総括
膨張中国!世界分断か。ドル下げで人民元も下落、次の焦点は来週の貿易収支とGDP
予想レンジ 人民元/円 16.5-17.0
(ポイント)
*ドル安で人民元も安い
*米中対立がくすぶる
*次の焦点は貿易収支とGDP
*3月政府版製造業PMIは4か月ぶりに改善、一方財新版は悪化
*上海総合指数は伸び悩む
*米国が北京オリンピックボイコット示唆
*今週は3月消費者・生産者物価の発表がある
*米英で一帯一路に対抗
*米、華為とZTEの機器完全排除に追加措置
*証券取引所の新設を検討
*欧米はウイグル弾圧で対中制裁 中国は直ちにEUに報復
*人民元/円は3月で8か月連続月足陽線も今月は陰線スタート
*今年の成長率は8%から9%と高い予想が出ている
*経済問題でも政治問題でも外交で妥協しない
*印紙税が引き上げられる
*中国の新型コロナによる死者は日本より少ない
*米国は対中関税を維持
*日本の1月の中国向け輸出は前年比37.5%増加
*2020年の経常収支は3000億ドル、ドイツを抜き首位に
*コロナ禍でも20年は2.3%成長
(人民元下落、ドル下落で)
4月に入って米ドルが下落しているので人民元も下落している。対円では月初の高値の16.888から昨日4月7日は16.74まで下落。
(北京冬季五輪のボイコットも選択肢=米国)
米国務省のプライス報道官は4月6日、中国の人権侵害を批判し、2022年北京冬季五輪のボイコットも選択肢だとの考えを示した。「共同ボイコットは私たちが議論したいことだ」と述べ、同盟・友好国と対応を協議する方針を明らかにした。一方「北京五輪はまだしばらく先だ」とし、米政府として決定はしていないと述べた。
プライス氏は、中国の人権侵害や新疆ウイグル自治区での「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を挙げた上で「北京五輪は私たちが協議し続ける分野だ」と強調した。
もし共同ボイコットとなれば、世界の分断はさらに深まる。
(製造業PMIは二分)
3月の政府版製造業PMIは51.9と前月の50.6から上昇したが財新製造業PMIは50.6と、2月の50.9から低下し、昨年4月以来およそ1年ぶりの低水準となった。
(今後の焦点 1Q・GDPなど)
今週は3月消費者・生産者物価の発表がある。消費者物価は前年比で0.3%上昇、生産者物価は3.5%上昇の予想。
来週は驚異的な伸びを見せている貿易収支(3月)と1Q・GDPの発表がある。1Q・GDPは前年比6.9%増の予想。IMFは4月6日に2021年の中国の成長予想を1月時点の8.1%から8.4%へ上方修正した。
(海外投資家、3月は中国債を78億ドル買い越し GPIFは?)
海外投資家は3月に中国債を差し引き514億元(78億6000万ドル)買い越した。
ただし買い越し幅は1月の2994億元、2月の1438億元に比べると小幅なものにとどまった。米金利の上昇で米中金利差が縮小したことや、対ドルで人民元が下落したことにより、中国債の投資妙味が薄れた。中国債が国際債券指数に組み入れられたことを受け、需要は底堅いとみている。
GPIFの山口委員長は、GPIFが採用している国債指数に中国国債が組み入れられることについて、対応を検討中だと明らかにした。株価指数を開発・算出するFTSEラッセルは10月末から3年かけ、債券の旗艦指数である世界国債インデックス(WGBI)に中国国債を段階的に組み入れる。
山口氏は、「実際の組み入れまでにはなお時間があると聞いている」と指摘。「執行部において、いかなる対応が適切なのか検討しているところだと承知している」と述べた。
(上海総合指数は伸び悩み)
4月7日終値は3479.63で年初来0.19%高。好調な中国経済とは逆に伸び悩んでいる。
米中対立激化や中国の金融・不動産引き締めへの警戒感などが重しになった。
テクニカル分析(人民元/円)
8か月連続月足陽線、今月は陰線スタート。日足はボリバン2σ上限から反落
日足、ボリバン2σ上限から反落。ボリバン中位。4月1日-6日の下降ラインが上値抵抗。
3月30日-4月7日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、ボリバン2σ上限へ。3月22日週-29日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限は16.98。
月足、8か月連続陽線。ただ4月は陰線スタート。2月-3月の上昇ラインがサポート。ボリバン3σ上限へ。雲中に入る。
年足、11年-20年の上昇ラインがサポート。18年-19年の下降ライン上抜く。 16年-18年の下降ラインも上抜く。
チーファンラマ
中国で稼ぐ世界の自動車業界
2月の中国の自動車販売台数は前年比365%増の146万台だった。増加は11カ月連続。
中国の自動車業界は、世界に先駆けて新型コロナウイルス危機から回復している。
トヨタと吉利汽車は2月に3桁の販売増を記録した。新エネルギー車(NEV)の販売は585%増の11万台。新エネルギー車には電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車が含まれる。
中国政府は、大気汚染対策の一環で環境対応車の普及を促進しており、国内では米テスラなどの電気自動車メーカーが生産能力を拡大している。
GMや日産も販売台数を急速に伸ばしている。
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。