総括
通貨3位、株価2位、人民元が円を抜く、明日から上海再開
予想レンジ 人民元/円 15.3-16.3
（ポイント）
＊人民元が円を抜き、年初来ではスイス、ユーロに次ぐ3位
＊経済指標は相変わらず強い
＊3Q・GDPは5.2％成長の予想
＊明日から上海再開
＊双循環がキーワード
＊9月製造業PMIも改善 経済指標は強い
＊混沌とした米大統領選挙は中国に有利
＊中国はグーグルを調査
＊5中総会は10月26日から
＊バイデン氏は経済関係のリセットを目指す
＊トランプ米大統領は、「ティックトック」の事業再編交渉に関し、オラクルとの提携案を承認する考えを示した。
＊中国国債は90％の確率でWGBIに採用される見込み
＊米中GDPの逆転も近いか
＊テスラの中国販売は好調
＊香港国家安全法は53か国が支持、27か国が懸念
＊2022年は米中国交回復50年
＊2021年は共産党建党100年
＊20年は3％成長の公算
＊今年は「第13次5カ年計画」の最終年
＊米国は中国の為替操作国の認定解除
＊中国GDPが100兆元へ近づく
（市況）
中国が休んでいるうちに米国は激変している。香港市場は9月5日から再開も、上海市場は8日まで休場。ただその間も経済指標は良かった。人民元も対円、対ドルで上昇している。
宿敵トランプ大統領が新コロナウィルスに感染し、習国家主席は「トランプ大統領とメラニア夫人が新型コロナウイルスに感染したことを知りました。妻とともにお見舞い申し上げます。１日も早く回復されることを祈ります」との電報を送った。
（人民元が円を抜く）
10月7日のNY終値は対円15.72であり年初来0.77％上昇となった。対ドルでは6.7417で既にドルを抜き去り年初来3.2％高である。
（休暇明けの香港は株価が上昇）
いち早く10月5日に再開した香港ハンセン指数は6日、7日で2％高となり明日再開する上海市場も期待される。
（9月外貨準備、3.143兆ドルに減少）
9月の外貨準備が3兆1430億ドルとなり、前月の3兆1650億ドルから減少した。
一方、中国の株式・債券への海外からの資金流入も堅調となっており、資本流出を抑えている。
（アジアの有力機関投資家らがアントに投資）
シンガポール政府の投資公社GICとテマセクは中国のアント・グループが予定している大型の新規株式公開（IPO）に10億ドル余りを投じる計画だ。
また中国の全国社会保障基金理事会は上海でのIPOでアント株を取得する方針だという。アリババグループ傘下のアントは上海と香港のIPOで合わせて最大350億ドルを集める可能性がある。
（3QGDPは5.2％増か）
日経と日経QUICKニュースがまとめた中国エコノミスト調査によると、中国の7～9月の実質国内総生産（GDP）は予想平均値で前年同期比5.2%増となりそうだ。政策主導の回復で4～6月の3.2%成長から加速を見込む。利下げ局面が終了したとの見方もある。
世界的には金融緩和が続く。利下げ打ち止めなら人民元の上昇圧力になるとの見方が多い。
11月の米大統領選挙について、「バイデン前副大統領が勝利すれば追加関税の一部を取り消す可能性があり、中国の輸出に追い風になる」との見方がある。
現在の5カ年計画（16～20年）では年平均6.5％以上の成長率目標を掲げた。エコノミストの新たな予想は、21～25年は5.5％、35年までの長期は4.5％。今回は成長率目標を明示しないとの見方もある。
テクニカル分析（人民元/円）
年足陽転、日足、週足がボリバン上限越え
日足。一時ボリバン上限越え。10月5日-7日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足。9月14日週-21日週の下降ラインを上抜いて上昇。ボリバン上限越え、雲の上。9月21日週-28日週の上昇ラインがサポート。
月足、6月-7月の下降ラインを上抜く。7月-8月の上昇ラインがサポート。ボリバン中位越え。18年6月-19年4月の下降ラインが上値抵抗。
年足、11年-19年の上昇ラインを下抜くも上抜き返す。18年-19年の下降ラインが上値抵抗。
チーファンラマ
双循環
米国が中国を完全にデカップリングすること米国が経済利益を逸することになるが、中国も内需拡大や米国以外との外交深耕で対応している。「双循環」は習近平指導部が今夏から頻繁に言及するようになり、経済政策のキーワードとされる。「内需を増やし外需への依存を減らす」という意味だ。新型コロナウイルスや米国との対立など、外部環境が不透明になっているためだ。
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