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FX初心者が破産しないためにまず学ぶべきこと

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FXが原因で破産して、借金を重ね、挙句の果てに犯罪行為に手を染めてしまう人がいます。
数が多い訳ではありませんが、そのせいで、FXが悪いことのように言われてしまうことがあります。
しかし、そもそもFXはその犯罪行為とはまったく無関係です。
また、資金繰りのために、借金を繰り返してしまうことも、当人が数ある選択肢の中から選んだひとつに過ぎません。

ただ、FX取引の知識が不足していたり、FX取引に対する心構えが間違っていたりすると、損失が重なって、破産という結末を迎えることがあるかもしれません。
そこで今回は、FX初心者向けに、まず破産しないために学ぶべきことを解説してみたいと思います。

目的は資産を守り増やすこと

FXを始めたばかりの方々の話を聞いてみると、「現在の円相場は円高なのか」「それとも円安なのか」「今後どう推移するのか」「儲けられるタイミングはどこなのか」「勝率の高いテクニカル分析は何なのか」など、そういうことばかりが気になるようです。

同時に私は、彼らがどのように資金管理を行っているのかを確認しますが、安心できるようなルールで運用している方は滅多にいません。

そもそもFXの目的は、少額で大きな資金を動かせるというレバレッジ取引を、平日のほぼ24時間に実施できるという利便性を生かし、自分の資産を守りながら、同時に増やしていくことです。
ところが、その目的を履き違えている人が少なくありません。

だからこそ、売買手法を勉強する前に、資産を守りながら、増やしていくための資金管理を学んで欲しいのです。

資産管理

まず、資産を減らしてしまうと、負けた分を取り戻すことは難しいという事実を理解してください。
多くの人が「10%損をしたら、10%を取り返せばいい」と誤解しています。
しかし、10%では負け分を取り返せないのです。
参考として、◯%の損失を出したとき、元本回復をするのに必要な収益率を、表にしてみました。

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一度資産を減らしてしまうと、取り戻すためには、損失以上の利益を上げるパフォーマンスが必要になることがわかると思います。
初心者の多くは、損失を取り戻すために、ポジションサイズを大きくして挽回しようとします。
しかし、FX取引の経験不足などから、損失をさらに広げてしまう悪循環に陥るケースが少なくありません。

損失許容額を設定する

このような悪循環に陥らないためには、自分の損失許容額を取引開始前に決めておきます。
アメリカの著名なファンド・マネジャーであるラリー・ハイトは、自身が創設した会社のトレーダーに「どの取引においても、全資産の1%以上のリスクはとるな」と指示しています。

▼参考記事:初心者に覚えてほしいFX投資に役立つ格言10選

FX初心者の場合は、FX以外の収入が毎月あると思いますので、月収からFX投資にまわす金額を決めて、その金額を『毎月の損失許容額』と設定してみてはどうでしょうか。

▼参考記事:FX市場から退場せず、成長し続けるために必要な資金計画の立て方とは?

いずれにせよ、資産を守り、そして増やすために、損失許容額を設定し、それを守りながらトレードするという資金管理の方法を徹底してください。

資金管理
・損失許容額の設定
・損失許容額を守った取引の実行

ポジション管理

続いてFX初心者が学ばなければならないことはポジション管理です。
ポジション管理とは、一回の取引当たりのポジションサイズを決定し、管理する方法のことです。
資金管理のときに設定した損失許容額を踏まえて実施します。

まず、前述の損失許容額から、一取引当たりの損失許容額を決めてください。
その算出式は、週一回の取引の人と、1日に何回も取引する人では異なります。
各自の投資スタイルにあわせ、合理的に算出してください。

一取引あたりの損失許容額を決めた後は、新規で注文しようとしている取引の「撤退水準」を設定します。
撤退水準とは、新規注文に対して自分の思惑とは逆に相場が動いたときに、どこまで我慢するかの値です。
言い換えると、「損切り注文」の値段のことです。

例えば、移動平均線のゴールデンクロスのシグナルで新規発注する場合、そのシグナルが消える水準で損切りするとか、一目均衡表の三役好転で新規発注する場合、3つのシグナルのいずれかが逆転する水準で損切りをするとか、新規発注する根拠が崩れるような値段で設定しましょう。

一取引当たりの損失許容額と「損切り」注文の値段を決めると、自動的にポジションサイズが決まります。

ポジションサイズ=一取引当たりの損失許容額 ÷ 損切り注文による損切り値幅

ポジション管理の順序
1)一取引当たりの損失許容額を決める
2)損切り注文の値段を決める
3)ポジションサイズが自動的に決まる

多くのFX初心者は、1)損失許容額について何も考えておらず、2)損切りの値段や、3)ポジションサイズの決定について、順序に従わずに設定しています。

「何Lot発注しようかなあ」と、何も考えずにポジションサイズから決めると、まったく意図せずに、大きなリスク(損失を被る可能性)を取ってしまうことがあります。

FX初心者が破綻しないために学ぶべきことのまとめ

最後にFX初心者がまず学ぶべき資金管理とポジション管理をまとめてみます。

資金管理
・一度損失を出すと挽回しづらいことを理解すること
・損失許容額を設定し、それを守る運用をすること

ポジション管理の順序
1) 資金管理で設定した損失許容額をふまえた「一取引あたりの損失許容額」を決める
2)損切り注文の値段を決める
3)1)と2)の値から算出したポジションサイズを守って取引をする

この資金管理、ポジション管理を徹底すると、FX取引を長く続けることが可能になります。
つまり経験を積むことができ、FX投資のスキルアップにつながるでしょう。

FX投資が初めての方へ!FXの魅力や特徴(初心者編)はこちら

岩田仙吉(いわたせんきち)氏
株式会社タートルズ代表/テクニカルアナリスト
2004年、東京工業大学から一橋大学へ編入学。専門は数理経済学。卒業後、FX会社のシステムトレードプロジェクトのリーダーになり、プラットフォーム開発および自動売買プログラムの開発に従事。その後、金融系ベンチャーの立ち上げに参画。より多くの人に金融のことを知ってほしいと思い金融教育コンテンツの制作に集中するために会社を創業。現在は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法ではなく、初心者でも長く続けられるリスクを抑えた投資手法を研究中。