トレードする自分の様子を自ら実況し、取引画面と一緒に録画しながら、トレード終了後に分析するという平井氏。YouTuberならではのやり方で、トレード手法を磨き上げてきた。後編では、ご自身がFXで成功できた理由、成功するために大切なことについて、トレードスタイルの詳細なども含めて解説してもらった。
以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものであり、また、お客様の収支については、「取材依頼時点」のものとなり、その内容については、当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
（この記事は2021年4月6日に掲載した記事名『FX YouTuber平井聡士氏「『根性論』ではなく『好き』になれ。」トップトレーダーに聞く！（後編）』を一部修正したものです）
平井聡士さん プロフィール
年齢性別 ：40代男性
職業 ：FXトレーダー
通貨 ：ドル/円、ユーロ/ドル
趣味 ：FX、音楽
▼目次
1.根性論を排し、「投機」にかける
2.マーケットに合わせた生活リズム
3.お茶をくんでメンタルを冷やす
4.一番カッコいいのは、デカい損切りができたとき
5.YouTubeは頑張る人に向けての学びの場
6.インスタのストーリーズは必見
7.オンラインサロンのメンバーが集まる場を計画中
8.5年後もFXをやっていることが目標
根性論を排し、「投機」にかける
編集部：- FXで成功できた要因をどのように分析されていますか？
平井氏：- 「命懸けでやろう」と決心したことすね。「これからも日本が経済成長していく」という未来が、私には想像できませんでした。株式の長期保有で儲かるような時代ではなくなったと思ったんです。そこで私が考えたのは、「自分が選ぶべきなのは、『投資』なのだろうか、それとも『投機』なのだろうか」ということで、「投機」という結論に至ったんです。「投資」と「投機」でブレている間は、なんだか本腰が入らなかったのですが、「投資」に諦めがつき、「私は『投機』でいこう」と決められたからこそ、FXに打ち込めたんだと思います。
編集部：- なかなか奥が深いですね。
平井氏：- さらに良かったのは「根性論」ではなく出来るだけ「楽しみ」にした事です。
編集部：- 「根性論」ですか？それはどういうことですか？
平井氏：- よく「好きこそものの上手なれ」って言いますよね。それって「根性」だけで努力しても、「好き」には勝てないことだと思うんです。私はそれをバンドの挫折で思い知りました。ギターを必死になって練習したけれど、本当に寝ても冷めてもギターを好きな奴らには勝てなかった。だから、とにかくFXは楽しむことを忘れないようにしました。「ロング」と「ショート」って元々、面白いじゃないですか。FXは「ギャンブル性が高い」と問題視する人もいますが、私は「単純にFXは楽しい」と思うんです（笑）。もちろん、真剣にトレードしています。常に本気です。でも、相場を楽しむんです。”ファミコン”やっている感覚で、チャートをみながらトレードしてもいいじゃないですか。売買が成功したらガッツポーズですよ（笑）しっかり遊ぶ。そういう感覚なんです。
編集部：- 「FXトレードに苦痛を感じる人には向かない」っていうことですかね？
平井氏：- いや、僕も苦痛の方が多いんです。だけど、一瞬でも本当にFXが楽しくて、寝ても覚めてもFXのことを考えてしまうくらいにFXが愛せると、FXが”ハック”できるんじゃないかと思うんです。「努めて、学んで、FXに取り組む」というのは、人生を前に進める行為として意味があると思います。ここに気がつけると、FXに生きがいが見いだせるようになります。新聞なんて、今まで読んだことがなかったし、テレビニュースを熱心にみることもなかったけれど、FXのために「米大統領選」の記事や、テレビニュースをチェックすることが、自分の成長につながり、そこに喜びが見出せるようになるわけです。哲学も人間性もFXは教えてくれます。そうなると、FXがもう楽しくてしょうがなくなりますよ。
マーケットに合わせた生活リズム
編集部：- 睡眠時間はどれくらいですか？
平井氏：- 睡眠時間は短いですね。3歳の子どもがいるんで、朝7時半には起きなきゃいけないんですが、それでは睡眠時間が足りないので、昼寝はします。マーケットに合わせて生活をしていて、ロンドンが開くタイミングで起きます。そして、ニューヨークオープンから朝方までまた起きてみたいなことになりますね。十分なパフォーマンスを出すためには、眠いとか、頭が働かないとか、そういう状態ではダメなんです。
編集部：- どんな取引環境でFXされているんでしょうか？
平井氏：- モニターには、4K（32インチ）・WQHD（27インチ）・Full HD（21.5インチ）各2枚ずつの計6画面を使用しています。リビングにもマーケットを監視するための大きなモニター設置しています。そうすると、子どもと遊んでいるときも、夕飯を食べているときも、横目でチャートが確認できます。然るべき時にトレードルームに移動することで、家族と一緒に過ごす時間は増やせます。
編集部：- ご家族は平井さんがFXをされていることについてなんと言っていますか？
平井氏：- 私の奥さんは当初から全面的に協力してくれています。私がバンドをやめて、ゼロから再スタートしたどん底を見ている人なんです。果たして利益が出せるのか、それとも損してしまうのか、私がFXに挑む姿を最後まで見てみたいと言ってくれます。
お茶をくんでメンタルを冷やす
編集部：- 現在の平井さんのトレードスタイルを教えてください。
平井氏：- スキャルパーですね。「順張り」も「逆張り」も両方やります。相場を見ながら、「ショート」「ロング」といろいろポジションを変えられるので。「逆張りトレーダー」と「順張りトレーダー」は、共通する所が多いです。結局どちらもできなきゃいけませんが、あえていえば、順張りが多めでしょうか。
編集部：- トレードがうまくいかないときのメンタル対処方法等はありますか？
平井氏：- 大きな利確をした直後、大きな損切りをした直後は、冷静な判断にもとづくエントリーが、なかなかできなくなります。例えば、私は2連続で損をだしてしまった場合は、FOREX NOTEに言葉を書き留めたり、必ず席を立つようにしたり、お茶をくみに行ったりします。「メンタルが回復しない」と思ったら、その日のうちにトレードを再開してはダメです。次の日になると、驚くほどリセットされていますよ。寝るのは偉大です。
一番カッコいいのは、デカい損切りができたとき
編集部：- FX取引で、ほかに注意すること等はありますか？
平井氏：- FXで一番大事なことは損切りです。苦しいし、つらいけれど、やっぱり損は切らなきゃいけない。損切りができないと利益は出せません。「本当に苦しいけれど、損は必ず切れ」と言いたいです。トレーダーとして一番カッコいいのは、デカい利確をしたときじゃなくて、デカい損切りができたときですよ。損切りは美学です（笑）。
編集部：- 損切りをためらわない判断はトレーニングで身につきますか？
平井氏：- 自分のキャパシティーを超えると、みんな損が切れなくなります。スキャルパーの世界でいうと、例えば、2pipsを超えたら切れなくなることも、実際にあります。だから、その”キャパ”を超える前に、切らなきゃいけない。「自分の許容できる損切りラインを超えたら、自分は切れなくなる」ということを知った上で、行動すればいいと思います。どういう場合に自分は切れなくなるタイプの人間なのか。それも分析すべきです。
編集部：- 損切りすると証拠金が減ります。証拠金を積み増しするか、さらに高レバレッジで運用しないと、損した分は取り戻せないですよね。
平井氏：- ドローダウンしてしまうと、取り返すのは大変です。ロットを下げると、取り返すのには倍の時間がかかる。だからこそ、下げるのも苦痛だったりするのですが、今の相場に自分のトレードが合わないんだから、調子が悪い時、ロットは下げなきゃいけません。ロットを下げると、夢が遠ざかる気がするんですが、ロットを下げる方が近道です。ドローダウン時のロットは、頑張って下げて下さい。倍のロットにしても、また負ける可能性もあります。やっぱり、下げたロットで倍の時間かけて、損は取り戻すしかないと思いますね。無理して取り返しにいくのではなく、ゆっくりと焦らずに取り返せばいい。
（画面左はリモート取材に答える平井さん）
YouTubeは頑張る人に向けての学びの場
編集部：- ところで、FXのノウハウをYouTubeで発信しようと思った理由はなんですか？
平井氏：- 僕は、FXでめっちゃ頑張った人は勝っていいと思っています。そういう意味で、頑張る場所を用意しなきゃいけないなと思っていたんです。自分が当時、学べる場所がなくて苦労したのもあります。結果的に、みんなの幸せにつながると思いながらYouTubeを始めました。
編集部：- 動画に顔出しで登場し、ときにはご家族も画面に登場されますが、不特定多数の人たちに、個人的な情報を知られる怖さはありませんか？
平井氏：- 確かにリスクは大きいです。ただ、投資と同じで、リスクとリターンはトレードオフです。私の顔、実名、家族の様子が、見ず知らずの人たちに広く知られるというリスクを取ったので、きっとリターンがあると信じています。
インスタのストーリーズは必見
編集部：- YouTube動画はどのように利用して欲しいと思っていますか？
平井氏：- 頑張っている人たちを応援したいという前提なので、努力しないと動画の答えがわからないようになっています。ただ、ヒントはたくさん詰め込んでいるつもりなので、視聴者の人たちには、そこを是非、感じ取ってほしいです。YouTubeだけでなく、インスタグラムも本気でやっているので、是非見て欲しいです。「ストーリーズ」は24時間で投稿が消えてしまうので、そこではもっと”直球”で話をしています。
編集部：- どんな反応がありますか。
平井氏：- 真面目なひとたちが多いですね。「このままじゃいけない。何かしなきゃ」という熱い思いをぶつけてきてくれるんで、私も心が動かされます。いっぱい情報を無料で出しています。チャンネル登録者も有難いことに3000人超えになりました。
オンラインサロンのメンバーが集まる場を計画中
編集部：- FXトレーダーのための図書館と本屋を作られているそうですね？
平井氏：- 「ノーダウトフィルムスタジオ」っていうオフラインの場を作ろうとしています。会社の自社ビルで、そのワンフロアを開放するというものです。名前の通り、「嘘」や「偽り」のない場を作りたい。みんなで学べる場を作りたい、という想いです。
編集部：- FX関連の書籍があったり、FXを誰でも学べるような場所になるんでしょうか？
平井氏：- 将来的にはオンラインサロン等をやるかもしれないので、そういう仲間が無料で使えるような施設にしたいと考えています。私も定期的に参加して、メンバーと交流しながら、さらにFXが学べる場所にできないかなとまだ模索中です。
5年後もFXをやっていることが目標
編集部：- 最後に初心者に向けてメッセージをお願いします。
平井氏：- FXではファクターを絞ることです。それが一番です。全部を見るとわからないことでも、「この条件だけ」と絞って見ると、自分なりの答えが見えてくるものです。そして、「順張り」でも「逆張り」でも、それだけをやり続けてみる。ひとつだけでいいんです。武士が1本の刀を一生磨き続けるように、次のステップを踏むよりも、新しいトレード手法を覚えるよりも、唯一の技を磨いてください。初心者には有効な手段だと思っています。
編集部：- なんだか武道みたいです。
平井氏：- FXは利益を得ることを目標にやるわけですから、やっぱり結果が伴わなければなりません。莫大なお金と時間を費やすわけですから。FXは短距離走ではなく長距離走です。適度な緊張感もって、長期に渡って楽しみながら、ファクターを絞ってひとつの答えを探していきましょう。数年後にはきっと今まで見えなかったものが、絶対に見えてくると思います。
編集部：- それでは5年後、平井さんは何をしていると思いますか？
平井氏：- 「FXは利益が出ている限り止められない面白いゲーム」って私は思っています。だから、ずっと継続していきたいと考えています。5年後もFXをやり続けていることが、今の私の目標ですね。
編集部：- 貴重なお話をお伺いする機会をいただき、どうもありがとうございました。
PickUp編集部より
FXが大好きという思いが、会話の中からあふれだしていた平井さん。子どもころから音楽が好きで、一生懸命にギター演奏に打ち込んだ経験があったからこそ、「好きこそものの上手なれ」という言葉の意味を、身を持って理解することができたのでしょう。FX YouTuberとして今後一層の活躍を期待しています。
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【前編】
【トップトレーダーに聞く！インタビュー記事まとめ】
