総括
利下げか。リセッション、財政赤字拡大、ジャンク債への懸念
予想レンジ 南アランド円 6.20-7.20
(ポイント)
*今週は政策金利、CPI、小売売上などの発表がある
*ムーディーズは成長見通しを引き下げ
*ムーディーズの格付け見直しは3月27日
*原油価格下落はメリット
*南ア産出の資源価格も下落
*4Q・GDPはマイナス成長でリセッション入り
*初のコロナウィルス感染があった
*製造業PMIが弱かった
*経常収支は改善
*OECDや世銀IMFは成長見通しを下方修正
*大統領の施政方針演説、財務相の予算教書ともに市場では評価されず
*電力大手のエスコム社、南アフリカ航空ともに財政難
*停電が続いている
*12月と2019年は貿易黒字
*トヨタは南アに追加投資を行う
*南アの最大貿易相手国は中国
*ムーディーズはエスコム社を格下げ
*中銀はランドの平均的な水準を1ドル14.5としている
(政策金利は、成長見通しは)
今週の政策金利は0.25%引き下げて6.0%へとの予想だ。リセッション、国内初の新型コロナウイルス感染、資源価格の下落、主要国が協調して利下げを実行していることなどからだ。
20年2Qの政策金利の予想も5.75%で、年末までこの水準が続くという見方が強い。エコノミストの成長率予想は今年が前月から0.5%低下の0.3%、来年は0.1%%低下の1.2%。
ムーディーズも、2020年の南アの成長率、0.7%から0.4%に下方修正した。ムーディーズは主要格付け機関の中で唯一、南アの格付けを投資適格級に維持しており、今月見直しを行なう予定。
新型コロナウイルスの世界的な拡大は、需要・供給双方に同時に衝撃をもたらしている。特に上半期は、この衝撃が物理的に経済活動を鈍化させると予想しているとしている。
ラマポーザ大統領は、新型ウイルスの流行が観光に及ぼす影響は甚大で、国内経済への悪影響は免れないと警告。国民にはパニックに陥らないよう呼びかけた。低成長、財政赤字拡大、ジャンク債への懸念、リセッションと悩みは尽きない。
(現在位置、通貨は最下位、株価は10位)
・FX
・株
(今週は指標が多い)
政策金利の他に以下の指標の発表がある
・2月CPI 前年比 前回4.5% 予想4.5%
2月コアCPI 前回3.7% 予想3.7%
・1月小売売上 前年比 前回-0.4% 予想0.5%
・1月建設許可 前回-13.4% 予想7%
(ムーディーズ格付け見直しと他社の現在の格付け)
現在投資適格級に格付けしているムーディーズの格付け見直しは3月27日
現在大手格付け3社の格付は以下の通り
ムーディーズ Baa3 見通し ネガティブ
S&P BB 見通し ネガティブ
フィッチ BB+ 見通し ネガティブ
(南ア原産の資源価格も下落)
原油は輸入国なので価格下落はメリット
テクニカル分析(ランド/円)
漸くボリバン内へしっかり戻る
日足。ボリバン下限下抜きから漸く先週末はバンド内へしっかり戻す。3月9日-13日の上昇ラインがサポート。2月26日-3月5日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足。先週はボリバン下限を大きく下抜くも、行き過ぎで急反発、ただまだボリバン下限には戻していない。3月2日週-9日週の下降ラインが上値抵抗。
月足。19年8月-20年1月の上昇ラインを下抜く。1月-2月の下降ラインが上値抵抗。3月も下落してボリバン下限下抜くも、先週は急騰しボリバン下限まで戻す。
年足、16年-18年、16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
アフリカ大陸とコロナウィルス、アジア人は注意
ジェトロは3月8日、南ア日本商工会企業向けに、新型コロナウイルス対策セミナーを開催。中国などの感染流行国との間で人の往来が多いエチオピアがアフリカの中で最も感染拡大のリスクが高いと説明した。他方、南アとエジプト、アルジェリア、セネガルは域内で最も感染予防に努めている国だとした。また、アフリカでも感染をアジア人が広げているという偏見を持つ人が多い。フェイクニュースなどの誤った情報の拡散がアジア人の排斥運動につながることもありうるため、在留邦人も域内の出張のみならず日常生活でも注意が必要。
アフリカではマラリアやエボラ出血熱など、新型コロナウイルス以外の感染症も多く、医療従事者が新型コロナウイルスと特定できていない可能性もあるため、現在発表されている感染者の統計をうのみにはできないらしい。
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