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香港問題と米中通商協議後退で人民元が安い

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総括

香港問題と米中通商協議後退で人民元が安い

(先週=小売売上 鉱工業生産、今週=特になし)(通貨7位、株価9位)

予想レンジ 人民元/円 14.8-15.8

(ポイント)
*ドル元相場は米中通商会議への憶測で動いている
*米国が香港人権法案を可決したことで中国が反発
*トランプ大統領が関税引き上げを示唆
*中国景気は減速
*中国は米国以外への経済外交を積極的に進めている
*3Q・GDPは減速 
*PPIが低下 人民銀行は金融緩和を実施
*米国は中国への投資制限を示唆し圧力をかけている
*S&P中国の格付けを維持
*習主席は2049年までのリスクへの闘争を示唆、一方トランプ大統領は早期解決を望む
*米国は中国を為替操作国と認定
*中国は通貨バスケット制に基づき元を変動させる.
*全人代のCPI上昇目標は3% 

(ドル元相場は1ドル7.0近辺での攻防 米中通商協議次第)
 人民元は米中通商協議でも要人の発言に振らされている展開だ。先週も前半は協議の悲観的な見方で人民元は下落したが、15日(金)にはカドロー米国家経済会議委員長が、中国との協議は極めて建設的だとし、中国と通商合意に近づいているとの認識を示したことで人民元は上昇した。ただ11月19日には米上院が香港人権法案を可決したことで米中関係の悪化が予想され人民元は下落している

(景気減速)
 確かに中国景気は減速している。1-10月の固定資産投資は5.2%増で98年以降のデータで最低の伸びとなった。10月の工業生産は前年同月比4.7%増。予想の5.4%増を下回った。小売売上高は同7.2%増加。予想は7.8%増だった。ただ景気減速は中国だけで起きているのではなく、世界全体で起きている。中国特有の問題ではない。米国との関税戦争で対米貿易額は減少しているが、中国は積極的に米国以外との国への経済外交を展開し対米関係の悪化を相殺しようとしている。先週も習近平国家主席がギリシャのパブロプロス大統領やミツォタキス首相と会談し、ギリシャも参加する中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に基づく協力強化を確認した。BRICS会議の首脳宣言では「我々は多国間主義へのコミットを続ける。貿易の緊張や政治的な不確実性が信頼や貿易、投資、成長に影響を及ぼしている」と明記。米国を念頭に、保護主義に懸念を示した。対アフリカ、対南米外交にも積極的だ。

(潜在成長力)
 中国問題グローバル研究所では4.5億人の中所得者を抱えている中国は巨大な成長の余地があることを示している。4.5億人が中所得に達しているということは、まだ9億人以上がそのレベルに達していないということも意味している。これらの人の収入を増やし、消費能力を向上させることは、まさに経済成長の可能性に繋がるだろうとしている。貿易面でも対米貿易が縮小する中で、対ユ―ロ、対ASEANが拡大している。対米関係の悪化に手を打っている。米中通商協議の決裂は長い目で見て米国にとって分が悪いのではないだろうか。

(トランプ米大統領が関税引き上げ示唆)
トランプ米大統領は19日、米政府が中国と通商問題で合意できなければ、対中関税を一段と引き上ると述べた。
トランプ大統領は、中国と良好な関係を築いているとし、中国は「動きを見せている」と述べた。ただ中国は「自分自身が気に入る」ディール(取引)を行う必要があるとし、「われわれが中国とディールを行えなければ、単に関税を一段と引き上げるだけだ」と述べた。
 
(最優遇貸出金利を小幅引き下げ 景気支援へ)
* 1年物LPRを4.15%に設定(前月は4.20%)
* 5年物LPRを4.80%に設定(前月は4.85%)

人民銀行は、銀行貸し出しの新たな指標金利を小幅に引き下げた。借り入れコストを押し下げ、需要鈍化や貿易摩擦で打撃を受ける経済を支援する。
人民銀は、銀行の最優遇貸出金利であるローンプライムレート(LPR)の1年物を4.2%から4.15%に引き下げた。1年物の引き下げは8月に同指標金利が導入されてから3度目。
5年物も4.85%から4.8%に引き下げた。5年物は8月の導入以降初めての引き下げとなった。

(米公務員年金基金、中国株含む指数に連動した運用を決定 議員ら反発)
米連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)は、中国株を含むMSIC全世界市場(米国除く)株式指数に連動した外国株式投資ファンドの運用を開始する方針を決定した。
中国企業に対する安全保障上の懸念が高まる中、この運用方針を巡っては、議会上院の超党派グループなどが強く反対していた。
マルコ・ルビオ上院議員を中心とする超党派グループは今月、公務員年金の中国株投資を禁止する法案を議会に提出。下院も同様の法案を提出している。ルビオ議員は声明を発表し、この決定について「ばかげている」などと批判。「米国の最善の利益のために行動することを拒否する動きだ」とし、関連法案の早期可決を呼び掛けた。

テクニカル分析(人民元/円)

香港問題と米中通商協議後退で下落 ボリバン上限から中位も下抜く

日足。ボリバン上限到達後下落しボリバン中位も下抜く。11月14日-19日の上昇ラインを下抜く。11月18日-19日の下降ラインが上値抵抗。10月31日-11月1日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。20日線下抜く。雲上。
 週足。11月4日週-11日週の上昇ラインを下抜く。11月4日週-11日週の下降ラインが上値抵抗。8月26週-10月7日週の上昇ラインがサポート。
 月足、5月-8月の下降ラインを上抜く。9月-10月の上昇ラインがサポート。18年5月-19年4月の下降ラインが上値抵抗。ただ今月は上ヒゲが長くなってきた。
年足、16年-18年の上昇ラインを下抜く。16年-18年の下降ラインが上値抵抗。11年-12年の上昇ラインがサポート。

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チーファンラマ

中国、米上院の香港人権法案可決を非難

* 米上院の香港人権法案可決を強く非難、断固として反対
* 米国は香港と中国の問題への介入やめるべき
* 米国、香港人権法案を成立させるべきでない
* 中国、主権と安全保障守るため必要な措置取らざるを得ない

情報提供元:FX湘南投資グループ
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