FXは元本保証型の金融商品ではありません。
言い替えると、運用で資産を失うリスクを伴っています。
金融商品の中でもFXは、ハイリスク・ハイリターンで、他の投資手法よりもリスクが多いとされています。
そこで今回はFX取引におけるさまざまなリスクと対処方法について解説してみます。
FX投資とは
FXは英語で「Foreign Exchange」、日本語では「外国為替証拠金取引」と言います。
FX取引は、2つの特定の通貨を売買し、その差益が利益となる取引です。
例えば、日本人にも馴染みの深い米ドルと円の二つの通貨を使って考えてみましょう。
1ドル=100円のときに、10,000円分のドルを買うと、10,000円が100ドルに替わったことになります。
その後、1ドル=120円になった場合、20円(120円-100円)×100ドル=2,000円が利益となります。
また、FX取引では、買いポジションだけでなく、売りポジションを持つこともできます。
1ドル=100円のときにドルを10,000円売り、その後、1ドル=90円になったときに買い戻せば、10円(100円-90円)×100ドル=1,000円の為替差益が得られます。
FXのリスクと対処方法
FX取引とは、上述したようなやり方で利益を獲得する投資です。
しかし、冒頭で触れたように、そこにはさまざまなリスクが潜んでいます。
そこで今回は、FX取引における代表的なリスクを6つご紹介しましょう。
1)為替変動
為替変動とは、特定の通貨ペアの為替レートの変動を意味します。
例えば、1ドル=100円のときに「ドルが今後上昇する」と予想してドルを買ったものの、予想に反して、ドルが下落してしまうリスクのことです。
為替変動を100%予測することは、確かに難しいですが、少しでも予想の確度を上げるために、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析なども用いましょう。
また、各国から公表される経済指標も、相場に与える影響が大きいため、自身が取引をする国の指標は、必ず確認しておきましょう。
2)流動性
FXにおける流動性とは、「決済をスムーズに行えるか否か」という意味で使われるケースが多いです。
米ドル/円やユーロ米/ドルなど、多くの投資家が活発にトレードしている通貨ペアは流動性が高いといえます。
一方で、南アランド/円やトルコリラ/円などは、取引参加者が少ない傾向にあり、流動性が低い通貨ペアとなります。
投資初心者は、相場に慣れるまでは米ドル/円やユーロ/米ドルなどのメジャー通貨で取引することをお勧めします。
3)金利変動
取引する通貨国の金利が変動することにより、受け取る金利が変動するリスクです。
金利政策は基本的に各国の中央銀行が決定するため、当たり前のことですが、個々のトレーダーの裁量外です。
長期的に高スワップポイントの受け取りを期待して、マイナー通貨に投資する際は、将来の金利低下のリスクを踏まえて取引量を調整する必要があるでしょう。
4)過大なレバレッジ
レバレッジとは、元手資金を何倍にもして取引を行えるFX独自の仕組みです。
運用する金額を大きくすれば、その分、利益も損失も大きくなります。
FX会社によってレバレッジの設定方法は異なりますので、取引の前に確認するとともに、投資初心者はレバレッジを2倍程度にして、リスクを抑えた投資を心がけましょう。
5)遅い損切り
損切りとは、想定と異なる方向に相場が動いてしまった際、それ以上損失を拡大させないようポジションを決済して損失を確定させることです。
人間誰しも損はしたくないものですが、判断に迷い、この損切りのタイミングが遅れて、最終的に資産の大部分を失ってしまうリスクもあります。
節目となる水準に到達したら、確実に損切りをするように、事前にルールを設けておく必要があります。
6)甘い資金管理
FXに限らず、投資はあくまで余裕資金を用いるようにしましょう。
そのためには、適切な資金管理が欠かせません。
生活資金を元手に、身を削るようにFXをやっても、冷静な投資判断はできません。
投資の資金と生活の資金をきちんと区別していないと、最悪の場合、今の日常生活を失ってしまうリスクもあります。
さて、今回は投資初心者が知っておくべきFXのリスクについて調べてみました。
「億トレーダー」と呼ばれるFXの成功者たちの多くに共通しているのは、こうしたリスク管理を徹底している点です。
これらのリスクを十分に理解した上で、FX取引を始めてください。
そして、知識と経験を積み重ねて、さらに上級者への道を目指しましょう。
PickUp編集部