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その動向や見通し、注目材料をコンパクトにお伝えします。
6月10日(水)ドル/円
基調
不安定
目先の注目材料
・6/10 FOMC声明、FOMC経済・金利見通し、パウエルFRB議長会見 ・米長期金利、主要国株価、国際商品価格
FOMC後の乱気流に注意
本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の焦点は、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)やマイナス金利など追加措置へのスタンスと、経済・金利見通しで示されるコロナ禍からの復興に対する見方であろう。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見にも注目が集まっている。
追加措置については、米紙の報道などから、YCCの導入に関する議論が行なわれていると見られる。
マイナス金利についてはパウエルFRB議長が否定的な見解を示している事から主要議題にはならない見込みだ。
もし、YCCが導入されれば長期金利の低下に繋がる公算が大きく、ドルを押し下げる事になろう。
ただ、YCCの導入には対象となる国債の年限や利回りの目標水準などを巡って議論の余地が大きい。
3月に国債の無制限買い入れを決めたばかりのFOMCが、急激にYCCへと舵を切る公算は小さいように思える。
先週5日に一時0.96%前後まで上昇した米10年債利回りは、足元で0.83%前後まで低下しており、YCCの導入を一定程度織り込んでいると考えられる。
このため、仮に導入見送りとなれば金利上昇とともにドルが買い戻されそうだ。
経済・金利見通しではドットチャートで示される政策金利見通しに注目だ。
FF金利先物は、少なくとも2023年前半までは政策金利の据え置きを織り込んだ水準にある。
サプライズがあるとすれば、FOMCが2022年内の利上げ見通しを示した場合であり、こちらもドル高を誘発する公算が大きい。
もっとも、パウエルFRB議長は、FOMC後の会見で「できる事は何でもやる」という超ハト派スタンスを維持する可能性が高い。
もし、今回YCCの導入を見送っても、可能性を閉ざす事はしないと考えられる。こうしたパウエル議長のスタンスはドル安に繋がる可能性があろう。
今回のFOMCは、市場の注目度が高い上に注目ポイントが多い事から、発表内容に一喜一憂する形でドルが乱高下しても不思議ではない。
ドル/円も乱気流に巻き込まれるおそれがあるため注意が必要だろう。
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