総括
FX「10月はここまで最強通貨。資源高と利上げ観測で」南アランド見通し
通貨4位、株価5位
予想レンジ 南アランド円 7.6-8.1
（ポイント）
＊10月はここまで最強通貨。資源高と利上げ観測で
＊株価も強い
＊11月は利上げ観測あり
＊11月1日には地方議会選挙がある
＊コロナ感染者数は減少
＊IMF成長見通し引き上げ
＊8月小売売上高は減少 暴動の影響
＊ストの季節である
＊石炭価格の上昇、他の資源価格の下げ止まりでランドも落ち着く
＊コロナ禍の規制を緩和した
＊フィッチは景気見通しを上方修正するも格付けは現状維持とした
＊8月の消費者物価上昇率は前年比4.9％
＊JPモルガンがランド売り推奨 一時下落も反発
＊2Qの経常収支は黒字額が過去最大
＊2QGDPも改善
＊インフレ目標は3-4％へ明確化
＊弱点は雇用と停電
（通貨、株価とも大幅上昇）
通貨、株価とも大幅上昇した。特にランドは今月は対円で5.96％高、先週は3.99％高と最強だ。株価指数（アフリカ全株指数）も先週は2.74％高と堅調推移した。ズマ前大統領逮捕による支持者の暴動での混乱から立ち直った。資源価格の上昇が大きい。年間では強くも弱くもないが、今月は南ア産出の資源価格が上昇している。電力不足の中国の石炭需要が高まっているからだ。コロナ感染者数の減少で規制策も緩和された。
尚、株価は上昇しているといえ、上場を廃止する企業が増加している。
（金融政策は引き締め方向へ）
消費者物価も上昇しているが、中銀は７会合連続で政策金利を据え置いている。インフレリスクが高まったことで、市場は11月18日の政策金利決定で0.25％の利上げをに織り込んでいるほか、来年の大幅な利上げも視野に入れている。今週は9月消費者物価の発表がある。懸念は12.1％の高い失業率や全国金属労組による賃上げ交渉が行き詰まり生産への影響が出ていることだ。
（地方選挙）
政局では11月1日に地方政府総選挙がある。
（IMF成長見通し引き上げ）
IMFは2021年の成長見通しを4.0％から1.0％引き上げて5.0％とした。中国を含め資源需要が旺盛で価格も上昇で輸出増加が見込めることは、コロナ感染者数が減少して経済活動が元に戻りつつあることなどが引き上げ要因となった
（8月小売売上高は減少）
8月小売売上高は前年比1.3％減となったが、市場への影響は限定的だった。予想は2.6％増だった。ズマ前大統領逮捕に関わる支持者の暴動で経済活動が停滞した地域があったため。
（8月製造業生産は増加）
8月の製造業生産は前年比1.8％増、鉱業生産は同2.0％増となった。製造業生産は予想外の増加となったが、鉱業生産の伸びは予想を下回った。
（9月の企業景況感指数は低下）
南アフリカ商工会議所（SACCI）が発表した9月の企業景況感指数は91.0と８月の91.9．９から低下した。
小売売上高や製造業生産が減少したほか、「エネルギーや水の供給に関する懸念および燃料価格の上昇も事業見通しを悪化させる大きな要因になった」とした。
（賃上げ交渉が行き詰まりストが発生）
独BMWは、南アの主力組み立て工場について、南ア最大の全国金属労組によるエンジニアリング部門の賃上げ交渉が行き詰まりストが発生していることで、生産に打撃が出ていると発表した。
10月5日から始まったストで約700台の生産ができなくなった。多くのサプライヤーが影響を受けているとした。ストが起きているのはヨハネスブルクから約60キロの工場。同様のストが他にも波及し、部品供給が途絶するとの懸念も高まっている。
労組は10月8日、スト終結に向けた新たな提案を検討中と表明。11日の段階では、ストについて決定するには情報のすりあわせがまだ必要とした。
テクニカル分析（ランド/円）
ボリバン3σ上限到達 9連続陽線
日足、9連続陽線でボリバン3σ上限へ。10月14日-15日の上昇ラインがサポート。6月7日-10月15日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。雲上。
週足、10月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。6月7日週-10月11日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
月足、ついに雲に突入。20年5月-21年8月の上昇ラインがサポート。21年6月-9月の下降ラインを上抜く。18年2月-21年6月の下降ラインが上値抵抗。
年足、18年-20年の下降ラインを上抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。20年の下ヒゲも効いている。
喜望峰
南アに影響を与える中国の石炭事情
中国の原料炭先物が急伸し、中心限月が過去最高値を更新した。コークス先物も堅調で、６週間ぶりの高値を更新した。石炭の主産地である山西省の最近の洪水被害を受け、供給不安がさらに高まっている。
中国では既に電力不足で炭鉱を含む多くの産業の操業に悪影響が出ており、山西省の石炭生産と輸送の混乱という懸念材料がこれに加わった。洪水の影響で、同省では27カ所の炭鉱が操業を停止した。
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