為替相場を分析する方法には、大きく「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」のふたつがあります。
テクニカル分析とは、過去の値動きの特徴から未来の値動きを分析する方法で、ファンダメンタルズ分析とは、経済状況や政治状況などから値動きを分析する方法です。
どちらが優れているということではありません。
ただ、トレンド形成は、ファンダメンタルズを要因とする部分が大きいことは間違いないと思います。
どうしてもFX初心者はテクニカルに関する知識が不足しています。
経済指標を参考にした「ファンダメンタルズ分析」に基づいて、売買を検討するほうがわかりやすいのではないでしょうか。
そこで今回は、FX初心者がチェックしておきたい経済指標や使い方などについて解説してみましょう。
経済指標とは
経済指標とは、簡単にいうと、各国の政府や中央銀行など、公的な機関が経済状況を数値化して発表するものです。
トレーダーの多くは、為替レートの方向性を判断する根拠として、この経済指標を参考にしています。
特に「金融政策」「雇用」「景気」「物価」「貿易」に関する経済指標が重要視されます。
その中でも、初心者でも比較的理解しやすいのは「政策金利」でしょう。
政策金利が、「引き上げ」「引き下げ」「据置き」のうち、どれに決定されたかに注目します。
「引き上げ」られたら、その国の経済が少し過熱しているということでしょうし、内外の金利差が拡大することから、その国の通貨が高くなることが一般的です。
一方で「引き下げ」はその逆です。
経済状況が低迷しているときに実行され、内外の金利差が縮小することから、その通貨は安くなる傾向にあります。
なお、「据置き」の場合、事前の予想通りであれば、反応することはありませんが、予想に反していた場合、相場が大きく動くケースがあります。
特にマーケットが反応するのは、米国の経済指標でしょう。
米ドルは世界の基軸通貨であり、最も取引量が多く、米国経済は世界一だからです。
FXトレードにおいて、ファンダメンタルズ分析を使うのなら、必ず米国の経済指標はチェックしてください。
FX初心者がチェックすべき重要指標
経済指標はFXトレードにおいて有力な根拠のひとつです。
政府や中央銀行など公的な機関が発表するため、内容が信頼できること、そして、数値化されているため、判断基準になりやすいことがその理由です。
経済指標には多くの種類がありますが。
とりわけ相場を大きく動かすものをチェックしておくといいでしょう。
米国の経済指標は最も大きな影響を与えますが、その他の国でも重要な経済指標にマーケットは反応します。
そこでFX初心者がチェックしておくべき、いくつかの重要指標をご紹介しょう。
米国
・雇用統計
・FOMC政策金利発表
・FOMC議事録公表
・GDP(国内総生産)
・鉱工業生産
・小売売上高
・消費者信頼感指数
・ミシガン大学消費者信頼感指数
日本
・日銀金融政策決定会合
・日銀短観
・GDP(国内総生産)
ユーロ圏
・ECB政策金利発表
・ZEW景況感指数
・IFO景況感指数
経済指標はこう使う
経済指標は、「前回値」「予想値」「結果値」の3視点から判断するのが一般的です。
前回値やその他さまざまな要素から、金融機関やシンクタンクなどから予想値が公表されます。
通常マーケットは、経済指標を織り込みながら発表を迎えることから、予想値と結果値のギャップに反応し、その後のトレンドを形成することが一般的です。
そして、予想値と結果値のギャップが小さいほど、マーケットの反応は小さくなる傾向にあります。
最後に経済指標をどのように使うと良いのかを解説してみましょう。
1)事前準備
まずは重要指標が発表される日時をチェックしておきます。
もし、指標発表時にポジションを持っていると、発表後に激しく動く可能性があるので、大きく逆方向に動いたり、強制ロスカットされたりするリスクがあります。
特に「米国雇用統計」や「FOMC」などの重要指標は、一瞬でスプレッドを広げて、急激に反応することもあるため、事前に決済しておくことも検討しましょう。
指標発表のタイミングは取引をしないというのもひとつの判断です。
2)結果から判断
経済指標の予想値と結果値にギャップがある場合、その後トレンドを形成することがあります。
予想に対して結果がポジティブだった場合は上昇、ネガティブだった場合は下降へとトレンド形成することが多いです。
したがって、結果とその後のトレンド方向が一致する場合は、素直な反応と受け取り、トレンドフォローのエントリーを検討するといいと思います。
逆に、結果とその後のトレンド方向が一致しない場合は、経済指標以外の要因も考えられるため、エントリーは見送ったほうがいいかもしれません。
FX初心者にとって「ファンダメンタルズ分析」を追求することは簡単ではないかもしれません。
しかし、初心者でも必ず実践できるのは「経済指標発表時は取引をせずに待つ」ということです。
これだけでも、大きな動きに翻弄される事態は避けられます。
また、経済指標の発表が素直にトレンド形成に反映されたら、エントリーを検討するという戦略も効果的でしょう。
PickUp編集部