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4月23日(木)ユーロ/ドル
基調
波乱含み
目先の注目材料
・4/23 EU首脳会議
・主要国株価、国際商品価格
「コロナ債」を巡る不安と期待
本日の欧州連合(EU)首脳会議では、新型コロナウイルスの感染拡大で被害を受けた国を支援する枠組み作りが最大の焦点になる。
今月9日のユーロ圏財務相会合では、総額5000億ユーロ規模の支援策で合意。
救済基金である「欧州安定メカニズム(ESM)」を活用し、医療関連支出に限って加盟国は国内総生産(GDP)の2%まで融資を受けられることになった。
しかし、域内最大の感染者を出したイタリアや、それに次いで感染者が多いスペインはこれだけでは不十分だとして支援の拡大を求めている。
そこで話題に上っているのが「ユーロ共同債」、いわゆる「コロナ債」だ。
ユーロ加盟国が「コロナ債」を発行して共同で資金調達を行い復興基金を創設。
コロナ感染被害国は基金を活用して経済を再建する仕組みだ。
財政面で比較的余裕があるドイツやオランダは、「南欧の借金の肩代わり」になってしまうとして「コロナ債」に反対している。
ただ、EUの執行機関である欧州委員会の示した代案(加盟国の保証に基づき欧州委員会が資金調達を行う)にドイツのメルケル首相が理解を示したとの報道もあり、「コロナ債」を巡っては市場に不安と期待が交錯している。
こうした中、本日のEU首脳会議で「コロナ債」の発行に前向きな姿勢が示されればユーロは上昇しそうだ。
反対に、後ろ向きな見方が示されれば経済不安に加えて政治不安も高まる事になり、ユーロは下落するだろう。
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