

- あ~、ドル/円けっこう下がっちゃったんだぶー
損切りどうしようぶー・・・ 
- お困りのようですね

- 誰ぶー?

- 損切り博士のドクター・ソンギリーです
損切りのことならおまかせください 
- 偉いようでそうでもない名前だぶー

- さて、キミは損切りがどんなものか知っていますか?

- そんなの含み損が出たときにしぶしぶ決済することに決まってるぶー

- ほう、ではどこまで損が出たら決済しますか?

- まず朝起きて、損失が出ているのを見てギャッとなるでしょ
で、すこし待っても戻らなかったら「やっぱりダメか~」とため息をついて決済するぶー 
- なるほど、感覚で損切りをしているのですね

- で、でも直感は大事だってジョブズも言ってるぶー

- いえ、直感は否定しません
そうですね・・・たとえばあるお店でポテチを買うとします 
- ポテチ大好きだぶー!

- そのお店の商品には値札がついていません
で、お金が足らないと店主がブチ切れたあげくに全額没収
反対に多く出しすぎてもお釣りはビタ一文返してくれません 
- ひどいお店だぶー

- このときキミはいくら出しますか?
1000円? それとも10円? 
- まさかだぶー
ポテチはコンビニでも150円くらいだから、160円も出しておけば怒られずに買えるぶー 
- ふむ
でもキミが言う感覚に従うと、機嫌がいいから1000円出したり、店主の態度が気に入らないから10円しか出さないということになりますよ? 
- あ!

- わかってきたようですね
そう、感覚的に損切りするのはポテチの値段を知らずに買ってしまうことと同じなのです 
- それはこわいぶー

- ときに感覚や直感が大事なこともありますが、その大前提として「適切な損切り」というものを知っておく必要があるのです
損切りの代表的な決め方

- わかったけど、損切りに適切なんてあるのかぶー?

- あるんです! そのための損切りの決め方がコレです


- 損切りの決め方?
いろいろあるけど、こんなに必要かぶー 
- 必要です!

- うわっ、いきなり顔を近づけないでほしいぶー!

- 損切りの考え方にはいろいろありますが、自分のスタイルに合った考え方で損切りをする必要があるのです
ひとつひとつ見ていきましょう
損切りを値幅で決める

- まずは一番オーソドックスな考え方、「値幅で決める」です

- 値幅ってなんだぶー?

- 値幅というのは、新規で買ったり売ったりした値段からの差額です
図でいうとこんな感じです


- この例では買ったときのレートから50銭下がったところで損切りしています

- この値幅はどうやって決めればいいぶー?

- いろいろありますが代表的なものはコレです


- 定番は直近の安値や節目をしっかり下回ったのを確認して損切りするパターンですね

- なんでそこで損切りするんだぶ?

- 直近の安値・節目は心理的な買い場となったり、見切り売りの思惑が渦巻く相場の重要な交差点です
なので、この付近をメドにして損切りを判断することが定番となっているのです 
- なるほどぶー
どこで損切りするか考えやすくなるぶー 
- ほかにも注文したときの値段からたとえば5%下回ったら損切りをするという方法もあります

- 初めからどこで損切りするか決めておくってことかぶ?

- そういうことですね
もちろん通貨ペアや取引スタイルによってパーセンテージは異なってきますが・・・ 
- が?

- 定めたルールは必ず守ること!

- だから顔が近いぶー!

- 失礼、いちばん大事なことなのでつい興奮してしまいました

- もう、とりあえずルール大事なのはよくわかったぶー
損切りを損失額で決める

- 次は損失額で決める考え方です
さきほどのようにレートではなく、自分の資金から「今いくら損失額が出ているか」をみて損切りをします


- ぼくはいつもこのやり方だぶー

- たしかにリアルな金額をダイレクトに見て判断するのでわかりやすさはNo.1ですね

- そうそう、とってもわかりやすいんだぶー

- しかし!この考え方にはすこし問題があります

- ええ~、どこが問題だぶー?

- キミはさっき自分の損失額を見てどう思いましたか?

- もうドキドキして手にイヤな汗がにじんだぶー

- 「この損失額でポテチ何個も買えたのに・・・ちょっと戻ってくれないかなあ」
なーんて思いませんでしたか? 
- (ギクッ)

- 図星のようですね
リアルな損失金額を見ると、そのように感情が先立って正常な判断ができなくなってしまう・・・
すると損切りが遅れたり、逆に早すぎたりと適正な損切りができなくなってしまうことがあるのです 
- たしかに焦るとどうしていいかわからなくなるぶー

- FXトレードは冷静、冷徹さが求められる頭脳ゲームです
正確な判断をするにはリアルな生活感から距離を置いて、できるだけノイズをなくす必要があるのです 
- わかったぶー
いったんポテチは忘れるぶー 
- ポテチは忘れなくてもいいのですが・・・
損切りをテクニカルで決める

- テクニカルで決める!ってなんかカッコイイぶー

- これはテクニカル分析を利用して損切りの水準を決めるという方法です
使うテクニカルは移動平均線やトレンドラインが多く見られますね


- これをどうやって損切りに使うんだぶー

- 基本的にはラインを下回ったり上回ったりしたら損切りを検討します
移動平均線の場合はこんな感じです


- この「しっかり下回る」ってどういうことかぶー?

- チャートは移動平均線をすこし下回ってもすぐ戻すことがよくあります
なので確実に下回ってきたことを確認してから損切りを検討する必要があるのです 
- たしかに損切りしたあとですぐ戻ったらくやしいぶー

- でしょ?
なので移動平均線を参考にはするけど、実際の損切りはよく見極めないといけないのです 
- なるほどだぶ
それでトレンドラインはどう使うんだぶー 
- トレンドラインも基本的な考え方は同じです


- コレも「しっかり下回ってから」なんだぶー

- そうです
ただ、トレンドラインは引き方が適切でないと判断を誤る可能性もあるので注意です
レポートなども参考にして安値と安値、高値と高値をしっかり結んでください 
- でも・・・テクニカルを使う意味はあるんだぶ?
さっきの値幅で決めるやつでいいと思うんだけど 
- もちろんです!

- 博士、アゴがツンツン当たって痛いぶー!

- テクニカルの良いところは感覚に頼らず機械的に判断できるところです
さっきの値幅で判断するのもいいのですが、どうしても値段にとらわれたり決心がにぶったりすることがあるのです 
- たしかに決心がにぶってばかりだぶー

- そういう人はこういったテクニカルも判断材料に加えるといいのですよ
結局なにを使えばいいの?

- 今までなんとなくやっていた損切りがちょっとわかってきたぶー
ドクター・ギリギリーのおかげだぶー 
- ドクター・ソンギリーです

- で、博士のおすすめはどれだぶー?

- どれかひとつ、というよりも通貨ペアやチャートの形、取引スタイルなどに合わせて組み合わせて考えるのが大事なのですよ

- 組み合わせるってなんか複雑そうだぶー

- そんなことはありませんよ
たとえばこんな感じです


- このように直近の安値をみながら移動平均線も参照して、下抜けのポイントなどを探っていくわけです
慣れれば自然に目がいくようになりますよ 
- トレンドラインは慣れていないから、まず移動平均線と組み合わせてみるぶー
さっそくチャレンジだぶー 
- ちょっと待ったー!

- わーっ、今度はなんだぶー!

- キミは損切りの注文方法についてどのくらい知っていますか?

- そんなの、フツーに決済すればいいんだぶ

- それでもいいのですが、損切り注文の方法にもいろいろあるのを知っておいてほしいのです

- えー、必要ないぶー

- そうですかねえ・・・
キミは朝起きて損失が出たことを知ったようですが、損切りの予約注文をしておけば損失を低く抑えられていたはずではないですか? 
- ぶぶ・・・た、たしかに
それを言われると弱いぶー 
- というわけで、次は「適切な損切りに便利な注文方法」を紹介しましょう
