先週初、菅新政権が発足し、組閣も終わった。
ご祝儀の株買いも無く、東京株式市場は極めて冷静に対処したが、為替市場では週末に向けて欧州、米国共に株安の動きとなり、リスク・オフが進んでドル高&円高の結果、ドル・円は円高が勝って東京市場が4連休で参加者数が少ない中、今週月曜日には安値104.01を示現した。
菅新政権にとってはいきなり円高の洗礼となったが、この間その他主要通貨が対ドルで大きく下げておりクロス・ベースでの円高がより顕著な動きとなった。
菅さんは円高が殊の外お嫌いで、ドル・円相場が105円を切る様な事が有れば今まで何回か行ってきた、財務省、金融庁、そして日銀を集めた三者会合なるものを開いて円高けん制を行うかとも思ったが、連休中ではそれもままならない。
ましてや、今回の円高は対ドルだけではないのが少し厄介だ。
今回の104円丁度近くまでの円高の動きに対して、“リスク・オフが進んだから。”と言う以外の理由を中々見付けることが出来ない。
先週のFOMC.、日銀政策決定会合を大きな波乱なくこなした市場は方向感に欠けていたきらいはあるが、流動性が落ちる東京市場の4連休の狭間を狙った投機筋の動きに翻弄された感がしないでもない。
結局は104円の大台を割ることなく105円台を回復したドル・円であるが、依然として混とんとした米大統領選挙の行方、米中問題、欧米での新型コロナウイルス感染第2波への警戒感、共和党と民主党による新型コロナ景気対策法案の協議難航、“フィンセン文書”を巡る欧米金融機関のマネーロンダリング(資金洗浄)関与疑惑などの中期的なリスク要因を見ると、おいそれとはドル・円を買い向かう訳には行かない。
今日は4連休明けで輸入決済も高く、105円ミドルくらいまでのドルの戻しを期待したがドルの頭は重い。
先週はご祝儀的にドル買いを行って失敗し、今週は逆にテクニカル分析によるドル下落指示や上のリスク要因に鑑みてドルを売ってみたい衝動に駆られるが、此処はぐっと我慢して売るなら105円台のHigh.、買うなら104円台のLow.まで相場が動くのを待った方が良さそうだ。