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最弱通貨へ。黒海の夢、地中海は緊張。問題山積

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総括

最弱通貨へ。黒海の夢、地中海は緊張。問題山積

(通貨最下位、株価10位)

予想レンジ トルコリラ/円 14.0-15.0

(ポイント)
*8月はリラ、株価とも最弱となった
*リラは年初来でも最弱通貨へ
*実質マイナス金利でも中銀は政策金利を引き上げない
*黒海で油田発見
*東地中海ではギリシャと海底の天然ガス資源をめぐり対立
*2Q・GDPは前年比9.9%減で、約10年ぶりの縮小
*株価指数がプラス圏グループから脱落
*政府と民間の成長予想に差異
*貿易赤字が続く
*外貨預金の準備率を引き上げ
*外貨準備は減少
*リラ売り銀行の取引停止、外貨購入税の引き上げ、輸入関税でリラ安阻止
*VWは工場建設をコロナ感染で延期
*長期金利は14%台へ上昇
*カタールの枠増加に続きに続き中国ともスワップ協定締結
*非居住者との間の為替スワップを制限

(市況、外準減少、黒海油田、ギリシャと対立、金融政策不信)
外貨準備の減少が大きく報道され14.21まで下落し、財務相や中銀がリラ安牽制やリラ売りを抑制する規制を打ち出し下げ止まりはしたが上昇はしない。エルドアン大統領は黒海で埋蔵量3200億立方メートルに上る同国史上最大規模の天然ガス田を発見したと発表したが、実現性への疑いもある。一方東地中海ではギリシャとの緊張が続いている。東地中海の海底の天然ガス資源をめぐり、北大西洋条約機構(NATO)加盟国同士のトルコとギリシャが対立を深め、それぞれ海上での軍事演習に踏み切るなど緊張が高まっている。先週、トルコとギリシャを訪れたマース独外相が「小さな事件をきっかけに破滅的な衝突が起きかねない」と述べていて、両国の対立の中、偶発的な衝突が起きないか懸念が出ている。
経済面では経常赤字、実質マイナス金利、外貨準備減少などの問題がある。財務大臣は「為替レートは上がったり下がったりする。重要なのはボラティリティーを制御することにある」と、リラ押上げには意欲を見せなかったこともリラ売り要因となった。
 
(2Q・GDPは前年比9.9%減で、約10年ぶりの縮小)
2Q・GDPは前年比9.9%減で、約10年ぶりの縮小となった。
予想の11.8%減ほどの落ち込みにはならなかったものの、2009年の4.7%減以来のマイナス成長となった。前期比でも11.0%減と歴史的なマイナスとなった。
トルコは5%を超える成長を続けていたが、2018年の通貨危機で暗転、今年は新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われ、リラが再び最安値を更新している。今年はマイナス成長が予想されている。
新型コロナウイルスの影響でほとんどの主要セクターが落ち込んだ。足元で製造業などには景気回復の兆しがみえるが、外貨収入源の観光業は不振が続いており、経常収支の悪化が懸念されている。
アルバイラク財務相は今年はマイナス2%-プラス1%の成長を予想、GDP統計は他国に比べれば良い内容だとし、政府は2021年にかけてコロナ禍の影響を払拭する決意だと述べた。
中銀は2019年半ばから積極的に利下げしてきたが、ここ数カ月はリラが最安値を付ける中、政策金利を維持している。

(実質マイナス金利でも利上げせず)
中銀は8月20日の政策決定会合で、主要政策金利の1週間物レポレートを8.25%に据え置くことを決定した。据え置きは予想通り。通貨リラの下落が続いているが、中銀は利上げではなく一段の補完的な手段で対応していくとみられる。トルコのインフレ率は11.76%。政策金利はこれを大幅に下回っている。利上げしない限り市場の金融政策への不信感は拭えない。

(8月はリラ安株安となった)
8月のリラは対円で5.26%安、年初来では21.01%となり、メキシコペソと南アランドに抜かれ年初来最弱通貨となった
トルコ株価(イスタンブール100)は8月に4.29%下落(8月では最弱市場)、年初来では5.74%となり、主要市場では7月の5位から10位へ下落した

(コロナ感染はまだ深刻)
8月31日の政府発表では新型コロナウイルスの新規感染者は1587人。44人が死亡した。累計感染者数は27万133人、累計死者は6370人となった。
エルドアン大統領は感染者の急増を受け、全ての政府機関に対し、テレワークやシフト制など「柔軟な勤務体制」の実施を許可した。
また、内務省は首都アンカラを含む14州で、婚約披露パーティーや結婚前夜に花嫁が女友達と独身最後の夜を祝うヘンナイトなど特定のイベントを禁止すると発表している。これらの州では結婚式は最長1時間に制限され、ダンスやパーティーは禁止となる。
 
(格付け見通し引き下げ)
フィッチは8月21日、トルコの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。外貨準備の減少と、金融政策に対する信頼性の弱さが「外国からの資金調達リスクを悪化させている」と指摘した。
トルコの信用格付けは投資適格級から3段階下の「BB-」で据え置かれた。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

下位低迷から抜け出せるか

日足、下げ止まったが上昇もしない状況が続く。8月28日-31日の下降ラインを上抜くか。8月21日-28日の下降ラインが上値抵抗。8月19日-31日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。ボリバン中位は14.46。
週足、ボリバン下限に張り付く。8月10日週-17日週の下降ラインが上値抵抗。
8月10日週-17日週の上昇ラインがサポート。
月足、5月-6月の上昇ラインを下抜く。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限
年足 5年連続陰線、今年は陽転して始まるも陰転。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

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メルハバ

中・高級車を増税、低税率区分は拡大

政府は中・高級車に課税する特別消費税(SCT)を増税した。一方、課税される最低価格を引き上げ、現状の税率で購入できる範囲が拡大した。
自動車市場の大きな部分を占める低税率区分の上限はそれぞれ1万5000リラ(2045ドル)と1万リラ(1360ドル)引き上げられた。一方税率は45%と50%に据え置かれた。
輸入車が中心であるその他の車種については、税率が20-60%ポイント引き上げられた。全車種に対する付加価値税(VAT)は、18%に維持された。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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