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トランプ大統領の攻撃あるも、市場は落ち着いている

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総括

トランプ大統領の攻撃あるも、市場は落ち着いている

予想レンジ 人民元/円 14.8-15.8

(ポイント)
*5月貿易収支は輸入の大幅減少で黒字が拡大
*18日から全人代常務委員会、香港問題を議論
*上海で2000億円の商品券配布
*5月生産者物価は大幅低下
*自動車販売は伸びる
*すべてで対米関係が悪化しているわけでもない(通商関係は前進)
*香港への国家安全法が採択される
*米英加豪は国家安全法を批判
*香港の英銀(発券銀行)は国家安全法を支持
*製造業PMIなど経済指標はまずまず
*中国は国家安全法は内政問題と主張
*今年の成長目標を建てず(全人代)
*対豪関係も悪化
*IMFは中国の回復を示唆
*政府は2Qから経済が正常化するとしている
*今年は「第13次5カ年計画」の最終年
*政府は新型ウィルス感染は2月がピーク、4月に収束とした
*米国は中国の為替操作国の認定解除
*中国GDPが100兆元へ近づく

(トランプ大統領の攻撃あるも、市場は落ち着く)
トランプ大統領のウィルス感染源問題や香港への国家安全法への強い批判の中、人民元や上海株式市場は落ち着いた動き、香港ハンセン指数は先週大幅高となった。中国は先んじてトランプ大統領を批判することなく、制裁などが持ち出された時だけ、カウンターで報復措置をとると言った程度である。一方貿易交渉においては、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、新型コロナウイルスのパンデミックの中でも中国は両国の第1段階貿易合意を履行しており、合意の進展について「非常に良い感触」を得ていると述べた。トランプ大統領も、中国が「香港国家安全法」の制定方針を決定したことを巡り、中国の習近平国家主席に制裁を科すことは検討していないと言明した。

(中国全人代 香港問題が焦点 18日から常務委)
香港への国家安全法制の導入に向けた手続きが進むかどうかが焦点

(中国、相次ぎ消費喚起策)
 上海で2000億円の商品券を配布

(5月貿易収支)
 5月の貿易収支は629.3億ドル黒字と4月の453.4億ドルの黒字より拡大した。輸出が前年同月比3.3%減少したが、輸入は16.7%減少した。輸出は回復しつつあるも、輸入の大幅減少は続いている。国内消費の本格回復はまだ先のようだ。
  
(5月PPI大幅低下)
5月の生産者物価指数(PPI)は、前年比3.7%低下、4年超ぶりの大幅低下となった。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが引き続き、世界の需要を圧迫している。
予想は3.3%低下。4月は3.1%低下。
5月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇した。4月は3.3%上昇、予想は2.7%上昇だった。

(乗用車販売、5月は前年比1.9%増、高級車は28%増)
 5月の乗用車販売台数は、前年同月比1.9%増の161万台だった。高級車の販売台数は28%増加し、業界全体で最も好調だった。個人の購入の伸びは予想を上回り、市場回復の兆しが示された。米テスラの上海工場生産の電気自動車「モデル3」の販売台数は、前月比205%増の1万1065台だった。
インドのタタ・モーターズ傘下のジャガー・ランドローバーの幹部は、今年の中国の高級車の販売台数は去年と同水準あるいはやや増加するとの見通しを示した。

(トランプ大統領、中国主席への制裁「考えていない」)
 トランプ大統領は、中国が「香港国家安全法」の制定方針を決定したことを巡り、中国の習近平国家主席に制裁を科すことは検討していないと言明した。
トランプ大統領は、国家安全法制定方針に対抗するため、香港に対する優遇措置の撤廃手続きを開始するよう政権に指示し、「香港の自由抑圧」に関与していると見なす個人に制裁を科すと表明した。習主席との関係について質問されると「しばらく話していない。関係は非常に良かった」と答えた。
また、1月に両国が結んだ通商合意を称賛した一方で、新型コロナウイルスの世界的大流行に関し、「中国は流行の発生を許すべきではなかった」と述べて対応を改めて批判した。

(米運輸省、中国旅客機の米国発着便を週2往復まで許可に変更、全便停止から緩和)
 米国運輸省は6月16日から施行予定だった中国の航空会社による米国発着便の運航一時停止令を改定した。改定内容は、中国の航空会社による米国発着旅客便を合計週2往復まで許可するもの。
 
(香港ドルが取引バンド上限に)
香港金融管理局(HKMA)は、香港ドルが取引バンドの上限に達したため、42.63億香港ドル相当の香港ドル売りを実施した。香港ドルは1米ドル=7.75-7.85香港ドルにペッグされている。政治的不透明感が高まっているにもかかわらず、香港ドルはここ数週間、バンドの上限に迫る場面が何度か起きている。 

テクニカル分析(人民元/円)

ボリバン上限越えから反落

日足。7日連続陽線後下落。ボリバン内へ戻るというか中位まで下落。6月4日-5日の上昇ラインを下抜く。かろうじて雲上。6月8日-9日の下降ラインは上抜いているが。5日線下向き。
週足。5月18日週-25日週の下降ラインを上抜き雲中へ上昇も今週は反落し雲の下へ。ボリバン下位へ。5月25日週-6月1日週の上昇ラインがサポート。
 月足、20年3月-4月の下降ラインを上抜く。3月-5月の上昇ラインがサポート。まだボリバン下位。
 年足、11年-19年の上昇ラインを下抜くも上抜き返す。18年-19年の下降ラインが上値抵抗。 

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チーファンラマ

香港、米制裁措置でも揺るがず=中国銀保監会

 中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)は、香港の金融市場、および香港ドルの米ドルペッグ制は安定しており、一部の米国の政治家が提案している制裁措置は大きな影響を及ぼさないとの見解を示した。CBIRCは、世界貿易機関(WTO)は香港に個別の関税域を設定しており、国際的な金融ハブとしての香港の地位は揺るがないと述べた。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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