総括
来週は消費者物価と政策金利。原油安でペソ安も仕送り金額は堅調でペソ支える
(通貨6位、株価3位)
予想レンジ 5.2-5.7
(ポイント)
*来週は政策金利や消費者物価の発表がある
*2Q・GDPは前年同期比19.7%増
*70ドル台を割る原油安はペソ売り要因
*6月海外からの送金額、前年比25%増
*GMのメキシコ工場は半導体不足で操業停止
*IMFは成長見通し引き上げ
*ペメックス格下げ
*コロナ感染者数は増加
*7月は株価堅調
*7月はペソ円が下落しているが、円高の部分が大きい
*7月は対ドルで堅調
*中銀は年内にあと3回の利上げを実施すると予想されている
*利上げにボルハ委員が「逆効果」と反対
*経済は3Qまでに新型コロナウイルス禍前の水準に回復する見込み
*外需は強いが内需は弱い
*対米貿易依存度が頗る高い
*2021年春以降、米国からの旅行者が激増している
(リスク回避の円買いでペソ円が下落)
夏はリスク回避の円高が進むことが多いが、今年のリスク回避はチャイナショックだ。中国でハイテク、不動産、学習塾産業に対する一連の規制が往々にして唐突に導入され、投資家の間に懸念が広がっている。中国・香港株の下落が大きく世界の株価の足を引っ張っている。チャイナショックでは原油価格の下落にも繋がりこれはペソ売りとなっている。7月は対円で1.08%下落。対ドルでは0.21%上昇で、ペソに悪材料が出て売られているわけではなく、あくまでリスク回避の円買いでペソ円が下落している。
(来週は政策金利、消費者物価など重要週)
9日(月)7月消費者物価 前年比 予想5.6% 前回5.88%
11日(水)6月鉱工業生産 前年比 予想20% 前回36.4%
13日(金)政策金利 4.25%で据え置き予想
(原油安もペソ安要因に)
7月6日に76.98まで上昇した原油価格(WTI)はOPECの増産合意やデルタ株感染拡大による景気減速見通しで70ドル台を割り込み68ドル台で推移している。産油国ペキシコにとっては悪材料だ
(6月海外からの送金額、前年比25%増)
海外のメキシコ人労働者による6月の送金額は40億ドルで。4か月連続で前年比同月増加で25%増となった。21年前半は236.1億ドルで前年同期比で22.4%増となりペソを支えた。
(2Q・GDP、コロナ流行後初の前年比増 米国需要で)
2Q・GDPは前年同期比19.7%増となり、新型コロナウイルス流行後で初めて前年比プラスに転じた。 前期比では1.5%増。予想の1.7%増を下回ったが、増加は4四半期連続となった。昨年のメキシコ経済はコロナ禍で8.5%のマイナス成長となり、1932年以降で最悪の数字だった。現在の景気回復は、メキシコ製の自動車や電気製品の米国向け輸出が支えているほか、米国のメキシコ移民からの送金が国内の消費者を支援している。
ただ、メキシコ経済が依然としてコロナ禍前の2019年3Qのピークを3.6%ポイント下回っている。
メキシコのGDP成長率は今年6.0%に達する見込みだが、最近のコロナ感染拡大や高インフレ、金利上昇によって、見込まれた景気回復が下押しされる恐れがある。
(今週の指標結果 まずまず)
7月企業信頼感 51.8 予想52 前回52
7月製造業PMI 49.6 予想49 前回48.8
7月消費者信頼感 44.3 予想44 前回44.3
テクニカル分析
ボリバン中位超えられずも20日線上向くか
日足、ボリバン3σ下限から反発し20日線を一時越えるもまた下落。8月2日-5日の下降ラインが上値抵抗。7月20日-8月5日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。20日線は上向くか。雲の上。
週足、ボリバン2σ上限近くから下落し一時中位を割り込む。7月12日週-26日週の下降ラインが上値抵抗。6月21日週-7月19日週の上昇ラインがサポート。
月足、雲下での推移が長い(2016年1月以来)。ボリバン中位は上に抜ける。20年2月-21年7月の下降ラインが上値抵抗。21年3月-6月の上昇ラインがサポート。
年足、陽転。15年-20年の下降ラインを上抜く。
VAMOS MEXICO
GM、工場操業停止、半導体不足
GMは8月3日、操業を再開したばかりの北米のピックアップトラック組み立ての3工場を来週から再び停止すると発表した。またもや世界的な半導体不足が理由とした。
停止するのはミシガン州フリントとインディアナ州フォートウェイン、メキシコのノシラオの工場。世界的な半導体不足は依然として複雑で、極めて状況が流動的だと説明した。
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