが、休憩時間中などに相場を見て、ポジションを持つことはありますね。
編集部:- 週末の時間を使って、相場分析などはしていますか?
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STさん: - まったくしないですね。これまで、このトップトレーダーインタビューに登場した人たちの記事を読みましたが「一日中チャートを見て、半年後に結果が出た」とか、「高校や大学のときから興味を持っていた」とか、そういう方々に比べたら、私はFXの勉強は何もやっていないのに等しいですね。
編集部:- そうすると、非常に効率的に成功を収めていることになりますね?
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STさん: - うーん、たまたま成功したと感じています。ただ、何をやるにしても、誰にでもできるようなやり方を目指したいと思っているんです。別の言い方をすれば、難しいことは一切しないということを念頭にFX取引に臨んでいます。
FXの利益は保険適用外の治療費に
編集部:- FXの利益の使い道は決めていますか?
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STさん: - 実は、まだ使わずに、証拠金をどんどん増やそうと思っています。
編集部:- 何か目的があって投資をしているということなのでしょうか?
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STさん: - 理由はいくつかあるんです。もともと腰が悪くて、月に2、3回は保険適用外の治療を受けているんです。その治療費がかなり高いので、なんとかして稼ぎたかった。それに、お金があったら買い物をするにも選択肢が増えますし。ただ今は、FXの利益は証拠金を増やしさらなる利益追求に活かそうと考えています。
可能な限り簡単な取引手法で利益追求
編集部:- FXは自分にあった投資だと思いますか?
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STさん: - 今は「たまたま利益追求ができている」だけだと思っています。私はまったく勉強しないんで、理論を知っているわけでもありませんし。ただ、可能な限り簡単な取引手法で利益追求できる方法を常に考えて実践しています。それが、あまり苦になっていないので、そういう意味ではFX投資は自分に向いているのかもしれません。
編集部:- お話を聴いていて、FX取引にあたり、とても冷静で、なおかつ大きなロットで取引を実施する大胆な面もお持ちになられていると思います。そして、なんといっても結果を出されている。そういう意味では向いているのではないでしょうか。
間違って入ったポジションが切れない
編集部:- STさんは、ご自身のトレードについて、しっかり分析もできていて冷静であると感じます。
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STさん: - いやいや、暇があると触っちゃうのは、冷静じゃないです(笑)。「上り調子だから、このまま上がっていくだろう」って思ってちょくちょく便乗するんですが、後から見直したら「ここって下がりそうなポイントだったじゃん」ってことが、月に何回もあるんですよ。
編集部:- 例えば、間違って入ったときに、スパッとそのポジションを切る(決済)ことができますか?
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STさん: - それが本当に難しいんです(笑)。自分が思った方向に動くと思っていますから。ちょっと上がって、ストンと下がるっていう短期によくある相場の動きがあるじゃないですか。「まだ大丈夫、まだ大丈夫」ときて、「あっ、もうダメだ」となってしまう場面が、まだまだ多いです。
FX取引はシンプル。難しい勉強も本当は必要ないのでは!?
編集部:- FX取引のことを友人や職場の同僚に話されることはありますか?
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STさん: - あまりありません。例えば月100万円の利益を出したことを友人や同僚に話すと、嫌味に聞こえて印象が悪いかなと思いますから。
編集部:- 最後にFX初心者の方に向けて、何か伝えたいことはありますか?
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STさん: - FXはみなさんが考えているよりもシンプルだということ。それを伝えたいです。だから「難しく考えたり、ものすごく勉強をしたりすることがなくても、できるんじゃないかな」と私は思いながらシンプルな取引で利益追求を目指しています。
編集部:- STさんにとって、FXの魅力は何ですか?
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STさん: - やはり、とんでもない大金が、短時間で手に入るってことじゃないですかね(笑)。
編集部:- 極めてストレートなご回答をどうもありがとうございます。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
PickUp編集部より
「FXの魅力はとんでもない大金が短時間で手に入ることです」とSTさんはストレートに即答してくれました。ハイリターンがFXの魅力であることは間違いありませんが、それと同時にSTさんは高ロットの短期売買という手法を使いながら、利益が減らないストップ注文、含み益から設定する損切り注文を使って、確実に利益を残すことを実践しています。STさんは確実に利益を得るためにはリスクコントロールが大切であること、初心者であってもそれが可能であることを教えてくれたように思います。
【前編】
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】
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