総括
外需 VS 内需で揺れる レアルに連れ安も
予想レンジ 5.0-5.5
(ポイント)
*昨日1月20日はブラジルレアル安(金利上昇懸念とコロナ懸念で)と原油安でペソ下落
*バイデン新政権で移民規制が緩和される
*1月29日に4Q・GDPが発表される(予想は前年比6.5%減少)
*外部要因が強い(貿易、被仕向送金、原油高など)
*対米貿易依存度が頗る高い
*消費者物価、鉱工業生産が弱い
*新型コロナウィルス変異種を発見
*茂木外務大臣がTPP拡大でメキシコ訪問
*経常収支は3Qに史上最大に
*原油高もメキシコに恩恵
*国内要因は弱い
*コロナウィルスでの致死率は世界一
*20年国内新車販売は大きく減少
*12月CPIは3.15%に低下
*フィッチは格付け据え置き
(バイデン新政権に期待、外需強し、内需弱し)
*昨日1月20日はブラジルレアル安(金利上昇懸念とコロナ懸念で)と原油安でペソ下落
バイデン米新政権の経済政策に期待するところは大きい。メキシコは米国に年間約3500億ドルの輸出を行い、貿易黒字は1000億ドル以上ある。在米国のメキシコ人労働者からの2020年の送金は史上最高で400億ドルに近い。20年3Qの経常黒字は史上最大で、貿易黒字も6か月続いている。原油が50ドルを超えていることは産油国のメキシコにとってメリットが大きい。一方国内は不安だ。コロナウィルスによる致死率は世界一で、死者数も米国、ブラジル、インドに次いで多い。国内の経済指標も力強さがない。 12月消費者物価指数は、前年比3.15%の上昇。7カ月ぶりの低い水準、11月の鉱工業生産指数は、前月比1.1%上昇と、20年6月の回復入り以来最悪の数字となった。20年の国内自動車販売台数は前年比28.0%減の94万9121台となった。国内要因は弱くとも、外部要因が強ければペソ買いが持続する。
(トランプ政権の移民規制、バイデン氏が撤廃に着手)
バイデン大統領は、米国に居住する多数の不法移民に市民権獲得への道を開く法案を議会に送付した。また、国土安全保障省と司法長官に対し、幼少期に親と米国に不法入国した若者「ドリーマー」の強制送還を猶予する「DACA」プログラムの有効性を確保するよう指示する覚書に署名。米国内に居住している不法移民の取り締まり強化を求めたトランプ氏の大統領令も撤回した。
就任初日の一連の措置によって、バイデン氏は移民問題を重視する姿勢を鮮明にした。トランプ氏は不法移民対策を目玉政策に据え、今月も退任を目前にしてメキシコ国境沿いの壁を視察した。全米商工会議所の幹部、マイロン・ブリリアント氏は入国制限は「米国の価値観と整合的でなかった」とし、撤回は「国際ステージでの米国への信頼回復」につながると述べて歓迎の意を示した。
(中南米経済、コロナ禍でほぼ下振れリスク)
フィッチは、今年の中南米地域の経済は昨年の景気後退から回復するものの、新型コロナ禍の影響で見通しのリスクとしてはほぼ下振れ方向に傾いていると指摘した。
コロナ対策で歳出拡大を求める国民の圧力が強まる一方、経済成長の減速の恐れで、財政赤字と債務をより持続可能な方向に縮小させていく政府の取り組みが妨げられるとも警告した。注目材料は中南米地域が感染第2波をいかに乗り切るか、ワクチンの配布ペースや接種人数、全般に貧弱な公衆衛生システムになると指摘。
景気回復要因としては中国の成長回復や世界的なコモディティー価格の上昇などを挙げた。中南米各国のソブリン格付け見通しは半分超が「ネガティブ」で、この比率は世界の他地域よりも高いとした。中南米で見通しが「ポジティブ」の国はないという。
(アウディ、メキシコ工場で生産調整 世界的な半導体不足で)
独アウディは、メキシコ中部プエブラ州サンホセチアパの工場で一時的に生産シフトを縮小せざるを得なくなったと発表した。新型コロナウイルス感染流行に伴う世界的な半導体不足が原因とした。
アウディのメキシコ法人は、「世界的な半導体不足から、自動車業界では生産縮小の動きが生じている。これを受け、アウディ・メキシコ法人は生産調整を行う」との声明を発表した。
テクニカル分析
ボリバン2σ上限から反落
日足、ボリバン上限から何度も反落も、またもや上限(2σ)へトライして反落。ボリバン中位へ。1月5日-11日の上昇ラインがサポート。1月19日-20日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。雲の上。
週足、陽線続くが上昇幅は小さい。12月7日週-1月11日週の下降ラインを上抜く。1月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。雲の上。
月足、21年は上昇スタート。20年2月-12月の下降ラインが上値抵抗であったが上抜く。9月-10月の上昇ラインがサポート。ボリバン中位。雲の下。
年足。16年-19年の上昇ラインが上値抵抗。20年の下ヒゲは長く21年は上昇スタート。
VAMOS MEXICO
メキシコ検察、前国防相を訴追せず 麻薬取引関与の疑惑
メキシコ検察は、シエンフエゴス前国防相が麻薬組織とのかかわりを疑われた事件で、訴追しないと発表した。公表した声明で「犯罪組織との接触は確認できなかった」と説明した。ロペスオブラドール大統領は、「検察の判断を政府としても支持する」と述べた。
メキシコでは麻薬組織の影響力が強く、政府や司法にも浸透しているとされる。米国からメキシコに移送された際には、不処罰になる可能性を指摘する声も出ていた。ロペスオブラドール氏は汚職撲滅を重要施策に掲げているが、国民の反発が強まる可能性もある。
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