”基本戦略は変わらず。”

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先週のレポートでは、“最近のドル・円相場は米国長期債券利回りの動きと極めて相関性が高いので、米国10年債利回りの動きに注意したい。”と指摘したが、先週も14日に利回りが多少上昇したにも拘わらずドル・円相場が多少下落した1日を除けば、相変わらず両者の相関関係は深い。

  30年債利回り  ドル・円

3.31. 1.744%(+0.034%) 110.70(+0.36) 高値110.96
4.1. 1.673%(-0.071%) 110.60(-0.10) 
4.2. 1.714%(+0.041%) 110.61(+0.01) 

4.5. 1.707%(-0.007%) 110.18(-0.43) 
4.6. 1.657%(-0.050%) 109.73(-0.45) 
4.7. 1.679%(+0.022%) 109.83(+0.10) 
4.8. 1.626%(-0.053%) 109.26(-0.57) 安値109.00
4.9. 1.662%(+0.036%) 109.65(+0.39) 

4.12 1.669%(-0.007%) 109.39(-0.26) 高値 109.76
4.13. 1.619%(-0.050%) 109.05(-0.34)
4.14. 1.634%(+0.015%) 108.92(-0.13) 
4.15. 1.574%(-0.060%) 108.75(-0.17) 安値 108.62
4.16. 1.579%(+0.004%) 108.79(+0.04)
(30年債利回りとドル・円相場のニューヨーク市場の終値)


ニューヨーク株式市場ではダウとS&P.が金曜日に再び最高値を更新しており、年初からの株高&債券安(利回り上昇)の流れは崩れて株高&債券高(利回り下落)の様相を呈している。

債券高の背景については先週号でも触れたが、本邦機関投資家は2月に大幅に売り越した外債(特に米債。約2兆1千億円)を3月に買い戻し始め(約8千億円)、4月に入ってもその動きは続いている模様である。

機関投資家が債券買いを続ける様であれば米国長期債利回りの頭は重いと思われるが、年初からの債券安を演出してきたバイデン政権による大規模財政出が続く限り、ここから大きく債券が買われて長期金利が大幅に下がることも考え難い。

10年債利回りが1.5%~1.7%位の利幅で推移するのならドル・円相場も現在のレベルから大きく逸脱することも無いかも知れない。

因みに本日の米国10年債利回りは1.566%と金曜日の終値から0.013%水準を切り下げており、ドル・円相場は下がると見た方が良かろうか?

週末ワシントンで開催された日米首脳会談で中国が軍事的圧力を強める台湾に関して、台湾海峡の平和と安定の重要性が強調され、また香港と新疆ウイグル自治区の人権問題に対して深刻な懸念を共有すると明記された。

中国はすかさず台湾、香港、新疆ウイグル自治区は中国の国内問題であり、日米両国が干渉すべき問題ではないと共同声明に反対する声明を出したが、日中関係が悪化するとかつての様な中国のレアアースなどの対日輸出制限や日本製品の不買運動などが起きると、思わぬ地政学的リスクとなってリスク・オフの流れとなり、円高になることも考えられる。

さて、最近よく参考にしているテクニカル分析であるが、移動平均線は依然として下方向への動きを示しているが、売られ過ぎ、買われ過ぎを表すRSI.とストキャスティクスは明らかに”売られ過ぎ”を表している。

今週の塾長の見立ては、”もう一段の下げの可能性が高いが、深追いは禁物。反転の兆しが見られたらドルの買い戻し戦略で行く。”であるが、如何であろうか?

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