“泡沫(うたかた)の円安修正。”

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先週のレポートで、主要通貨の週足チャートを分析した結果“円安トレンドに変化の兆し?” と大仰なタイトルで自論を述べたが、その円安修正の動きは泡沫(うたかた)で終わった。

週央の24日(水)迄は円高が進んだが、ドル・円の108円台ミドルの底堅さが確認された後クロスでも円安が進んで再び週足チャートはNZドル・円以外は陽線を表すこととなった。

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先々週の久し振りの週足ベースでの陰線転換は結果としてチャート上よく見られる“騙し。”となった。

先週の始値と終値を比較するとすべての主要通貨が対ドルで下落しており(ドルが主要通貨に対して上昇。)、ドル・円の上昇と相まってクロス・ベースでの円安が進んだことになる。

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ドル・円相場は200週移動平均線(昔はこんなもの、気にしたことも無かった。)である109.00近辺を上抜けて、次のターゲットは昨年のコロナ・ショックの後の戻り高値である111.71、そしてこれを超えれば昨年の高値である112.22を目指すと言われているが、残念ながらそれに対して反論出来る材料を持ち合わせない。

敢えて言えば、現在の株高と金利高(債券安)を演出している大規模な財政支出に対しての財源が問われる様になると、必ずや増税の話が出て来るであろうし、そうなると株価と債券に調整が入れば株価は下げ、債券も買い戻される(金利低下)可能性は高い。
結果として米金利高を囃して上げているドルも下げる可能性は高かろう。

とは言え依然としてニューヨーク株式市場の騰勢は変わらず、先週金曜日にはダウとS&P.が最高値を更新した。
時々話題になる膨らみ続けるアメリカの財政赤字と貿易赤字の“双子の赤字”の問題などどこ吹く風である。
(年初からのドル上げを読み切れなかった負け惜しみではないが、この“双子の赤字”問題は何時か必ず大きく取り上げられてドルにとってネガティブになる事を断言しておく。
問題は、それが何時起きるかであるが..)

シカゴ・IMM.は円の売り持ち(ドルの買い持ち)を増やして完璧に相場観を変えたらしい。
そして買い持ちにしていたドルを上手に109円近辺で利食った我が国個人投資家は再びドルの買い持ちを増やした。

どうやらシカゴ・IMM.の投機筋、そして我が国個人投資家の実需筋(?)共に更なるドルの上昇を見越していると見ている様である。

彼らの見通しが正しければドル・円相場は112円を目指すのであろう。

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