2000年代のFXブームをきっかけに、FXの世界に足を踏み入れたカメラマンの「T」さん。当初は好調だったものの、リーマンショックで手痛いダメージを受けます。そこから自分の投資スタイルを見直し、兼業トレーダーとしては理想的な効率の良い取引の仕方で、直近の約1年半に1,000万円超えの利益を手にしています。Tさんはいったいどのようなトレードをしているのでしょうか。
以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものであり、また、お客様の収支については、「取材依頼時点」のものとなり、その内容については、当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
Tさん プロフィール
年齢性別 :50代男性
職業 :カメラマン
FX取引歴 :17年
収支 :約1年半で1,000万円超(2020年1月~2021年取材申込時点)
トレードスタイル:スイングトレード
投資商品 :FX、株
趣味 :クルマ
▼目次
1.「ミセス・ワタナベ」がきっかけ
2.FXの利益を外国株に投入
3.FXは楽しい短距離走
4.景気のいい時代で苦労知らず
5.リーマンショックでリスクを考慮するように
6.ボリンジャーバンドの幅が狭まったところを狙え
7.資金に余裕を持てば心にも余裕が生まれる
8.欲張らずに利益確定
「ミセス・ワタナベ」がきっかけ
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編集部: - FXとの出合いから教えてください。
Tさん:- いわゆる「ミセス・ワタナベ」(FXなどの取引を活発に行う日本人の個人投資家の総称。東京市場で日本人投資家が円売り・ドル買いを進め相場が大きく動くようになり市場で注目を集めた)が、大きなニュースになったころにFXを始めました。テレビにFX会社のCMが登場して話題になりましたよね。当時は金利差があって、外国通貨を持っていれば、スワップポイントがどんどん貯まっていく状況だったのを良く覚えています。
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編集部: - キャリートレード(金利差を狙ったトレード)が注目されたときでしたね?
Tさん:- ええ。最初は外貨預金を試したんですが、手数料が物凄く高額で思ったほど資金を増やせなかったんです。それでレバレッジの効くFXがいいと考えたんです。
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編集部: - 最初に取引した通貨ペアはなんですか?
Tさん:- 最初はNZドルか、豪ドルのどちらかだったと思います。高金利通貨なので、当時は持っていればスワップポイントがどんどん増えます。「外貨預金代わりになればいいかな」と思って選んだんです。
FXの利益を外国株に投入
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編集部: - 株式投資もされていますが、数ある金融商品の中から、なぜFXと株を選ばれたんでしょうか?
Tさん:- 株については「中国株で1億円もうけた」というタイトルの本をたまたま書店で見かけて、興味を持ちました(笑)。普通の人とは違う株を持つことで利益を出してみたいと思ったんです。今も香港株とアメリカ株を運用しています。
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編集部: - 運用成績はどうですか?
Tさん:- 正確に計算したことがないので、なんとも言えませんが、投資資金は株にたくさん入れています。FXで得た利益を株式投資に回すこともあります。
FXは楽しい短距離走
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編集部: - FXと株式はまったく異なる金融商品ですが、それぞれの魅力はどこにあると感じていますか?
Tさん:- やっぱりFXは短期間で損益が確定しますね。レバレッジが効いてダイナミックです。一方の株式は、「この株はハズレだ」と思わなければ、ずっと持ちっぱなしになります。株は基本的には長期投資です。FXと株式では「短距離走」と「長距離走」みたいな違いがあるんじゃないでしょうか。
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編集部: - 実際にやってみて、ご自身にはどちらが向いていると感じていますか?
Tさん:- う〜ん、個人的には「楽しさ」という観点で言えば、FXでしょうか。FXの取引にはゲーム的な要素があると思うので。
景気のいい時代で苦労知らず
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編集部: - 数あるFX会社の中から、当社を選んでいただいた理由はなんですか?
Tさん:- 手数料が安いのとスプレッド幅が狭かったことですね。当時は口座開設数も一番だったと思います。実は他社でも口座を開設したんですが、アプリの使い勝手がよくなくてやめました。
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編集部: - ズバリお伺いします。取引を開始した初心者の頃から、どうやって利益を出せるようになったんでしょうか?
Tさん:- 実はデモトレードなどは試さずに、最初から「本番」で取引を始めましたが、あのころは景気も回復基調で、円安がどんどん進んで、利益を出すことができたというのが実感です。重要なのは、その後、さまざまな経験をして、今のトレード手法にたどり着いたことですね。
リーマンショックでリスクを考慮するように
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編集部: - 始めたときの運用資金はいくら位でしたか?
Tさん:- ちょっとずつ資金を増やし運用していったのですが、合計1,000万円くらいで売買していたと思います。
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編集部: - 最初から1,000万円ですか!運用成績はどうでしたか?
Tさん:- 始めてからしばらくの間はよかったんですが、2008年のリーマンショックのときに数百万円を失いました。そのときに「もっと勉強して、しっかりやんなきゃいけないな」と思い知ったんです。
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編集部: - 数百万円を失いながらも、FX取引をやめずに継続されてきたんですね?
Tさん:- 一時的に通貨ペアを動きが少ない米ドル/円だけに切り替えました。FX運用を継続するために、リスクを低くしたんです。そして、利益がでたらすぐに確定するようにしました。また、早めに損切りも行いました。
当然、あまり利幅は取れませんが、いったんはコツコツと利益を積み上げるスタイルにしたんです。そして、安定的に利益追求できるようになった後、そこからアクティブ運用で利益を取るスタイルに変えていったのです。ご存知の通り、最近は金融緩和でスワップポイントがつかないようになっているので、しっかりと値動きで利益をとらないといけませんので。
ボリンジャーバンドの幅が狭まったところを狙え
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編集部: - 米ドル/円のほか、ポンド/円、カナダドル/円、豪ドル/円と主要国通貨で取引されているそうですが、複数の取引通貨ペアを同時に見ることは大変だと思うのですが、エントリーの判断等はどのようにされるのですか?
Tさん:- 中期・長期という大きなトレンドで相場を見つつ、テクニカル分析のボリンジャーバンドを使って、ボリンジャーバンドの幅が狭まってきたところを狙います。そこにはエネルギーがたまっていて、相場はそこから大きく動くパターンが非常に多く利益追求できるポイントだと捉えています。
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編集部: - ボリンジャーバンド以外に、取引を判断する上でどのようなものを活用しているのでしょうか?
Tさん:- 一般的なチャートは見ていますよ。ローソク足は1時間をいちばん参考にしています。
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編集部: - Tさんはスキャルピングやデイトレのような短期売買のスタイルではありませんよね。それでも1時間足を重視されているんですか?
Tさん:- 1時間足には直近の方向性が出ます。相場全体の雰囲気も、だいたいそれで分かります。私が見ているのは、日足と1時間足の2つだけです。
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編集部: - 1時間足で、直近の方向性見ながら、相場の未来を予想するというやり方に行き着くまでには、どのような研究と実践があったのでしょうか?
Tさん:- 利益を出そうと、テクニカル一辺倒の時期もありました。ただ、もう少し大きな”雰囲気”で相場を捉えたほうが、自分にはしっくりくると思ったんです。大きな流れには逆らわず、その中で相場の調整幅を確認し、エントリーするようにしてみました。
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編集部: - 日足は過去どれぐらいまで確認して、エントリーの判断をされていますか?
Tさん:- だいたい2年くらい前までを見て、今のレートが全体のどの位置にあるかを把握しています。
資金に余裕を持てば心にも余裕が生まれる
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編集部: - このところ主要国通貨はボラティリティーが小さくなっていましたが、最近は予測できないような動きが増えていますよね。Tさんのトレードの特徴は、とにかくムダがないというか、非常に効率的ですね?
Tさん:- そうですか。資金的に余裕をもってトレードするように心がけているからでしょうか。そうすると、心に余裕ができて、適切な判断がくだせるようになり、いい結果を生みやすくなるようです。
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編集部: - なるほど、つまり、リスクを取り過ぎないということですね。維持率はどれくらいを保つようにしていますか?
Tさん:- 値動きによって多少は変わってしまいますが、レバレッジが最大でも5倍程度になるように心がけています。正直、”ギリギリ”まで攻めていないので、維持率はそんなに気にしていないのですが、おそらく維持率200%は常に保ちながらトレードしています。
欲張らずに利益確定
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編集部: - 多くの初心者が「利益確定」や「損切り」という「手仕舞い」を難しく感じています。Tさんは「利確」や「損切り」の判断をどのようにされていますか?
Tさん:- 欲張らずに、相場の雰囲気が「怪しいな」と思ったら、迷わず利益確定または損失確定させるように心がけています。
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編集部: - その辺りをもう少し具体的に教えてください。
Tさん:- たとえば、だんだんとボリンジャーバンドの幅が狭くなってきて、相場が「変なもみ合い」に入ってきたと感じたら、いったんは撤退しますね。
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編集部: - 利益が出ていたらそこで確定し、逆の場合は損切りするということですね?
Tさん:- そうですね。ただ、必ずしもそうするわけではなくて、資金に余裕があるときは、損が出ていても、そのまま様子をみることもありますね。
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編集部: - 損切りのルール等は決めていますか?
Tさん:- 私は特に決めていないんです。大きなトレンドから相場が逆行し始めたら、損切りしますが、「トレンドが崩れていない」と感じた場合には、そのままポジションを持ち続けることも多いんです。
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編集部: - なるほど、さらに「ナンピン(難平)」で買い増しすること等はありますか?
Tさん:- あります!本当は「ナンピン(難平)」しちゃいけないんですが(笑)。大きなトレンドが崩れていないときには、ナンピン(難平)することがあります。あとは、ものすごい勢いで下がったときですね。リバウンド狙いで、ナンピン(難平)を使うことがあります。ただ、基本的にはナンピン(難平)はしない方が良い手法だということは念頭に置いています。
(後編に続く)
PickUp編集部より
レバレッジをかけ過ぎず、資金的な余裕を持ち、欲張らずに利確すること着実に利益を獲得するという投資スタイルは、リスクが低く抑えられており、FX初心者には大いに参考になるのではないでしょうか。後半ではさらに詳しく投資に対する考え方、今後の目標などを伺います。
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