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FX「リラ安値更新で大統領が目指すゲームプランとは」トルコリラ見通し

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総括

FX「リラ安値更新で大統領が目指すゲームプランとは」トルコリラ見通し

通貨最下位、株価5位
予想レンジ トルコリラ/円 9.3-10.80

(ポイント)
*エルドアン大統領は利下げとリラ安で経済が再生すると発言した
*リラは最安値更新
*利下げでも長期金利は上昇し20%台へ
*2021年成長見通しは9%
*株価指数は年初来18.88%と高い
*8月、9月は経常黒字へ
*輸出は伸びたがまだ貿易は赤字
*民間の見通しは再度利上げに追い込まれる
*ドイツ銀行は年内2回の利下げを予想(1回目は実現)
*大統領の健康不安説流れる
*10月製造業PMIは悪化
*10月消費者物価は19.89%増
*大統領が10大使の追放指示(その後大使側譲歩で鎮静化)
*大統領は、利上げ派の中銀金融政策委員の3委員を解任した
*大統領支持率低下

(大統領発言、11月22日、アッラーの助けがあり低金利政策は投資と雇用が増え競争力のある為替レートとなる)
エルドアン大統領は、「高金利政策はインフレを低下させない。トルコは経済的独立戦争に勝つ」と強調した。また低金利は投資と雇用が増えるため、競争力のある為替レートとなるとした。
 「我が国を縮小し、弱体化し、失業、飢餓、貧困を増やす高金利政策を拒否し、’高金利の悪循環-安い為替レート’ではなく、投資、生産、雇用、輸出に焦点を当てる」と強調した

大統領は、外国為替市場と金利市場でプレーされているゲームの中でのリラの弱さを非難した。「私たちは、ゲームが為替レートと金利でプレイされているのを見ている。私たちは、強い姿勢をとることによって、私たちが参加したすべての闘争から抜け出した。アッラーの助けと私たちの国の支援により、私たちは勝利を伴うこの独立の経済戦争から抜け出す」とした。

大統領はまた、「論理的な説明のない為替相場の上昇」を言い訳にしようとして、法外な値上げをしている「日和見主義者」に立ち向かうという政府の決意を再確認した。高い価格の中で、政府はスーパーマーケットを非難し、潜在的な搾取的な価格設定への調査を開始した。

(大統領発言への感想=エルドアン大統領は9%を超える2021年の成長見通し、年初来18.88%の株価指数、8.9月の経常収支の黒字化などを自画自賛するだろう。問題は20%にもならんとするインフレだが、それは行政指導で乗り越えようとする。また為替レートが下落すれば輸出が伸び国際収支の改善に繋がるとしている。大統領のゲームは成功するかどうかはインフレが鎮静するかどうかだろう。インフレが高止まりすれば支持率の低下となり2023年に政権を失うかもしれない。壮大な経済実験だ)

(最安値更新)
 トルコ中銀は予想通り高インフレでも不合理な利下げを強行した。ここまで通貨は下がるものなのか。2月下旬のトルコリラは年初来対円で6.34%高で最強通貨であったが、3月にインフレ抑制で金融引き締め策をとっていた中銀総裁を解任してからは暴落し、年初来で対円で27.33%安、対ドルで53.01%安となっている。
 また政策金利は引き下げられたが10年物国債は再び20%台へ上昇。

(強い成長率と株価)
 今年の成長率見通しはリラ安効果もあり、おそらく世界でトップの9%成長、株価指数も年初来18.88%高と高い。ただインフレは20%近く、トルコ国内でも株を持っていない人は苦しい。それでも利下げを強行し海外投資家からの信頼も失いリラが売られている。一時はリラ買い介入を行う姿勢を示したが、介入資金枯渇の危機もあり、現在は外貨準備高が増加しても介入は活発には行われていない。

(リラ安放置の背景)
 リラ安放置、利下げを強行する意図は何か。2023年の総選挙が視野に入っているからだろう。現在支持率が下落しているが、国民の人気をとるためには、介入で押し上げる難しさを避け、リラ安放置と利下げで産業を保護したいのだろうか。一般国民はインフレで苦しむところだが、生活必需品の値上げを抑制するマーケットをオープンしている。ただリラ安が続くので海外投資家は投資を避け、国内からは外貨預金や金投資が進んでしまう。また今年は半導体不足でトルコの一番の輸出品目の自動車輸出が伸びず、一番の輸入品目である鉱物性燃料の輸入が急増しリラ安でも貿易赤字は続く。頼みは観光収入で8,9月は増加し経常黒字となったが、トルコ国内や欧州もコロナ感染者が増加しているので安定はしない。
 市場原理ではなくエルドアン大統領の独自の選挙対策としての金融政策が続けばなかなかリラも下げ止まらない。それで選挙で勝てるわけでもない。外交においても対米、対欧では防衛問題、人権問題で対立し不安だ。金利の無いイスラム金融を彷彿させる宗教的な金融政策ではなかなか先が見通せない。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

下げ止まらず

日足、 弱含み推移続く。ボリバン2σ下限を下抜く。新安値更新。11月19日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。ボリバン2σ下限は9.958、3σ下限は9.29。
週足、ボリバン3σ下限から一時反発も続かず再び3σ下限へ。11月8日週-15日週の下降ラインが上値抵抗。3σ下限は9.608。
 月足、9月は7月-8月の上昇ラインを下抜く。10月も陰線。9月-10月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン2σ下限を下抜き3σ下限の9.466。
 年足、6年連続陰線。今年は僅かながらも陽線スタートも3月の中銀総裁の電撃解任で陰転。18年-20年の下降ラインが上値抵抗。

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メルハバ

エルドアン大統領に挑戦するゴールドマン・サックスの見方

ゴールドマン・サックスの見方。トルコ中銀が主要政策金利を来月、さらに1.0%引き下げて14%とするが、来年半ばまでには利上げを余儀なくされるとの見通しを示した。
トルコ中銀は同日、主要政策金利を1.0%引き下げて15%とした上で、12月の追加利下げを示唆した。通貨リラは急落して過去最安値を更新した。ゴールドマンのは「現在の政策ミックスは持続不可能であり、成長ではなくインフレを素早く引き起こす可能性が高い」と指摘。リラの下落が原因で、インフレ率は来年半ばまで20%を上回り続けるとの見通しを示した。
「われわれの見解では、こうした状況下では政策金利を14%に維持することが一層困難になる。従ってわれわれは、最初の利上げ時期の予想を2022年3Qから同年2Qに前倒しした」としている。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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