いま最もホットな通貨ペアを日々ピックアップ!
その動向や見通し、注目材料をコンパクトにお伝えします。
6月9日(火)ドル/円
基調
下値堅い
目先の注目材料
・米長期金利、主要国株価、国際商品価格 ・6/10 FOMC政策金利、パウエルFRB議長会見
YCC導入観測でドル安進行
ドル/円は昨日のNY市場で急落。
本日の東京市場では、心理的節目の108.00円を割り込み107.80円台まで下落する場面もあった。
前週金曜日には米5月雇用統計を受けて109.85円前後まで上昇していただけに、ロスカットを断続的に巻き込んだ事で下げ足を速めたと推測される。
下落のきっかけは、本日から明日にかけて行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)で、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の導入が議論されるとする米紙の報道だ。
YCCによって長期金利が押し下げられるとの観測からドルが軟化している。
ただ、YCCはFOMCが3月に決めたばかりの無制限買い入れ(QE、量的緩和)とは相容れない部分があるため慎重に見ておく必要があろう。
長期金利に一定の目標を設定してその水準に誘導するよう買い入れ量をコントロールするのがYCCであり、それは買い入れ量に自ずと制限を設ける事になる。
その意味では、長期金利の低下を促すなら無制限QEのほうが適切とも言えそうだ。
FOMCがこうした議論をなおざりにして導入を急ぐ可能性は高くないと考えられる。
今回のFOMCでYCCの導入が見送られれば、ドル/円は再び上昇する事になるだろう。
もっとも、その場合は一時的にせよ株価が崩れるおそれがあるため注意が必要となりそうだ。
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