「プライスアクション」はローソク足の動きから相場を判断するテクニカル分析です。テクニカル分析のための指標の中でも、最もシンプルなローソク足を理解し、プライスアクションを覚えると、そのほかのテクニカル分析も、よりわかりやすくなります。今回は「プライスアクション」について考えてみましょう。
(※本記事は2021年2月5日掲載「FX初心者はローソク足の分析術『プライスアクション』を覚えよう」を加筆・修正したものです」
目次
▼ローソク足の見方
▼ローソク足で分かること
▼ローソク足でプライスアクションを予測
▼実際のFXチャートをみてみると・・・
ローソク足の見方
プライスアクションで使う「ローソク足」をみると、何が分かるのでしょうか。
ローソク足は「始値」「終値」「高値」「安値」の四本値と呼ばれる4つの数値から成り立っています。
(1)①始値と②終値
1分、10分、1時間など設定した期間内にローソク足が形成されるときに、最初に付けた価格が「始値」です。一方、最後に付けた価格は「終値」です。
(2)③高値と④安値
ひとつのローソク足が形成される期間内で、最も高い価格は「高値」、最も安い価格は「安値」です。
(3)実体
始値と終値の間の部分を「実体」と言います。実体が長いほど「買い」や「売り」の勢いが強いということになります。
(4)陽線と陰線
終値が始値より高いとローソク足は「陽線」になります。
終値が始値より低いとローソク足は「陰線」になります。
(5)上ヒゲと下ヒゲ
高値と陽線の終値(または陰線の始値)の間の細く伸びた部分、安値と陽線の始値(または陰線の終値)の細く伸びた部分を「ヒゲ」と言います。
なお、高値を示しているのを「上ヒゲ」と呼び、安値を示しているのを「下ヒゲ」と呼びます。
ヒゲが長いほど、「買い」や「売り」の勢いがあったものの、強い抵抗にあって押し戻されたことを意味しています。
ローソク足で分かること
例えば、1時間ローソク足が5本連続で陽線を形成したら、5時間連続で高値を更新したということになります。この5時間に「買い注文」を出した投資家は、利益が獲得できます。
ところが、次の1時間足が陰線となり、それまでの5本分の安値を1本の陰線で更新したとします。
これは、5時間かけてゆっくり上がった価格が、わずか1時間で、一気に下がってしまったということです。
このようにローソク足は、時間経過と価格動向が見やすくチャート化されています。だから、今の価格が高いのか、それとも安いのか、一定期間にどのような値動きをしたのか、FX初心者でも一目で相場の詳細な情報を入手することができます。
ローソク足でプライスアクションを予測
ローソク足の見方を覚えたところで、今度は「プライスアクション」です。「プライス(価格)アクション(動き)」のパターンから、相場状況を判断し、その後の動き方を予想するのです。
プライスアクションは、大別すると3タイプです。
(1)トレンド継続
(2)転換
(3)もみ合い
各タイプでいくつかパターンはありますが、ここではFX初心者にも見分けやすい基本的な事例を選びました。
(1)「スラスト(推力)」(トレンド継続)
トレンド継続のプライスアクションの基本は「スラスト」です。
・スラストアップ
前期間の高値を更新して終値を形成(ローソク足で陽線)
・スラストダウン
前期間の安値を更新して終値を形成(ローソク足で 陰線)
それぞれ、「上昇トレンド」「下降トレンド」の継続が予想されるプライスアクションです。
長期間、もしくは大きく価格が動くときほど、このような「スラスト」が何度もチャートに現れます。FX初心者が基本とすべき「順張り(トレンドフォロー)」でトレードするときの判断基準となります。
(2)「リバーサル」(転換)
トレンド転換のプライスアクションは「リバーサル」が基本です。
・リバーサルロー
・リバーサルハイ
前期間の高値を更新したものの、結局、前期間の実体を下回ってローソク足を形成。
(3)「インサイド」(もみ合い)
「もみ合い」とは、いわゆるレンジ相場のことです。トレンドは発生しておらず、売りと買いのバランスが取れている状態です。
もみ合いの代表的なプライスアクションは、1本のローソク足の中に、次のローソク足が形成される「インサイド」です。
「インサイド」はトレンドが収束し、「もみ合い」状態になったことを示しています。そういう場合は無理に利益を得ようとせずに、次のトレンド発生を待つというのが合理的な判断になります。
ただし、インサイドには値動きのエネルギーが溜め込まれていて、サポートライン、レジスタンスライン付近で発生した「インサイド」は、ブレイクの予兆という見方もできます。「どこでインサイドが発生しているか」をしっかりと見極めて、売買のシグナルを見逃さないようにしましょう。
実際のFXチャートをみてみると・・・
さて、今回はFX初心者向けでもわかりやすいプライスアクションを3つ解説してみました。最後に実際のドル/円日足チャート(202年4月〜9月末)で、実際にこれらのプライスアクションが起きているのかどうかをみてみましょう。
ここでも「スラストダウン」で下降トレンドが継続したり、「リバーサルハイ」でトレンドが転換したり、先に説明したプライスアクションが確認できます。ぜひご自身でも今回説明した3つのプライスアクションを、自分が売買している通貨ペアのチャートから探してみてください。
マネ育Pickup編集部