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政策金利据え置き予想。大統領の行動は常時警戒、リラ下げ止まり

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総括

政策金利据え置き予想。大統領の行動は常時警戒、リラ下げ止まり

(通貨最下位、株価最下位)   

予想レンジ トルコリラ/円 12.2-13.2

(ポイント)
*今週の政策金利は据え置き予想
*5月失業率は改善
*最近の指標はマチマチ
*6月CPI再び上昇
*中銀総裁は年末にはインフレが低下すると予想
*2Q成長率は20%程度か
*通貨スワップ協定の締結に向けて4カ国と交渉
*今月から感染抑制のための規制を一段と緩和
*エルドアン大統領が引き続き経済を支えるために利下げを要求
*外貨準備は増加
*対外純債務は3436億ドル
*政府の21年成長予想は5.75=IMF、EBRD、民間は5.5%予想
*中国とはウィグル族問題、ワクチン、外貨スワップ協定で関係を深めている
*格付け会社は格下げを示唆
*新憲法制定を画策

(政策金利は据え置きか)
今週は政策金利は19%で据え置かれる見通しだ。6月の消費者物価は前年同月比17.53%上昇。インフレ率は2年ぶりの高水準に上昇している。エネルギー価格の値上がりと生産者物価の上昇が原因。生産者物価は42.89%上昇した。また年末までに想定される利下げが従来の予想よりも小幅になると見られている。カブジェオール中銀総裁は、インフレは今月から来月にかけて予想より上振れする可能性があると指摘したが、中銀は4月に公表した報告書で示した、インフレ率が年末までに12.2%に低下するとの見通しを変えないと表明した。

(与党支持率は26%と過去最低水準)
 エルドアン大統領は、「トルコをひざまずかせる」目的の経済的な攻撃を政府は阻止してきたとの見解を示した。そのような攻撃が通貨リラの不安定化を招いたと主張した。これまでも、外国勢力や、トルコ政府がテロリストと見なす組織による攻撃の企てが経済的苦境をもたらしたとの見方を示している。「為替相場、インフレ、金利の三角形を通じた策略が練られている」とし、2016年7月のクーデター未遂事件の「卑劣な目的と同様、トルコ経済を危機に陥れようと狙っている」と述べた。ただこの高インフレの経済も影響して、イスタンブール経済研究所の6月調査によると、直近の与党支持率は26%と過去最低水準に落ち込んだ。

(指標マチマチでリラ相場落ち着く)
 5月の貿易・経常収支は相変わらずの赤字であったが、外貨準備高の増加、6月経済信頼感や製造業PMIの改善など好材料もあった。今週は失業率(5月は13.2%に改善)、鉱工業生産、小売売上などの発表もある。ここ3週間はリラも落ち着いている。

(成長率、インフレ、経常収支の予想)
 EBRDに続き民間予想(ロイター)でも、トルコの今年の成長率は5.5%となった。インフレ率は2023年いっぱいは2桁が続くとみられている。
昨年の成長率は1.8%で、新型コロナウイルス禍で打撃を受けながらもプラスを確保した数少ない国の一つとなった。今年1Qの国内総生産(GDP)は前年比7%増と力強い回復を見せた。成長率予想は、21年が5.5%、22年は3.8%。今年2Qは昨年が落ち込んだことによるベース効果で前年比で18.4%の伸びが見込まれている。
3Qは、パンデミック関連の規制緩和に伴い内需が回復する。貿易相手国・地域の回復で輸出が拡大し、ワクチンの普及が観光収入の回復にある程度寄与する。

トルコ政府の今年の成長率予想は5.8%で、エルドアン大統領は予想以上になるとの見解を示している。トルコのインフレ率はこの4年間おおむね2桁で推移している。 6月の消費者物価指数は前年比17.53%上昇し2年ぶりの高い伸びを記録した。中銀は上昇率が年末までに12.2%に低下すると予想し、23年に5%の目標に下がるまで引き締め政策を続ける方針を示している。インフレ率の予想は、今年末時点が15.5%、22年末が12.0%、23年末が11.0%。

エルドアン大統領は、金利を下げるよう繰り返し要求し、2年弱の間に中銀総裁を3回交代させた。これを受け中銀の独立性が疑問視され、外資の引き揚げが起きている。新中銀総裁が大統領の要求する10月までに利下げできるとは思えず、新総裁もいずれ更迭されるのか、という見方が浮上している。
経常赤字は、21年が対GDP比3.5%、22年が2.5%と予想されている。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

ボリバン2σ下限から中位へ戻す

 日足、ボリバン2σ下限から中位へ戻す。7月9日-12日の上昇ラインがサポート。
7月2日-12日の下降ラインが上値抵抗。雲中へ上昇。5日線下向き。
 週足、5月31日週-7月5日週の上昇ラインがサポート。6月14日週-7月5日週の下降ラインを上抜ける。ボリバン下位。雲の下。
 月足、21年3月-6月の下降ラインを上抜く。20年11月-21年6月の上昇ラインがサポート。21年2月-3月の下降ラインが上値抵抗。
 年足、6年連続陰線。今年は僅かながらも陽線スタートも中銀総裁の電撃解任で陰転。18年-20年の下降ラインが上値抵抗。

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メルハバ

3月は最強通貨であったが今は最弱通貨

 今年もトルコリラは最弱であり、下落率は金利差を上回りかねない。
ただ3月に中銀総裁を更迭する直前は対円で15円台で最強通貨であった。
利上げを阻止するための解任であったが事実は解任後、金利が上昇し続けている。
悔やまれる解任であったがその失敗の責任は追及されないのがエルドアン大統領の強さか。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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