“テレビ口論会。”

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日本時間10月1日の午前中に行われた大統領候補の共和党現職トランプ大統領と民主党元バイデン副大統領のテレビ討論を見たが、酷いものだった。
あれはテレビ討論と言うよりはテレビ口論だった。

お互いの持ち時間2分の間に自分の意見を述べようという事前の取り決めは何のその、トランプ大統領は約1時間半の討論会の間に70回以上もバイデン候補が話している間に口を挟んで発言を妨害した。
バイデン候補は事前の“トランプ大統領の挑発に乗って、かっとなって何か失言をするのではないか?”との危惧にも拘わらずよく耐えていたという印象を受けたが、それでも最高裁判事の数を増やすことに賛成かとの司会者の質問にバイデン候補が口よどんでいる事に対してトランプ大統領がヤジを入れると、思わず“Will you shut up, Man !”と暴言を吐いた。
Shut up.は大変強い言葉で、これを直訳すれば“お前、いいから黙ってろ!”くらいのニュアンスで、幾ら政敵とは言え現職大統領に対して吐く言葉ではない。
まあ、よっぽど度重なるヤジに腹に据えかねたと言う事か?

討論会が終わった後の個人的な印象は“トランプ大統領、やっちまったな..”である。
あの態度では熱狂的なトランプ・ファン以外はトランプ大統領に対して嫌気をさす人が多かったのではなかろうか?
案の定、世論調査による支持率でバイデン候補に肉薄していたトランプ支持率は51%対41%と再び10ポイント差に広がったらしい。

選挙は水物と言い、あれだけ有利と言われていたクリントン候補が2016年の大統領選挙では負けた。
今回どちらが勝つかは未だ五分五分と言われているが、何だかバイデン候補が勝ってトランプ再選を阻むのではないかと言う気がしてならない。
それと今回改選が行われる上院でも民主党が過半数を取る可能性が出て来た。

もしそうなり、バイデン候補が勝てば民主党の大統領が誕生し、上下院共民主党が過半数を取る事に成り民主党一色となる。

現在の上院は共和党、下院は民主党が過半数を占めるねじれが解消して政権運営は容易くなるのであろう。

バイデン新大統領が誕生すると増税と規制強化で株価は暴落するという意見が多かったが、どうやらウォール・ストリートは民主党による財政支出拡大を期待して、バイデン勝利は株価にとってはそんなにネガティブではないと言う意見も出だした。

トランプ勝利=大きな変化無し。
バイデン勝利=金融市場の混乱と株価暴落。
と言う以前に描いていたシナリオは少し書き直す必要が有るかも知れない。
思い起こせば、2016年の大統領選挙の前は、
クリントン勝利=大きな変化無し。
トランプ勝利=金融市場の混乱と株価暴落。
と言う意見が圧倒的であった。
そして結果はトランプが大統領となり、株価は急上昇した。
中々市場の思惑通りには行かないことを痛感した。

話は違うが金曜日の午後にトランプ大統領に新型コロナ・ウィルスの陽性反応が出たと言うニュースが流れてダウ先物が下げて、一時ドル・円相場も105円を切った。
その後容態は安定しているとの報が出て株価、ドル・円相場共に値を戻したが一時はひやっとした。

ドル・円に関してはやはり105円以下の滞空時間は短いなと言う印象を強くした出来事ではあったが..


今週は共和党現職のペンス副大統領と民主党ハリス候補とのテレビ討論が7日に開催される。
先週の様な口論会に成るとは思えないが、弁舌爽やかなハリス候補がペンス副大統領に鋭い質問を浴びせかけることが期待される。
先週のトランプ攻撃、バイデン受け身の逆のハリス攻撃、ペンス受け身の討論が行われると面白くなりそうだ。

トランプ大統領の新型コロナ・ウィルスの陽性反応騒動で15日の2回目、22日の3回目のトランプvs.バイデンのテレビ討論会の開催が危ぶまれる中、副大統領候補の対決も非常に注目される。


ヘッドライン・ニュースに振り回される状況が続くが、104.50~106.50のコア・レンジを破るのはそう容易くは無さそうである。
先週と同じく高い処での突っ込み買い、安い処での突っ込み売りを慎みたい。

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